2009年7月4日土曜日

世界一周(45)コロンビア/コロンビアの風景







DATE:2009/07/04 Colombia - Bogota -


朝6時。コロンビア最初の町、カリに到着。
も束の間、7時30分発のボゴタ行きのバスへと乗り込んだ。

荷台の中でバックパックの金具が壊れていてひと騒動あったのもまた別の話。
ともかく何とか今日中にボゴタへとたどり着くことが出来そうだ。


出発から何時間経っても山々の間に作られた田園の中を走っている。
どうやらコロンビアも農業が盛んな国の一つのようだった。

コロンビアの風景。
ここもまたエクアドルと同じように赤道近くの南国の景色を思い浮かべていたが、
同じく山ばかりの景色で気温も涼しく想像とはかけ離れた姿だ。

しかし山々の田園地帯とは美しいもので、
飾り付けのように散りばめられた農地が山の肌を彩る姿は壮観だ。
何の植物かは殆どわかりはしないが、その眺めだけでも十分に人の営みの美を感じる。

そう言えば僕の叔父さんがジャイカにいてコロンビアで農業の仕事をした事があると言っていた。
もしかしたらこの場所もそうなのかもしれない。
そう思うと自分の血縁の人間が作り上げた世界にこんな遠い地で触れたようで、
なんだかとても嬉しくなった。


何時間経っても変わらない景色。山の間をくねくねと走り抜けるバス。

なんだかこんな景色をいつか見たことがあるな、と思い
記憶をたどって見るとそれがネパールの景色だったことを思い出した。

赤道に近いこともありバナナ畑が多いこの辺りの植生とは異なるが、
あの曲がりくねった山道がきっとネパールを思い出させたのだろう。

そう言えばあのインドへの道は辛かった。
今でもワースト3には入るバスの旅を思うとコロンビアのバスは快適で、
自殺でもするかのように坂道を転がり落ちていったネパールのバスを思い出すと、
すでに嫌になりかけていたボゴタへのバスの旅もなんだかマシなものに思えた。


美しい山の景色をぼんやりと眺めていると、
「あれはコーヒーの木だよ」と仲良くなった隣のおじさんが教えてくれる。
そう言えばコロンビアはコーヒーでも有名な国だった。後で試してみることにしよう。

「コカの木じゃないの?」と冗談で聞くと、「ここは違う」と笑って答えた。
そう、コロンビアはコカインでも有名な国でもある。



それにしても・・・やっぱりコロンビアの女性は美人が多い。

なんて事をバスの中の乗客を見ながら密かに思う。

歴史から言うとフランスやスペインの地が入っているのは間違いないのだが、
そのどれとも違う、かといってアルゼンチンの美女たちとも違う、
独特の美しさが彼女たちにはある。

美人が多い国に悪い国はない。
なんて定説があるわけもないが、美人が多いバスが楽しくないわけはない。

そんな訳で美しい田園風景と美しい女性たちをちらちら見ながら、
約12時間の長旅をどうにかこうにかやり過ごして、
やっとボゴタに着いたのは夜8時近くになってからだった。


うーんやっぱり遅れたか。

到着予定は6時ごろでそれならばまだ危険な時間帯になる前に宿へと行けると思っていたがどうしたものか。

少し考えたあげくやっぱりここはタクシーを利用することにした。
普通の町ならば値段交渉がめんどくさいのであまり使わないが、
ここは南米一危険な街のひとつコロンビアの首都ボゴタ。
数百円の出費を惜しんで全てを失うわけにはいかない。


走り出したタクシーは思いがけずに高層ビルが立ち並ぶ街を走る。

エクアドルのキト程度の街を想像していたからか、
その想像以上の発展に驚いた。
街も明るくこれならば意外と安全に過ごせるのではないか。と思った矢先だ。

赤信号で停車したタクシーの隣の車のそばに男性が歩み寄った。

なんと男性は上半身裸で下半身のズボンもひどく汚れた、浮浪者然とした姿。
その彼が物乞いなのだろうか全ての車の窓ガラスを叩いては、
運転手に向かって何かをわめいている。
恐らくは「金をくれ」なのだろうが、南米でも始めてみるその姿に僕は唖然とした。

やはりコロンビアは、コロンビア。
緩みかけていた緊張の糸がもう一度強く引き締まった。


無事に宿の集まる中心街にたどり着き2軒目の宿に腰を下ろした。
昨日の朝から移動を始めて30時間経ってようやく目的へとたどり着いたのだ。

ついに南米最後の旅が始まる。
そう思うと終着点のこの場所が妙に感慨深くなった。



街の外に出ると数人の浮浪者と警官が表通りに立っていた。
レストランに入ると陽気なおじさんと美しい店員が迎えてくれた。

そんなボゴタの街だった。

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