DATE:2009/08/07 Mexico - Cancun -
あぁ、なんか良い家だ。
今日やっとカンクンを出る。
2、3日のつもりだったカンクンもいつの間にか5日が経っていた。
その理由はやはりダウンタウンにあるこの家にあるのだろう。
真っ白いペンキが塗られた広い室内は日本のせせこましい住宅事情とはまったく異なり、
そんな家を宿にして間借りして暮らしていると、
この広さが驚くほど心地良い事に気づく。
環境というのは人間を作り上げる大きな要因だろうが、
人々の気質というのは家によって大きく変わるような気もする。
明るいメキシコ人の笑顔を見ているとそれは大きく外れてはいないように思える。
今日はここから午後4時発のバスに乗り、
メキシコ中部にあるパレンケの遺跡を目指す。
到着は明日の早朝、予定ではそのまま観光後、メキシコシティへと向かうつもり。
急ぎ足の中米の旅もひとまずそこで終着点。
そこからジャマイカに向けての旅が始まり、
それを終えれば最後の国、アメリカ。
残りはもう1ヶ月を切っている。
旅の終わりが現実に迫っているのにも関わらず、
いまだその事に現実感が沸かないのはどうしてだろう。
曖昧な日本での生活のイメージに不安を抱くというよりは、
なんだか夏休みの宿題のような億劫さを感じている。
午後のバスまでの時間をのんびり家で過ごす。
貴重な旅の残り時間。
ただのんびりもまた、旅の思い出リストに蓄積されていく。
この暑さともひとまずこれでお別れだ。
高地にあるメキシコシティは涼しいところだと聞いている。
カリブ海ともしばしの別れ。次に会うときはジャマイカの海だ。
そしてこの家とも。
出発時間30分前に家を出た。
照りつける太陽がじわりと汗を滲ませる。
バスターミナルにたどり着き荷物を降ろした。
さぁ、ここからまた旅がはじまる。
定刻通りに走り出したバスの中、車窓を眺めていた。
なぜか真っ直ぐに南下を始めている。
プラヤ・デル・カルメン、トゥルム、さらにはチェトマルまで。
今まで北上してきた道を全て折り返してしまったが、
どうやらバスはここから西へと進みパレンケを目指すらしい。
メキシコのガイドブックなどないのできちんと調べてはいなかったのだが、
カンクンから単に西へ向かうと思っていたルートは勘違いで、
結局はユカタン半島を往復する非効率なルートだったようだ。
ま、それも旅ってやつさ。
そう言い訳をして真っ暗なバスの中、小さな座席に身をうずめた。
この夜行バスってのもまた、最後かもしれないな。
そう思うとなんだか慣れ親しんだこの小さな狭い空間が、
なんだか愛おしいような気もした。
Anyway,
バスは一路、西へと進む。
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