2009年6月21日日曜日

世界一周(44)エクアドル/道を歩けばイグアナに当たる











DATE:2009/06/21 Ecuador - Galapagos Islands -


グアヤキル発ガラパゴス、サンタクスル行き。

既にTAME航空の飛行機は上空を飛んでいる。
そうもう僕はガラパゴスへと向かっているのだ。

そして座っている席は・・・なんとビジネスクラス!

朝のフライトが満席でキャンセル待ちで乗ったからなのか、
なぜかビジネスクラスのふかふか広々シートに座っている。
ビジネスクラスなんてこの旅始まって以来、いや人生初だ。

なんともお得な気分。
他にもどうようになぜかビジネスクラスへと変えられた人がいるらしく、
みなで「なんでー?」とはしゃいで写真を取り合った。

という訳でガラパゴスへの幸先は快調。
TAME航空の機内食もおいしく、食べ終わった後は自分で袋に入れて片付ける方式も
なんだか理にかなっていて一気にTAME航空ファンになった。


ガラパゴス~♪ガラパゴス~♪

なんか久しぶりに気分は浮かれ放題だ。
なんだか良くわからないがハイテンションにさせる島なのだガラパゴスは。
これから約1週間。ガラパゴスでの生活が始まる。

イグアナ、アシカにペリカンたち。
島の至る所で会えるというこの島々はきっと未知の体験をさせてくれるに違いない。
そんなわけでワクワクだ。自然と笑顔が漏れ漏れだ。

快適なフライトはあっという間にガラパゴスの空港へとたどり着き、
青い海に囲まれた飛行場へとソフトランディングした。


ついにガラパゴス編が始まったのだ。




空港では最初の難関、荷物チェックが待っている。

ガラパゴス諸島の入島料100ドル(それ以外にもビジターカードとやらが25ドル)を払い、
入島許可を得るとついに厳しいと噂の荷物チェック。

「フルーツ持ってる?持ってない?はいOK!」

・・・と拍子抜けするぐらいのあっさりチェック。
別に荷物を空けられた訳でもなんでもない、見たのはバッグの中身をちらりとだけ。

こんなのならチリの国境、いや中国の国境、
犬を使っていたタスマニア島の入島チェックなんかと比べると無に等しいじゃないか。

外来種の規制と種の保存のためにやっているらしいこのチェックだが、
こんなので守れるのだろうかガラパゴス、と少し不安になった。


ともかく、もうここはガラパゴス!

着いたらいきなり動物の群れ!なんてのを期待していたが、
さすがにそんなわけにも行かないらしく空港の近くは砂漠の景色が広がっている。
しかしガラパゴスらしいサボテンの生える景色はそれでも気分を高揚させる。

ガラパゴス諸島は火山によって生み出された島々だ。
それを象徴するように砂漠だと思っていた砂っぽい何もない土地にも
ちらほらと溶岩が固まってできた火山岩の姿が見える。
こういった岩岩が少しずつ風化して土になりそこに草木が生えているのだろう。
いまだ活動を続けるという火山の姿の一片を垣間見た。


荷物チェックが終わると観光客はそれぞれ予約してあったツアーの送迎車に乗り込んだり、
プエルトアヨラ行きのバスへと乗り込んだりとそれぞれに別れる。
僕はもちろんプエルトアヨラへ行くバスに乗り込んだ。

空港はバルトラ島というプエルトアヨラのあるサンタクルス島とは別の島にある。
空港からはフェリー乗り場へ向かいバルトラ島からサンタクルス島へと船で渡るのだ。

フェリー乗り場に着くとそこはもう青い海。
たった数百メートルの航海だがこの島の海の透明度が良くわかる。
海岸沿いにはマングローブが生い茂り南国気分を盛り上げてくれる。
空を見上げれば海鳥たちが舞い、しばらく見ていると海中へと餌に向かってダイブした。
当たり前のようにそこにある自然の風景に唖然とした。やはりここは自然の王国のようだった。


サンタクルス島へとたどり着くとまたバスへと乗り込む。
バルトラ島との対岸からプエルトアヨラまでは1時間ほどの道のりだ。
サンタクルス島へと着くと砂っぽい風景から一変し森で覆われた緑豊かな景色に変わる。

その森の中に面白いものが立っている。

なんとサボテンが森の中に立っているのだ。

普通の木々に混じってそびえ立つサボテンの木?。
いや木ではないのだろうが10メートル近くもありそうな高さは
周りに並ぶ木々と比べても遜色がない。むしろ飛びぬけているサボテンすらもいる。

聞くところによるとサボテンを食べる陸ガメに食べられぬように木のように進化した、との事だが
森に生えるサボテンの姿はなんだか変てこな景色だ。
ちなみにその陸ガメさえもサボテンを食べるために首がながくなったというのだから、
進化とは抜きつ抜かれつの不思議な関係である。

そんな森の中にはたくさんの動物が。と思っていたのだが、
さすがに真昼間のこの時間帯から姿を現す動物はいないらしく
うっそうと覆い茂る森の中にはちらりともその姿は見えなかった。


プエルトアヨラまでの道にはいくつかの集落があり人が暮らしている。
僕はむしろその人の多さに驚いた。

観光客目的に入植してきた人々なのだろうが、
予想よりもはるかに多く普通の村一個分と変わらない集落がいくつもある。
そこにはレストランがあり商店があり薬局がある。

プエルトアヨラにたどり着くとさらに驚くことになる。
こんな島にこれほどの人間が。
電気が張り巡らされ、たくさんの車が行きかっている。

それが僕ら観光客のためだからといっても、なんだか複雑な気分になる。

という訳で僕が始めて見たガラパゴス諸島の動物は「ヒト」だった。
この生き物は本当にどこにだって生息している。



プエルトアヨラへとたどり着き宿を見つけると早速近くを歩いてみることにした。

明日以降のツアーの情報収集もあったし、
それに早くこのガラパゴスの自然を味わって見たかったのだ。

だがしかし予想以上に大きな町プエルトアヨラの近くにはさすがにそう多くの自然もない。
何せ目算でも1000人は超える人が住んでいる町だ。
ガラパゴス諸島が危機遺産に登録される理由が良くわかった。


空港でもらった地図を手に近くの湖を訪れて見る。

日曜日だからだろうかたくさんの地元の子供たちがいて湖で楽しそうに泳いでいる。
10メートルはありそうな木によじ登り湖に向かってダイブする。

やはりここに生息する最も多い生き物は「ヒト」だったが、
それはそれでなかなかに面白いように思えてきた。

どこでも繁殖し全てを遊び道具に変える生き物。
楽しそうに飛び込んでいく子供たちを見ていると憂鬱な気分になんかなれやしない。
これもまたガラパゴスの姿なのだ。それも面白い発見だ。


さすがにこれだけ人がいると動物もいない。
町はさすが赤道直下の島らしく南国気分満点で家の庭には椰子の木が生え色とりどりの花が咲きほこる。
観光地化された町ではあるが、道を一本はずれるとすぐに住宅地へと出るのも面白い。
湖を離れて町を歩いているとたくさんの船が停泊する港へと出た。

ツアー用の船なのだろうか生活の為の船なのだろうか、
真っ白ないくつもの小型の船が海に揺られて真っ青な海の上をゆらゆらと漂っている。

この青い海を見ればまだこの島の自然が豊かだということが良くわかる。
人がどんなに増えようが負けることのない強さを自然は持っているようだった。



ばさりッ!

と不意に音がしてその方向に振り向く。

何もいるはずのない海の方角。何事かと驚いたが、その姿を認めさらに驚くことになる。


ペリカン!!

こんな町中には。そう思い諦めていた動物がいま目の前にいる。
1メートルはありそうな大きなペリカンがなんとも自然にマングローブの木の上で羽を休めているじゃないか。

まさか本当にこんなに身近なものなのか。
ガラパゴスという島の凄さに心底驚いた。

少し立つとペリカンは身を低くかがめ何かを狙い始める。
ふとしゃがんだかと思うとそのまま大きな羽を羽ばたかせて海へとまっすぐに落ちて行った。

ここがガラパゴス。すげーぞ。

去っていったペリカンの後を追うように海岸沿いの舗装道路を歩く。
ただの道の上、何気なく下を見下ろした。



・・・。


・・・イグアナ。


・・・海イグアナ落ちてる。




なんの変哲もないただの道。海イグアナが落ちている。



なんじゃーこの島は!


ここがガラパゴス諸島。


ともかくこの島は、、、、すげー!!!!!!

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