2009年7月14日火曜日

世界一周(47)コスタリカ/ナマケモノが通る















DATE:2009/07/14 Costa Rica - Manuel Antonio -


エントリーナンバー1番、ハチドリ!
そして続きまして、、ナマケモ~ノ!
そこのけそこのけナマケモノのお通りでぃ!


マヌエル・アントニオ国立公園の中を歩くと、
そんな具合に動物たちが出迎えてくれる。

ガサリと音がする方向に目を凝らせば、
必ず何かがそこにいる。さすが自然の宝庫コスタリカ。


餌付けされている訳ではないので、
めったに人には近寄らないようだがまるで人などそこにいないかのように、
堂々と木々を渡り歩き空を舞う動物や鳥たち。

あるナマケモノなんかは、
出るタイミングを間違ったのかガサゴソと音を立て道を横切ろうとして、
たくさんの人々に囲まれて焦ったような動きをしていた。
それでものんびりとゆっくり歩道を横断していったのは、さすがはナマケモノということらしい。

5メートルほどの道に5分ほどかかるナマケモノの動作は緩慢そのものだったが、
野生のナマケモノを見るのは初めてで、ちょっぴり感動。
ナマケモノの三本の爪は意外にも細く鋭いものだった。


マヌエル・アントニオ国立公園内にはトレイルのための歩道が整備され、
観光客はそこを歩いて自然の探索ができるようになっている。

気をつけなくてはいけないのは公園のサルが餌を奪いにことぐらいで、
ビーチなど人の多いところでは隙あらばと狙うサルが木の上に屯する。

公園内には川が流れ木々が覆い茂り手入れはされているのだろうが、
ほぼ自然のままの姿の自然を楽しむことができる。

空は木々に覆われてその下を歩けば地面に落ちた影絵を楽しむことができる。
時たま空から音がしたかと思うとふわりと枯れ葉が舞い落ちるところで、
耳を凝らしてみれば音楽のように頻繁に枯れ葉のリズムが聞こえるのだった。


さてこの国立公園、園内にビーチがあることで有名だ。
真っ白なとまではいかないがなかなか綺麗な砂浜で
地元の親子連れやら欧米人の観光客やらでなかなかに賑わっている。

僕も園内をひと通りめぐった後はのんびり久々のビーチを楽しんだ。
少しひやりとしたが入ってしまえば気になるほどのことでもない。

そう言えばここは太平洋。この海で泳ぐのは久しぶりだった。
日本にいるときはあまり泳ぎに行く機会がない海に
こんな遠く離れたコスタリカで泳ぐなんてなんだか不思議だ。

1時間ほどのんびりと海で泳ぎ園内のシャワーを浴びて公園を後にした。


さて、コスタリカからも旅立ちますか。

マヌエル・アントニオ発のサンホセ行きバスに乗り込み、
そのままニカラグアへ行くバスへと乗り込む。
明日の朝にはもう新しい国、ニカラグアへとたどり着いているはずだ。

急ぎ足の中米の旅。

体力は要るがこんな旅ができるのもあと1ヶ月だけだ。
少しでも多くのものを焼き付けよう。


サンホセにたどり着いたのは午後10時近くなってからだった。
それでも深夜12時のバスには十分間に合う。

タクシーのおっさんに国際バスの発着所まで行きたいと告げる。
行き先を言ったとたんおっさんの顔が不思議そうに僕を見つめる。
ニカラグアに行きたいんだ、そう言うといっそう顔が何故?という表情を作る。

「ニカラグアに行くんだろ?ニカラグア行きのバスはもうないよ。明日だ明日。」

そんなはずはない。バスは早朝と6時と7時半と12時のはずだ。
そう思い記憶を辿る。頭に焼きついた時刻表にはその時間が刻んである。
が、しかし・・・あれAMだっけPMだっけ。。肝心な所を見ていなかった自分に気づく。
夜行バスだと思い込んでいたのだが、そう言えば昼の12時発というのもありえる話だ。
となると今からバスターミナルへ行ってもオフィスは閉まっている可能性もある。
今夜はサンホセに一泊する必要があるのかもしれない。

が、しかしだ。それには大きな問題があった。
現金がないのだ。ほとんど。

今日の夜行に乗るつもりでお金を管理してきたため、
コスタリカの通貨はタクシー代を残しほぼ全て使いつくしてしまっている。
宿代も少なくとも10ドルはするだろう、現時点でそのお金はない。

さて困ったことになった。
ATMでお金を下ろせば何の問題もないのだが、不運にも近くにATMは見当たらない。
周辺を歩き回っても良かったがこの当たりは治安の悪い場所とされていて、
いくらサンホセののどかな街だからといって荷物全部持って歩くのはさすがに無理がある。

しばし考えた挙句、やはりバスは明日の朝発だという結論に至り、
タクシーでこの辺りのバックパッカーが集まる宿へと向かうことにした。

案の定、たどり着いた宿はドル払いOKの所で、
宿の質としては割高な部屋だったがともかく今日一日の宿を得ることができた。
ここからタクシーで明日の朝、国際バスの発着所へ行けば明日の夜にはニカラグアに着ける。
1日遅れとなってしまったがそれはまぁ仕方ない。
情報が間違っていたとはいえ、正確な情報を持っていたとしても、
今日一日サンホセで過ごさなくてはいけないことは変わりない事だったのだ。



コスタリカの自然溢れる姿もこれで一応は見納めだ。
さしてこれと言った特徴もない国ではあったが自然だけは凄かった。

それに街もまた華やかさにはかけるがのんびりとした良い街だった。
首都と言えばどこかしら治安に問題がでるはずなのに、
それをほとんど感じさせることのないサンホセの街はとても貴重なものだ。

それは単に人口の少なさから来るのかもしれなかったが、
それでもこの国で暮らす人々が幸せに暮らしているのは確かかもしれない。

そう言えばどこかで聞きかじったニュースに、
世界で一番幸福度が高いのはコスタリカだという調査結果があった。

治安に問題があるコロンビアやグアテマラなんかもランクインしている調査なので、
その信憑性というか妥当性は疑わしいが、それでもこの国が恵まれていることは確かだ。


だが僕がこの国にいて幸せに感じるかというと、ちょっと無理かなぁ。なんて思ってしまう。
この国は少し刺激が少なすぎるのだ。僕には。

なんだかんだ言ってやっぱり都会はいいよね。なんて思うのは、
パナマシティーとサンホセというある意味では対照的な町を同時に訪れたからかもしれない。
都会の喧騒は騒がしくもあるが、心を躍らせるものでもあるのだ。

この国にまた来るとしたら何をしよう。

まだ行っていないカリブ海側でのんびりなんてのも良いかもしれない。
まぁ、でもそれもきっとまたずーっと後の話だ。
僕にはまだ刺激が必要なのだ。


明日はニカラグア、のんびりとしたコスタリカとは変わり、
これから北上するに連れて治安は悪くなると聞く。

気を引き締めて、さて参るとしましょーか。

すでに夜11時。
相変わらず騒がしくも静かでもないサンホセの街の夜の音が、
明かりの落ち始めた街の中に鳴り響いている。

0 件のコメント:

コメントを投稿