2009年6月22日月曜日

世界一周(44)エクアドル/動物がいっぱい























DATE:2009/06/22 Ecuador - Galapagos Islands -


10分遅れで到着した送迎バスに乗り込んで今日はノースセイモア島へと向かう。

昨日申し込んだノースセイモア島へのツアー。
この時期、この島ではグンカンドリの求愛のダンスが見られるらしい。
値段も95ドルと格安!
という訳で今日はノースセイモア島へ向かっている。


ノースセイモア島はサンタクルス島の北に位置する小さな島だ。
もちろんそこまではツアーがチャーターした高速船で向かう。
バスでサンタクルス島の北端まで向かいそこで船へと乗り換える寸法だ。

バスで1時間ほどの道を走り5人ずつ小さなボートに乗って船へと乗り込む。
なんだかわからないがワクワクするツアーの始まりだ。

総勢10名ほどを乗せた船はノースセイモア島へと向かう。

その間も観光客を飽きさせないイベントが目白押し。
空を飛ぶ鳥は船の起こした波で現れた魚を狙って船のすぐ上空を飛んでいるし、
いくつかの小さな岩場を通り過ぎればそこに止まった鳥たちの姿が良く見える。

さすがガラパゴスいつでもどこでも動物であふれている。

のんびりとした船の旅はそれ自体も心地良い。
真っ青な空の下、スピードを上げて走る船の甲板は心地良い風が吹き抜ける。

下を望めば青い海、上を見上げれば青い空。
まったく申し分のない景色が辺りを満たしている。

ふと通り過ぎた赤いブイ。ぷかぷかと海に浮かぶそのブイの上には・・・。

アシカ。

ものすごいリラックスモードのアシカがブイの上でお昼寝タイムなのだ。

かわゆし。つーかすげー可愛い!

乗客は動物園では見られない野生のキュートさに思わず歓声を上げた。
まったくもってスゲーところだガラパゴス。



そんな魅惑の海の上を走りぬけノースセイモア島にたどり着くと・・・

船の横をアシカが泳ぎ去り、空を何十匹の大きな鳥が舞っている。

上陸するはずのその島には何匹ものペリカンが岩の上で羽を休め、
ごろごろと寝転がるアシカの姿も見える。

想像以上。というよりもこんな世界を誰が想像するってんだ。

動物園など鼻にもかけないアニマルワールド。
ガラパゴス諸島、さすが世界遺産というだけはあるのだ。


そんな動物たちがうごめくノースセイモア島。
上陸するとまず出迎えてくれたのはアオアシカツオドリの赤ちゃん。
真っ白な綿毛がもっこもこの超キュートな奴だ。
でも赤ちゃんの癖にたまに親鳥よりもでかい奴がいたりするのが玉に瑕。
雄鳥よりも雌鳥の方が圧倒的に大きいためこんなことが起こるそうな。

ついで寝転がるアシカ、大口を開けたペリカンたち。
上空を舞うのはグンカンドリにカツオドリの群れたちだ。
何十匹もの黒い影がすぐ上空で風を受けながら浮遊姿は壮観としか言えない。

海の近くの岩場には海イグアナがちょこりと顔を覗かせていたりする。
日光浴のためか動かないイグアナは鼻をひくつかせながらただぼーっと岩場でじっとしている。


ノースセイモア島をはじめ多くの島は観光ガイドなしでは上陸することも歩くことも禁じられている。
島の中も張り巡らされたルートに従ってそこを歩く必要がある。

それでも十分に鳥や動物たちに近づけるのがガラパゴスの凄いところ。
ひな鳥がいる巣などは親も動くことがないため1メートル以内の距離で観察ができる。


そんなルートを辿っていると・・・いましたアメリカグンカンドリ!

この時期、雄は首の下の大きな赤い袋を膨らませて求愛のダンスの真っ最中。
風船のような真っ赤な袋がぷくーっと膨らむとなんと1分近くもそのままで愛を表現するのだ。

体長の半分ほどもあろうかという大きさに膨らんだ赤い袋はかなりの見もの。
それに黒い体に赤い袋というコントラストだけでも相当に美しい。

ちなみに求愛のダンス自体は特定の誰かにするわけでもないらしく、
誰もいないあさっての方向に向かって赤い袋が向けられている姿も良く見かける。
誰でもいいから俺の愛を受け取れ!なんてなんだかダンディズム満点の求愛ダンスだ。

しかしその中でもモテない奴はやはりいるようで、
ちらりと聞こえてきたガイドの説明によると

「この雄はなんと2週間もこうやってダンスを踊っている」

のだそうだ。世の中、動物にとっても人間にとってもモテないというのは辛いことなのだ。


そんなグンカンドリの姿を見ながらのノースセイモア島めぐり。
この島は本当に鳥ばかりだ。

今は繁殖のシーズンらしくいたるところでひな鳥の姿を見かけるし、
それを守る親鳥もまた観察が容易にできる。

ひな鳥も生まれたてはもこもこの産毛もなく、
焼き鳥の鳥のように毛をむしられた骨のような姿だ。
ここから3週間ほどで、もこもこの姿になるというのだから鳥の成長スピードは物凄い。
人間なんて1年たってやっと歩けるっていうのにだ。


そんな鳥だらけの島だが住環境は不毛の土地に近く、
乾季の今は枯れたような木々が乾いた土地に突き刺さるように生えているだけだ。
雨季になれば葉が生えるというこの木も今は単なる枯れ木にしか見えない。

面白いのがサボテンの姿でサンタクルス島で見たような木のような姿ではない。
ウチワサボテンと呼ばれる団扇のような楕円形のサボテンであることは同じなのだが、
この島では背も低く大きさもかなり小さい。

聞いてみればこれもまた島ごとの進化の違いだそうで、
サボテンを食べる天敵のいないこの島では木のようになる必要がなかったそうだ。
植物も動物も島ごとに独自の進化を辿っている。それがガラパゴス諸島の面白いところだ。



鳥たちの姿を見ながら島をぐるりと回り船へと戻る。
相変わらす鳥たちは上空を風をうまく操りながらふわふわと浮いている。

たまにまだ愛が語り足りないのか真っ赤な袋を膨らませたまま飛んでいるグンカンドリがいるのが面白い。
愛とはいくら語っても語り足りぬ、そういうものらしい。

なんてことを考えている間に船はさらりと出港しランチタイム。

本日のランチタイム。ゲストはなんと・・・サメ!

ランチの匂いに誘われてきたのかは知らないが、
二匹のサメの魚影が船の下に現れる。
さすが透明度が高い海とあって波が立つ中にあってもよく見える。

肉食のサメではないとはいえ船内はちょっとしたドッキリに大興奮。
ナチュラリストの掟通りさすがに餌はあげないが、
みな甲板から身を乗り出し走るように泳ぐ魚影を追いかけた。


そんなランチタイムも終わり船は次の目的地へと走り出す。

次の目的地はサンタクルス島の北西にある小さなビーチ。
そこではフラミンゴ観察と楽しいシュノーケルが待っている。

が、着いた時には夕方に近かったからか波も高くシュノーケルどころではない。
フラミンゴも南米各地で見てきたため個人的にはもう見飽きたというところ。

みながシュノーケルで波に揉まれている間、付近を散策することにした。

この島にもやっぱり海イグアナはいっぱいいる。
ガラパゴスの空港に着いたときに観光案内所の女性に海イグアナはどこにいるの?
と聞いたときの答えが「Everywhere」だったのもうなずける。
ほんとどこにでもいるのが海イグアナだった。

そして知らざれるもう一種の大量繁殖生物、それは。

カニ!

ガラパゴスはカニばっかの島でもあるのだ。
こいつもまた海岸であれば至る所にへばりついている。

グアヤキルで食べたマングローブガニほど大きくはないが、
手の平ほどの大きさのカニがうじゃうじゃといる。

食用ではないのか町のレストランのメニューには見つからなかったが、
カニ大好き日本人である以上、食べてみたくなるのは人情だ。
手の届く距離にいる100匹以上のカニを見過ごすなんて。
ガラパゴスは中々に忍耐の要る島でもあるようだ。


ビーチからすぐの所にあるの近くにもたくさんの鳥がいる。
進化論のきっかけとなったダーウィンフィンチという小鳥から、
足の長い白い鳥、などなど名前も知らぬ様々な鳥が水辺には集まっている。

大型から小型まで。本当にこの島には数多くの動物が生息している。


この島は異常なのか。それとも通常なのか。


ふと、そんなことを思った。

もしかしたら人間という生き物がいない世界は動物たちであふれるこんな場所なのかもしれない。
そう思うと増えすぎた人間という種に複雑な思いを持たざるを得なかった。

もちろんガラパゴスが肉食の生物が居ないという独自の生態系であることが、
動物たちをこれだけ無警戒にさせている理由でもある。
同じく動物であふれるアフリカのサファリはまったく違う様子をしているだろう。


しかし、これが世界の本当の姿ならば。

人は何のためにいるのだろう。

世界に対して人間は少しいびつだった。
僕らが世界の一部ならば。そう考えて少しもの思いにふけった。



遠くの方から黒い影が生まれそれは何百羽の鳥となって目の前を通り過ぎていった。
青空の下、足元では真っ黒な何百もの影が真っ白な砂浜を掃いていった。



しかしまぁ。

ったく、なんてすげーんだ。自然ってのは。

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