2009年7月20日月曜日

世界一周(50)グアテマラ/グアテマラシティの日常















DATE:2009/07/20 Guatemala - Guatemala City -


古都アンティグア。

グアテマラでは最も有名な観光地のひとつで、
その美しい町並みは世界遺産にも登録され、多くの観光客でにぎわうと言う。

さぁ、そんな町をご紹介するのもきっと明日のこと。

薄暗い安宿で目を覚ましたときにはすっかり10時をまわっていて、
観光の予定もまた明日へと延期になったのであった。

となると、観光するところと言えばグアテマラシティ市内ぐらいしかない。
治安が明らかによろしくない町を散策するのは気が引けたが、
それでもやはり観光魂は火を絶やすことなく今日もまた町へと繰り出すのであった。


グアテマラシティの観光と言っても、
いくつかの民族博物館とカテドラルがあるぐらいでそう多く見所があるわけではない。

僕はどちらかと言うとこの町の町並みや人々の生活の姿が見てみたかったので、
博物館に行くのをやめてのんびり町をふらついてみることにした。


昼間の大通りはさすがに危険な匂いをそれほど感じる事もない。
通りには偽造DVDを扱った店ばかりが並ぶ変な町の姿だったが、
競合が多いにも係わらず、立ち止まる客の姿も良く見かける。
1枚あたり5ケツァール、つまりは60円ほどのDVDの中には、
まだ映画も公開されたばかりのハリーポッターやディズニー映画なんかもあったりする。
相変わらずこの業界のリリーススピードは物凄い。


話は変わるがグアテマラで一番驚いたことのひとつに、
「トウモロコシがうまい」なんていう単純なものがある。

この辺りを旅した人にしかわからないのだろうが、
世界一般的に考えられているトウモロコシの味は、
日本人が考えている味とは全くもって異なる。

僕の中でトウモロコシはある意味で果物に近い甘い食べ物だが、
中米、南米、アジアなど多くの国で食べるトウモロコシは穀物に近い。
味が薄いパサパサとした硬い食感の食べ物。それがトウモロコシなのだ。

特にこの辺りで言うとトルティーヤと呼ばれるトウモロコシを使った薄いパンが主食で、
トウモロコシの粉を水で練りそれを薄く延ばしクレープのようにして焼いて食べる。
中米のニカラグア辺りから登場したトルティーヤだが、
国を越えれば味も変わるらしく、正直ニカラグアのものは食べられたものではないが、
グアテマラになると若干はマシになった気がする。

トルティーヤの質が上がった事と相関するのか、
恐らくそれに使われているトウモロコシとは別の種類ではあるが、
なんとグアテマラではスイートコーンが売られているのだ。

日本人たるものトウモロコシと言えばスイートコーン。
屋台で売られる焼きトウモロコシをがぶりとやるのはすこぶる美味い。
グアテマラではそのスイートコーンになぜかチリや塩をかけて食べる。
もちろん僕は何にもかけず、そのままで食べるのだが、
そういうオーダーをすると必ずと言って怪訝な顔をされるのだった。

そんなわけで屋台で売られるスイートコーンを見つけては食べている。
久々の甘いトウモロコシは、僕にとってはご馳走の一つであった。


ぶらぶらと大通りをまっすぐと歩くとカテドラルがある広場へと出た。

ある意味ではグアテマラシティ観光のクライマックスはここなのかもしれない。
それカテドラルの事を言っているのではない。
カテドラルの前、他の国立劇場など大きな石造りの建物に囲まれた
100メートル四方程の大きな広場。
そこに集まった地方からの観光客。それが一番の見ものなのだ。

民族衣装博物館など行く必要もないほどの民族衣装のオンパレード。
さすがに首都だけあって全国各地から人々が観光に訪れるらしい。
良く見てみれば地方や地域によって衣装の違いがあるらしく、
同じように見える衣装でもディティールに細かな違いがある。

ある民族は縦のストライプを貴重としたデザインだし、
ある民族は曲線を多用したデザインだった。

それは民族の違いでもあるようだが、
聞きかじった話によると家ごとにも違うらしく、
それが一族として伝えられる伝統文化のようだ。

観光客らしく写真を撮りながらはしゃぐ姿は、
なんだかとても新鮮でなんだかとても自然な姿に見えた。

僕らが観光の対象にしている彼らだって当たり前に毎日を楽しみ、
時には旅行だってするのだ。



なんだか当たり前の事だったが新しい事実を知ったような気分だった。

まだ明るい笑いが残る広場を後にして、またふらふらと来た道を引き返した。
夜になればまたこの道も刺すような冷たさに染まるのだろう。
それでも今はさっきまでの広場の笑い声を思い出してふわりとした優しさに包まれていた。

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