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DATE:2008/07/21 China - Chengde -
今日は承徳の中心にある避暑山荘めぐり。
5時の北京行きのバスには間に合うように観光するため、
けっこう急ぎ足で回らなくてはならない。
なにせ、この避暑山荘は広いと思っていた頤和園の約2倍の広さがあるそうで。
万里の長城を思わせるような外壁で覆われた避暑山荘。
昔は夏の間だけ行政を行う、皇帝の避暑地として作られたらしい。
故旧のきらびやかさとはまったく異なり、
なんだか質素な作りの建物が多い。
それでもその静かな空間は気持ちいいぐらいに、澄んでいる。
木造の建築物の間々にひんやりと石畳が続いている。
観光客が少ないせいもあってか、その空間が中国の町の喧騒とは対照的で心地よかった。
行政を行っていた建物を抜けると大きな湖が見えてくる。
この大きな湖の周りと、さらにその奥にある小高い山の中に、
小さな建物が点在しており、これがこの皇宮の広さを作っている。
今日の最終目的地は、昨日見た外八廟が山の上から見下ろせる避暑山荘最深部。
遠くからでもその建物はかすかに見えるが、
そこへ行く為には湖を越えて、さらに山をいくつか登らなくてはならないらしい。
地図上の距離では約3キロほど。
とりあえず湖を抜けてみるが、なかなか目的地が近づく気配はない。
いくべきか、戻るべきか。
これまで何度もしてきた選択がまたもや僕を悩ませる。
すでに登山口の入り口まで来てしまってはいるが、
目の前にそびえる小山は意外にも急勾配である。
しかも5時には出発するため、遅くともここを4時には出る必要がある。
時刻は既に1時半。行って戻ってくるだけの時間はあるのか???
なんて、ことで悩むことは当然のごとくありませぬw
山があったら登るでしょー!
と、近くの店で水分補給をしてから山登り開始!
30分後・・・んー意外と辛いかも。。。
案の定というべきか、登ってみると結構上り下りが激しい細い道。
僕以外でこの道を進んでいる人はどうやらいないようだ。
とりあえず30分かけて、中継地点までたどり着く。
すると以外にもざわざわと人の姿が見えてくる。
なんだ、けっこういるじゃん登山者。
と思いきや・・・。
目の前を電動カートが走り抜けていく。
どうやら、ここの観光客たちはこれに乗ってここまで来たようだ。
しかし無常にもこのカートは逆周りらしく、
今から途中参加してもスタート地点に戻るだけらしい。
先に言えよ~、と思うもたぶん中国語が読めなかっただけ。
ここは自らの力で進むしかない。
とはいえ、カートが走っているということは、
それだけ整備された道があるということ。
今まで登ってきた道はどうやらここまでで、後はカートの道と合流するようだ。
行くっきゃないよね。つーかもう引きかえせん!
というわけで、時折すれ違うカートに乗った観光客に
「おまえ一人でなに登ってんの?」的な視線を投げかけられつつ登山は続く。
野生なんだか、飼育されてるんだか良くわからない鹿に出会う。
なんだか顔が細長く、日本で見る鹿とは結構イメージが違う。
アップダウンを繰り返し30分ぐらいすると、
端っこらしいレンガ積みの塀が見えてきた。
観光客の声も聞こえてくる。
ひーこら言いながらたどり着いた最北端。
そこには想像した通りすばらしい世界が待っていてくれた。
昨日訪れた普陀宗乗之廟の全景が目の前に広がっている。
近くからでは感じられなかったその大きさも手に取るようにわかる。
さらに全体を囲む塀も以外にもしっかりした作りであることに気づく。
塀自体は上をずっと歩いていけるような構造になっている。
眼下に広がるお寺の全景を見ようと、塀の上を歩いていってみる。
左側に見えていたお寺が少しずつ真ん中になり、やがて右側に抜けていく。
空から眺めているようなその行為が結構楽しい。
塀の上をずんずん進む。
だんだんと整備が甘くなり所々レンガの間に草が見え出す。
それでも延々と続く蛇のようにうねる道。
どうやら本当にこの庭園全体をぐるりと囲っているらしい。
今まで訪れた町や庭園でもそうだったが、
中国の「囲う」という行為の規模の大きさにはいつも驚かされる。
何キロにも及ぶ塀をいたるところに築いていく。
非効率にも思えるが長い歴史の中でそれが必要だったということだろう。
そしてそれを作るだけの力や権力を持っていたという証拠でもある。
そのダイナミックさは他に類を見ないと思う。
さて、そんなこんなで塀の上をずんずん進んでいったのだが、
10分ぐらい進んだあたりであることに気づく。
あれ?降りられないじゃん・・・。
途中まで、下の道に降りていく階段がたまにあったため油断していたが、
いつの間にかその階段も見当たらなくなり、
さらには下を通っていた道さえも遠くのほうに離れている。
またもや選択の時が現れる。
進むべきか、戻るべきか、はたまた飛び降りてみるか。
5メートル近くもあるそこを飛び降りるのは早々と却下したが、
進むか戻るかは難しい。
なにせ戻ったとしても、どうやら眼下の道をさらに進まなくてはならないらしい。
でもこのまま塀の上を進んでいけば、道の先にたどり着けるとも限らない。
最悪の場合、塀の上を一周という恐らく前人未到の暴挙に出ることになる。
まいっか。進も。
何とかなるさ。この道を進めばどうなるものか・・・迷わず行けよ!行けばわかるさ!
と、なんとも無責任な言葉を胸に秘め、ひたすら塀の上を歩いてみることにする。
もともと人が歩くことが前提ではない塀の上。
いつの間にか、急角度のアップダウンが続いていく。
あぁ、もう戻るのもめんどくさいなぁ、と思いつつ前進は続く。
地図上では、何か裏門らしきものにたどり着くはずなのだが、
その姿は一向に見えず。
誰もいない塀の上を一人とことこ歩いていく。
と、道の先に端らしき様子が伺えるようになる。
どうやら何か建物も見える。
ゴール!!
庭園の裏口に着いただけなので、
道程的にはまったくゴールでもなんでもないのだが、
なんだか変な達成感。
建物の中で休んでいた従業員に、
「おまえどっから来たの?」と不思議そうに見つめられるも無問題。
ついに僕はやりました!
庭園を見に来たはずなのに、
なんだかこの塀ウォーキングの方が印象深くなってしまった。
帰り道はそこから入り口に向けて森の中をハイキング。
なぜだかチョウチョだらけのその道。
ぽかぽか陽気も相まってほのぼのとした気持ちになる。
無事に5時のバスに乗り込み北京を目指す。
バスの中では20歳の高校生(本人曰く)と話しながら過ごした。
どうやら彼は小学生のときに落第したらしい。
さらに今は家出中。久々に実家に帰る途中らしい。
父親はレストランやホテルを多数持つ、お金持ち。
なかなか厳しそうな家庭。波乱万丈な人生だ。
北京到着後、へとへとになりながら宿にたどり着く。
夕飯を食べていなかったので、辺りを探すも見つからず。
時刻は深夜0時。都会とは言え北京の夜はまだ早いらしい。
30分ぐらい探し回りようやく一軒のお店を探し出して、
坦坦面とビールを平らげる。
北京の燕京ビールはあんまり美味しくない。これが残念なところだ。
ちなみに中国は地ビール的なものがたくさんあって、
各都市によって飲んでいるビールが異なる。
唯一、青島ビールだけが全国区なのだが、
どちらかというとそれは高級ビール的な扱い。
一般の人が飲んでいるのは地元のビール。
各都市で必ずその土地のビールを試すようにしてきたが、
今までのベストは雲南地方の「大理ビール」
中国のビールは冷えていないことも多いのだが、
このビールは冷えてなくても美味しい!という完璧なビール。
日本で売ってもぜったい売れる気がする。
ちなみに第二位は洛陽の「洛陽ビール」
地元ではあんまり人気がないようだったが、個人的には大好きだった。
そんなわけで残念なことに美味しくない北京のビールは置いておいて、
くたくたになりながらご就寝。
なんか色々あった気がするけど、塀の上のことしか覚えてないなー、今日は。
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