2009年7月16日木曜日

世界一周(48)ニカラグア/ニカラグアで出会った人々



















DATE:2009/07/16 Nicaragua - Granada -


朝7時に起き、荷造りを済ませ
チェックアウト時間の12時までに観光を済ませることを決めると、
グラナダの町の中へと飛び出した。

一夜明けた朝、賑わい始めていた町だったが、
やはりのんびりと言った印象はそのままで街中には馬車なんかも走っていたりする。

馬車の多くは観光客向けのきちんと飾り付けがされたものだが、
町を少し歩いてみると荷台だけの馬車がしっかりと現役で走り回っていた。
走り回っているといえば二人乗りの自転車もまた町中でよく見かけ、
後部座席ではなくサドルの前に二人目が乗るそのスタイルで、
親子はもちろんカップルまでもが町中を駆け抜けていった。

コロニアルの町の保存度はさすがで、
黄色やピンクに彩られた中世のような建物がずらりと並んでいる。
中心から離れると建物の色が白くなっていくのが面白い。
公園の前の建物には巣でもあるのだろうかインコが止まって毛繕い。
薄い黄色の壁と真っ白な柱の色に、インコの緑が栄えていた。

お腹が空いたので公園の屋台で売っていたおいしそうな料理を食べてみる。
つぶしたジャガイモに豚の皮を揚げた物を乗せ
特性ソースを掛けただけのシンプルな料理だったが、
バナナの葉っぱのお皿もおしゃれで味もピリ辛でなかなか美味。
同じく売り子からビニール袋に入ったカカオのジュースを買い飲み干した。

のんびりした雰囲気のグラナダだったが、
それでも町を少し外れるごとに少しずつ危険信号は増していく。
恐らくはそれほど危険な場所ではないのだろうが、
急ぐ旅のためトラブルはなるべく避けようと中心地へと引き返した。
それもまたグラナダの町のひとつの姿。


グラナダの町の先にはニカラグア湖という大きな湖がある。

湖と言うと最近訪れたチチカカ湖なんかを思い浮かべるのだが、
実際訪れてみるとわかるように風の強さもあってか美しさのかけらもない、
なんだか海のような湖である。
ゴミの散乱もひどく、地元の子供たちは湖で遊んでいるが、
観光客はひとりとして泳いでいる姿を見ることはない。

湖の一部は観光公園として有料化され整備されたビーチなどがあるそうだが、
その効果もいかがかねと思うほど美しくない残念な湖だった。

湖からの帰り道ホームレスのお兄ちゃんが声をかけてきて、
なんか適当に遊んでいると仲良くなってしまっていた。
昨日も思ったことだが、この町の浮浪者たちは何だか明るい。

「他の奴はなんか無視すんだよ」とか言っていたがそれは仕方がないw
旅をしていろんな人にあって許容範囲が広くなっていると言うか、
別に何でもありになっている自分がいる。

ホームレスだろうがなんだろうが人間は人間だ。
お金がないことは恥じゃないし、働かないことは悪じゃない。

ただその人が生きたいように生きて
それを自分で良しとすればそれで十分。

彼と別れ歩いているとマンゴーが食べたくなり、
彼がしていたと同じように道端に落ちたマンゴーを拾って食べた。

なんだすげーうまいじゃん。
これを拾って食べないなんてもったいない人生かもね。なんて事を思った。



チェックアウト前に辿りつき、
荷物を受け取ってから首都マナグア行きのバスに乗る。

相変わらずの森だらけの道をガタゴトと揺れるチキンバスは走り、
1時間ほどでマナグアの町へと到着した。

運転手に早く出ろよと急かされながらバスを降りると、
とたんにタクシーの運転手の客引き攻撃が始まる。
久々の何十人もの客引きに一瞬戸惑ったが、
体は覚えているものらしく荷物を担ぎ彼らを無視して動き出していた。

セオリーその1。
バスターミナルなどのタクシーには絶対乗ってはならない。

ぼったくりはもちろんの事、強盗に化けることもあるのだ。
空港などでは流しのタクシーは危険とされているが、
街中においては流しのタクシーの方がよっぽど安全。

走っているタクシーを呼びとめ値段を確認して2台目のタクシーに乗り込んだ。
最初のタクシーはぼったくりの値段を言って来たので、すぐに無視。
値段を下げることは簡単だったが、こういう奴は後で揉める可能性が高い。


タクシーの助手席からマナグアの町を眺めると、
大きくはないがそれなりに発展した町だということがわかる。

宿にたどり着きチェックインをしてベランダから町を眺めても、
大きな建物が見えることはなく、やはりこのまちが「それなり」の規模であると確認した。

宿の外はそれほど危険な匂いはしなかったが、
平日の昼間だからか人通りは少なく安心できるほどではない。

実際の話、バスターミナルに近いこの辺りは強盗の被害が良く出ているそうで、
明日のバスチケットを買いに行くためお金と最低限の荷物で歩き出した。

危険だとされている地域はバスターミナルのさらに1本先の道。
遠くから見る限りは、特に危険な様子には見えない。
強盗に会ったグアヤキルでも思ったがこういうのが一番怖い。
そして、この場所に危機感を感じられない自分の感覚もまた怖いと思う。

なにせ5ヶ月も南米を旅しているのだ。
悪い意味でも慣れというものが生じてきてしまう。

その感覚のずれがトラブルにつながるのだ。
グアヤキルのことを思い出し、ここはやはり慎重にとチケットを買いバスターミナルを出た。


バスターミナルを出たところでタクシーの運転手らしき青年が声を掛けてきた。
暇だったのか別に取り留めのない話をしていた、その時だ。


!!!!

気づいた時には男が殴りかかってきていた。

話ていたため注意がおろそかになっていた。
何もできるはずもなくただ、後ろへとよろりと倒れこみ、男の姿を凝視した。


・・・沈黙

手を上げた男は拳を振り上げたまま笑っている。

・・・てめぇ。

冗談かよ!!!


あぁ、本気でびびった。
前情報があったからだろう、頭はとっさに強盗だと思い込んだ。

こいつもタクシーの運転手の一人だったのだ。
暇だからからかったのだろうが、場所がら趣味の悪い冗談過ぎる。

怒っても仕方がないので、殴り返すふりをして、
結局はそいつとも仲良くなった。

暇そうにしているぼったくりタクシー運転手団(自分でそう言っていた)と、
ありきたりな日常会話をしているうちに、
ある一人が「マリファナ、マリファナ」と執拗に言い出したので、
めんどくさくなったのでご飯を食べに行くと言って分かれた。

タクシー運ちゃんのマリファナ話。
なんだか久々に聞いたなぁ、と思いながら、やっぱり治安は良くないね。と思った。

マナグアの町も見てみたかったが出歩くのも億劫になり
宿に戻り快適なベランダで、暇をつぶして1日を過ごした。


外には大雨が降っていた。
熱帯地域特有の空から線を引いたような急な大雨で、
30分ほど大騒ぎをするとすぐに去っていった。

たった二日間で通り過ぎた、ニカラグアの旅のように。

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