2009年8月8日土曜日

世界一周(52)メキシコ/パレンケの遺跡





























DATE:2009/08/08 Mexico - Palenque -


紫の夜にオレンジを注ぎ込んだような。
そんな美しい朝日を見た。
それがパレンケの一日の始まりだった。

荷物をバスターミナルに預けて、
ぎりぎり最後の一席だったメキシコシティ行きのバスのチケットを買い、
そのままパレンケの遺跡へと向かった。


遺跡の近くは国立公園になっていて、
キャンプ場やバンガローがあちらこちらに建てられている。
聞くところによると森の中のバンガローに泊まってパレンケを満喫するのも悪くないそうだが、
急ぎ足のこの旅ではまた今度と諦めた。


4つ目となったマヤ遺跡。

さすがに4つも見ると飽きが来る頃だったが、
確かに目新しいものは少なくなるものの、
個人的にはそれぞれの遺跡の違いを見るのもまた楽しみでもあった。


さて、パレンケの遺跡はどんな遺跡なのだろう。

聞くところによるとジャングルの中にある遺跡の姿はとても風情があるそうだ。
ただし、ティカル遺跡を見た人にとっては「ナッシングスペシャル」だそうで、
該当する僕にとって、この遺跡がどう映るのかは楽しみだった。


パレンケの遺跡に入るとすぐにピラミッド上の遺跡が目に入る。
そこから視線を左に移すと、さらに大きなピラミッドが、
そしてその先には四階建ての塔を持つ宮殿がそびえる。
その奥にもまだ遺跡があるのが見え、
こじんまりとしているがなかなか見所は多そうだ。

パレンケの遺跡を見ると
やはりマヤの遺跡がそれぞれに特徴を持っている事が良くわかる。

ピラミッドの形はチチェン・イツァのものに似ているが、
遺跡を回ってみるとパレンケの遺跡には小さな発見が多いことに気づく。

例えば神殿の柱の下にはウサギの骸骨の彫刻が刻まれていたり、
足元の何気ない石の中に蛇のような模様が刻まれていたりする。
ふと上を見上げればマヤ天井と呼ばれる三角の屋根がある。

最も面白いのは宮殿下の地下室を覗けることで、
案内板もない地下の中に入り込むと迷路のように続く地下道を歩くことができる。
雨水が滴る湿った地下の道の先にはいくつかの部屋があり、
当時の生活の場所だった部屋など石でできたテーブルなどが残っていたりする。

地下道はどこまでも奥まで続いているそうだが、
金網で遮られた入り口の中は真っ暗い闇だけが覗いている。

宮殿の地下も複雑なつくりをしているようだが、
宮殿の隣に立つ最も大きなピラミッド神殿からは近年王の遺体が発見されたそうで、
パレンケの遺跡には今も眠るロマンが秘められている気がする。

遺跡を回るには森の中を歩いて回り、
それもまた探検気分を味わうことができて面白い。

しかしながらやはり個人的にはパレンケの面白さは、
柱の下の小さな彫刻に代表されるような個人的な小さな発見にあるように思える。
まるで考古学者になったような気分で、誰も知らない遺跡の秘密を探る。
そんな面白さがパレンケの遺跡にはあった。



遺跡の出口に立つと沢山のお土産売りが声をかけてくる。
真っ白だったカンクンあたりの民族衣装と異なり、
グアテマラに近い色鮮やかな衣装に変わっているのが面白い。

遺跡を後にしてパレンケの町に戻った。
小さな町を歩いてみると10分も経たないうちにメインロードは終わりを告げた。

適当に入った食堂のメキシコ料理はやはり美味しく、
メキシコシティでの食道楽に期待が高まる。

そう言えば中米に入り始まったトルティーヤ文化だが、
使っているトウモロコシの粉が違うのかメキシコのトルティーヤは圧倒的に旨い。
最初、ニカラグアで食べたものと比べればふっくらとしていて、
食感もまったく異なっていた。


バスターミナルに戻りしばらく時間をつぶし、
メキシコシティ行きの夜行バスへと乗り込む。

旅の終わりは少しずつ迫っていた。
だが現実感だけが、どこか遠く他人事のように宙に浮かんだまま。


ついに中米の最終目的地、メキシコシティ。

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