DATE:2009/07/15 Nicaragua - Granada -
午前11時。まだ僕はコスタリカ。
早朝のタクシーを捕まえて国際バスターミナルへ向かったものの、
なんと朝の便が満席、そんなわけで12時発の昼便を待っているのであった。
ちなみにこの12時の便は昨日僕が夜行だと勘違いした奴で、
12時間経って結局同じ便に乗ることになったのであーる。なんか情けない。
そんなわけで朝から待合室で黙々と日記を書いたり、
暇つぶし用の映画を見たりしてなんとか5時間もの時間を消化して
やっと12時発のニカラグア、グラナダ行きのバスへと乗り込んだ。
かくして次の国、ニカラグアへ向けての旅が始まったのである。
ニカラグアなんて国を知ったのはこの旅を始めてからからだ。
と言っても今でさえ知っているのは名前だけで、
その国についてほとんど何も知ってはいない。
ガイドブックで見る限り、人口は500万人程度で大きな国ではない。
つい最近まで内戦を続けていた国でありそのため治安は悪い。
ここ数年でも政権の交代など大きな変化があり国内は安定しているとも言い難い。
そんなものが国としての基礎知識で、
後は食事や生活習慣など他の中米と似たり寄ったり。
観光地としてはグラナダ、レオン、後は離れたところにコーン島という小さな島がある。
いろいろ並べてみたが、やっぱりそんなに見所はないね。という結論が妥当な国のようだ。
偶然、叔父さんがニカラグアに勤めているのだが「首都のマナグアは危ないよ」ぐらいしか情報はなく、
やっぱり現地に暮らしていてもそんな感じのようだ。
コスタリカの道は相変わらず自然だらけで、
お金を払って国立公園まで行ってきたのが馬鹿らしくなるほど。
5時間ほどで国境へと辿りつき、ニカラグアの入国税8ドルを払い、
パスポートに押された大量のスタンプへの言い訳を済ませると、
ついには新たな国ニカラグアへとの入国になった。
ニカラグアに入国してしばらくして驚くべきことに気がついた。
なんとニカラグア・・・コスタリカと景色一緒!
自然大国と有名なコスタリカだが、
国境を越えてもその雄大な自然は消えることなく延々と続いている。
つまりはだ、「この辺全部大自然」ってのが正しいのだ。
エコツーリズムなんて銘打って観光名所にしているが、
中米はほとんど自然で囲まれた森ばっかなのだ。
なんだか騙された気分。
しかしだ。考えてみればこれこそビジネスの基本なのかもしれない。
他と同じ状況でありながらエコツーリズムという切り口を考え、
諸外国にアピールすることで「自然と言えばコスタリカ」のイメージを植えつけたコスタリカ。
もちろんその裏側には国立公園化や環境保護活動など、
ブランドイメージを保ち付加価値を付けていく地道な努力も伴っている。
一方、内戦にひっぱられそれどころではないニカラグア。
同じような自然に囲まれながら、いつまでもそれは森のまま。
そんな小さな違いが経済成長を続け安定した暮らしをするコスタリカと、
ニカラグアの現在との大きな違いを生み出しているのかもしれない。
いつだって宝は埋もれているのだ。
普段何気なく見つめているものだって、見方を変えれば宝かもしれない。
繰り返しの日々も、仕事も、側にいる誰かも、全部。
もっともっと毎日を見てみよう。
全ての日々が僕らにとって大切な一日のはずなのだから。
午後10時ごろ、真っ暗のグラナダの町に降り立った。
観光都市だけあってそれほど危険な匂いはしてこない。
同じバスに乗っていたスペイン人の4人組に宿を教えてもらい、
結局彼女たちと同じ相部屋にチェックインした。
グラナダの町は小さいがコロニアルの町として
かなり保存状態の良い町並みが残されていると聞く。
バス停から宿までの道を歩いた限りでもそれがかなり期待できるものだとわかる。
外に出ると暑さの去った心地よい夜の風がふわりと僕を包み込む。
夜にも関わらず路上に張り出したテーブルには沢山の観光客の姿が見える。
中心街のこの辺りで見る顔はほぼ欧米人で、
町並みと相まってどこかヨーロッパへと来てしまったような気分になる。
喧騒を抜け出して少し音が止む公園でププサと呼ばれる、
とうもろこしの粉を練ってチーズを混ぜて焼いただけの軽食をコーラと一緒につまむ。
少し油の匂いがしたが屋外のプラスチックの椅子にはそれが似合う気がした。
公園には浮浪者もいるようで時たま屋台を訪れては、
それ頂戴よ、と駄目もとで声をかけてくる奴もいる。
屋台のおばちゃんが駄目よ、と言うとじゃぁタバコ1本売ってと、
きちんと1本分の代金を置いて屋台のガスコンロで火を着けた後、ふらりと去っていった。
そんな輩が30分ほどの間で3人は来たが、
なんだか和やかな雰囲気で浮浪者さえもこの町の雰囲気に染まってしまっているようだ。
浮浪者も去りしばらくすると妙なオカマがププサを買いに来て、
お約束のように僕に声をかけてきた。
なんだかんだいい加減なスペイン語で会話をし、
「飲みに行こうよ」と言われたが今日は寝るからと言って断った。
まぁ、結局は飲み物をたかりに来ただけなのであるが、
やっぱしどこ行ってもこの手の奴にはもてるなぁ、なんて今更ながらに再認識した。
宿に戻りオカマに言ったのとは裏腹にビールを頼み、
1リットル入りのそのビンをゆっくりと飲み干した。
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