DATE:2009/07/01 Ecuador - Quito -
んー明日は誕生日。
このまま移動してしまうと移動日に誕生日ってことになる。
晴れて29歳。二十代最後の誕生日を何もバスの中で過ごさなくたって。
贅沢は言わない、せめて慎ましく部屋にいよう。
そう思い出発の予定を延期して明日までキトで過ごす事にした。
と言っても何もないキトの町。
新市街まで行ってみても特に高層ビルが立ち並ぶでもなく、
単にコンクリートで出来た建物が並ぶ可もなく不可もなくな町並みだ。
せっかくの新市街なので、と日本食レストランやアジア系の店を探してみても、
さっぱり町中には見つからず、あるのは地元の鶏肉料理屋ばかり。
やっとの事で見つけた繁華街のアジアレストランは、
「タイ&スシレストラン」と書かれた何とも奇抜な組み合わせのレストラン。
香辛料命のタイ料理と素材命の日本食。どこでどう混ざったのか。
仕方なく選んだのは高級ピザレストラン。
その名も「ピザハット」w
馬鹿にするなかれ。ピザハットだってキトであれば高級なのだ。
マクドナルドだってケンタッキーだって高級だ。
なにせ普通のレストランの2倍以上の値段はする。
と、冗談で入ってみたものの、実際のところ本当に高級で驚いた。
何せ入ったとたんに「いらっしゃいませ(もちろんスペイン語)」なのだ。
こんな言葉、国境の「エクアドルへようこそ」以外どの店でも聞いた事はない。
さらに料理毎に値段はおろかカロリーや、なんと調理時間まで書かれている。
料理を頼めばその調理時間を計るストップウォッチが机に置かれる徹底振り。
どうやらその時間を越えれば無料になるらしい。
もちろん遅れる事はないのだが、
町のサービスと単なるピザハットにここまでの違いがあることに驚いた。
こういうのもまた格差というものなのかな。
さすがに美味いピザをほお張りながら、お客もまた美人だな、と思うことと同列で考えた。
サービスを知らない人にサービスは出来ない。
ここで行われているサービスを日本で受けてもそんなに感激はしないが、
世界の常識に慣れてしまえばこれは凄いことなのだと思える。
しかし実際のローカルレストランで食事をする人は、
きっとこの店に来ることはないだろう。
だから一生そのサービスを知ることもなく、
いつものローカルレストランのサービスに不満を覚えることもないのだ。
ローカルレストランの店員もまたしかりだ。
サービスを受けたことがない人にサービスは出来ない。
こうやって世の中の常識は低いところへと流されていく。
何もない新市街だったが変なところで考えさせられたのであった。
ともかくピザハット万歳!ってことだ。
帰り道、歩きながら携帯電話のメールを見る。
「はっぴーばすでぃ」
そう書かれたメールが携帯へと届いていた。
そうかもう日本では僕の誕生日を過ぎているのか。
誕生日と言うたった1つのものが世界同時ではないことに気づき、
なんだか不思議な気分になった。
日本の僕はもう29になり、今ここにいる僕はまだ28のまま。
変なの。
その変てこさに笑いながらメールをくれた友や家族に感謝する。
そうか今日はもう誕生日。
じゃぁ祝ってもいいのかな。
なんて言い訳をしながらビールやつまみを買い込んだ。
明日も今日も誕生日。なんかお得な気分だ。
ビールの缶をぷしゅりと開けて、まずは1日目の誕生日へと乾杯~♪
映画やネットを眺めているとあっという間に世がふけた。
おつまみのツナ缶を開けようとヘナチョコナイフで缶をブスリ。
あれ。うまく開かないや。
いつの間にかカウントダウンは終わりを告げて、
29歳の誕生日、最初にしたことはなんとツナ缶を開けることだった。
ま、そんなこともあるわいな。
今日も明日も誕生日。うれしさは二度あるんだ。
誕生日おめでとう!イェイ!
0 件のコメント:
コメントを投稿