DATE:2009/07/02 Ecuador - Quito -
「へぇ、インド料理なのにパキスタン人なの?」
そうなんだ、インド料理なのにね。
そう言った彼とすっかり仲良くなっていた。
昨日、新市街をまわっている時に見つけたインド料理のお店。
店員は全員パキスタン人だという事で、
味もインドとは違いどちらかと言うと中東料理に近かったが、
ともかくまぁ、店員の彼とはすっかり仲良くなっていた。
でもインドとパキスタン、仲悪いじゃん。そう言うと、
彼は笑ってごまかし「パキスタン料理じゃお客来ないもん」と正直に言った。
まだこっちに来て2ヶ月しか経っていない彼は、
スペイン語の勉強をしながら日々、このレストランで働いている。
南米でも十分に物価の安い国エクアドルであっても、
パキスタンの月収1万円の暮らしからすればずいぶん高給取りになるそうで、
少なくはないパキスタン人が出稼ぎに来ているようだった。
僕はまだパキスタンに行ったことがない。
その隣のインドへは行ったがパキスタンはその時情勢が不安定で、
日本人への観光ビザ発給はなかなか難しい事でもあった。
何より隣国であっても仲の悪いインドではパキスタンのビザは下りない可能性もあり、
日本大使館でレターをもらったりなんだりと面倒な手続きをする必要もあった。
そんなわけで未知の国、パキスタン。
そんなパキスタンの話をいろいろと教えてもらい、
僕もまたいろいろと旅の話しをした。
ビールを一本飲み終えて、彼とは別れた。
また会えるかはわからない。
もしまたこのレストランへ来ても彼はいないかもしれないし、
僕もまたこの国へまた来るかもわからない。
異国の話を聞き、異国の旅を語る。
ほんの1時間ほどの会話だったが、満たされたその会話に
なんだか旅人らしい誕生日だな。と思った。
異国で迎えた2回目の誕生日。
去年、中国の成都にいた僕は今はその裏側のエクアドルはキトにいる。
まさか1年前はまだ旅を続けているとは思っていなかったが、
どうしてか僕はいまこうしてここに居てしまっているのであった。
新市街でワインを買いチーズを買い、
旧市街のお洒落なカフェでケーキを買って。
思いつきで髪を染めてみようと思い、
ヘアカラー剤もついでに買って宿へと戻った。
久々に茶色くなった自分の髪はなんだかちょっと変で笑える。
29歳。新しい自分?似合わねー、そんなセリフw
久しぶりのアルゼンチンワイン。これもまた旅の思い出のひとつ。
ブルーチーズにハム。それをワインで流し込む。
いつもの誕生日の過ごし方。
いつもと違う旅人の夜。
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