2009年6月20日土曜日

世界一周(44)エクアドル/グアヤキルの多忙















DATE:2009/06/20 Ecuador - Guayaquil -


うーむ、もう10時であーる。

寝転んだまま携帯電話の時計にちらりと目をやり、
何事も無かったことにしようとまた目を閉じた。


昨日は早朝から起きていろいろ動こうとしてたなぁ。
なんて記憶が瞼の奥に甦るがまぁそれも旅じゃんとうやむやに打ち消した。

という訳でシャワーを浴びて仕度を終えたのは午後12時。
近頃、朝寝坊に磨きがかかってきてるように思えるのは気のせいだろうか。
気のせいだろう。


さぁて今日の予定は忙しい。寝坊してても忙しい。

ガラパゴスに向けての情報収集。
そしてガラパゴス行きのチケットの購入。
ついでにグアヤキル観光リベンジもやっておこう。

宿を出て一目散にインターネットcafeに向かい、
真昼間からのパソコン作業を始める。

そういえばこういうのも久しぶりかもしれない。
仕事の時は毎日だったパソコン作業も旅に出てからはほぼ夜のみになった。
日の出るお日様ギラギラのお昼時にパソコンに向かっているのはなんだか気が引ける。

さっさと終わらせて外に出よう。
そう思い急いで基本的な情報を集め、
残りは後で見ることにしハードディスクに保存しネットcafeを後にした。



ガラパゴス諸島。

名前だけは誰もが聞いたことがあるイースター島と並ぶ世界で最も有名な島のひとつ。
諸島と言うだけあってそのガラパゴスはいくつかの島で形成されている。

まずはサンタクルス島。
ここはガラパゴス諸島の中心にあり、旅行者の起点となる島である。
中心のと言っても島唯一の村プエルトアヨラには旅行代理店はじめ
ホテルやレストランなど旅行者に必要なものは全て揃う。
他の島へのツアーなどもこの島から出港する。

その他にも大きな島としてはイザベラ島やサンクリストバル島がある。
これらの島とサンタクルス島へは毎日高速フェリーが運航しており、
双方共に2時間ほどの船の旅でそれぞれの島へと渡ることができる。
サンクリストバル島には空港もあり空路での移動も可能だ。

小さな島はいくつも点在しておりノースセイモア島やエスパーニョラ島などが人気があるようだ。



このようにいくつもの島から成り立つガラパゴス諸島。

その最もユニークなところが島それぞれに独自の生態系が息づいていること。

つまりは島それぞれに住んでいる動物が異なり、
まったく異なる環境で生活をしていると言うことなのだ。

これが何を意味するかと言うと・・・。


島に行かない限り動物が見えない。

これがガラパゴスがお金がかかる。とバックパッカー泣かせの大きな理由でもあったりする。

なにせ島に行くのにはツアーに参加するか、自力でフェリーで渡って行くしかない。
ツアーは100ドル以上するし、高速フェリーだって往復で50ドル以上。
ガラパゴスまでの往復のチケットだって400ドル近くはする。

ちなみに普通の旅行者に人気なのはクルーズ船で島を1つ1つ巡っていくツアーで、
7泊8日や4泊5日などさまざまなものがあるがお値段は10万~20万円。
さらに豪華客船クルーズともなると50万円近くの価格になる。

さすがにそんなものには手が出せないのでバックパッカーの多くは
日帰りのツアーに参加しめぼしい島だけを1つ2つ巡るというのが定番だ。



アシカに海イグアナ、ペリカンに海ガメ、グンカンドリ。

さまざまな動物に間近に出会えるガラパゴス諸島。
そのもう一つの魅力は・・・ダイビング!

さすが動物の王国だけあってガラパゴス諸島でのダイビングは他では味わえないダイナミックなものが多い。

アシカの群れ、サメの群れ、世界一大きな魚ジンベイザメ。ついでにイルカもクジラだって。
そういったダイバーの憧れに会える確立が非常に高いのがガラパゴスの海なのである。


お金はかかるが魅力はいっぱい。そんな魅惑の島ガラパゴス。

とりあえず調べた情報でまずはサンタクルス島へと飛び、
帰りはサンクリストバル島からグアヤキルへと戻ってくる事に決めた。

後はサンタクルス島についてから情報収集をして決めるとしよう。
できれば2つぐらいは島を回りたい。そしてダイビングも。

しかしまぁ、調べれば調べるほど面白そうな島なのだガラパゴスは。
カメラも戻ってきたことだしこりゃ行くしかないっしょ。

すでにテンションは最高潮、チケットを手に入れるべく町へと繰り出した。


が、、、、土曜日。お店開いてない。旅行代理店開いてない。。


おいおいおい。土日は稼ぎ時だろう!

なんて常識は日本でしか通じないのはもう知っている。
何が何でも土日は休むのだ。それが世界の常識だ。

でもしかし、これは困った。チケットが買えない。
仕方ないオフィスがある事を祈って空港まで行ってみることにしよう。

すぐに空港に向かってもよかったがせっかく町まででてきたということで、
先に観光を済ませてしまうことにした。


グアヤキルの町の中央を流れる大きな川、リオ・グアヤス沿いには
マレコン2000と呼ばれる整備された公園が広がっており土曜日だからか家族連れで賑わっている。

治安の悪いグアヤキルにおいてもここだけは例外らしく
公園内で営業するレストランやショッピングセンターは昼も夜も賑わうそうだ。

ガラス張りのレストラン、マクドナルドにアイスクリーム屋さん。
確かにこの一画だけは町のほかの部分と比べて極端に華やいだ雰囲気がある。

こういうところだけを観光していれば強盗なんかに会わないのだろうな。
なんて皮肉めいたことを考えながらここからでも見える丘の上の危険地帯を見つめた。

色とりどりのペンキが塗られた家々が立ち並ぶ丘の上の住宅街は
一目ではやはり危険地帯だとはわからない。だがあそこで強盗に会ったのは確かだった。

こういう中規模の町では歩いていると突然不気味な雰囲気する場所に出ることがある。
大規模な町であればハッキリと分かれているスラム地区が混在としているのだ。
それは旅行者にとってなかなかに恐ろしいことでもある。

しかしこと観光においては・・・やっぱりあっちの方が面白そうだよなぁ。
なんて事を思ってしまう。混沌としている方がやはり魅力的でもあるのだ。
アジアであれば強盗などの心配は少ないため問題はないのだが、南米の町歩きは少し難しい。
危険なものほど魅力的に写る、それが南米の町並みだった。

僕がいま居る華やいだ場所と丘の上。
そこにはとてつもない格差があるのだろう。
人と人。同じ生き物とは思えぬほどの生活の違いがこの町にはある。
公園で遊ぶ子供たちの楽しそうな姿を見てなんだか複雑な気分になった。



川沿いを歩ききり活気のあるマーケットを眺めてまわり、
次にはセメトリーと呼ばれる共同墓地へ行ってみることにした。

実は初日、最初に訪れたのはここだった。
真っ白な箱のようなお墓が並ぶ墓地はユニークで面白い。

日本で言うと共同の墓石とでもいうのだろうか、
高さ10メートル横20メートル近くもあるような箱を小さく区切り
50センチ四方程度の箱がそのなかにいくつも並んでいる。
その一つ一つが遺骨が残る墓なのだ。
マンションの一室のような箱の中に入れられた遺骨がずらりと並ぶ。
さらにそのマンションが敷地内にずらりと並ぶ。まるで集合マンションのようだ。

面白いのがその一室一室に独自にデザインが施されていることで、
キリストの絵をあしらっただけのものから花輪で彩られたものまで様々だ。
中にはこれはどうなのよ?と思うへたっぴなキリストの絵もあって絵画展のようで面白い。

しかし日本でもあるようにこの墓場にも格差はある。

マンションの一室のような、そういう墓はきっと一般市民のものなのだろう。
別の一画にはそのマンション1軒ぶんはありそうな大きな墓や一戸建ての墓が立つ。
○○ファミリアと書かれているので恐らくは一家の墓なのであろうが、
大理石のマリア像が建つギリシャの遺跡のようなその墓はある意味でこの町の最も大きな格差かもしれない。
生きていても死んでいても格差とは付きまとうものなのだ。
それは逃れられない呪縛のようでなんだか恐ろしく思えた。


セメトリーを歩いていると偶然、棺が運ばれてくる場面に遭遇した。
たくさんの人たちが棺の後をぞろぞろと歩いていく。
こうやって僕たちが生きている間にもたくさんの人が死んでいくのだ。
そしてそれはたくさんの人が今もこうして生きている事でもあった。
生きて死ぬ。そんな当たり前のことを思った。



町の観光も一通り済んだので空港へと向かう。

が・・・閉まっている?
そんなわけはないのだがなぜか空港らしき建物は閉まっている。

まぁ、明日当日行けばなんとかなるか。
と今までのバス移動と変わらない安易な結論に至り空港を後にした。
明日になればそこが空港ではない別の場所だったことがわかるが、それはまぁ明日の話。



宿へと戻りグアヤキル最後の目的を果たすべく一軒のレストランへと向かった。


そうだエクアドルといえば・・・カニ!!!

リマからの移動中散々見たあのカニを食べるのだ。


その一画にはカニレストランがずらりと並び、
道沿いには大きなカニが山積みにされディスプレイされている。

その中から一軒のレストランを選びカニとビールを注文する。
カニには大きいのと小型のと二種類あったがもちろん大きいのを注文だ。
顔ほどの大きさのカニ一匹で5ドル。なんとも格安だ。

少しすると真っ赤な巨大なハサミを持つカニが運ばれてくる。
名をマングローブカニと呼ぶそのカニをここでは木のハンマーで甲羅を叩き割りながら豪快に食べるのだ。

早速ハンマーで甲羅を叩き割り、大きなカニ肉をぺろり。


うー・・・まし?

河のカニだからだろうか、ちょっぴり泥臭い。
が味はまぁまぁ悪くない。それにカニはカニ。特別なのだ。

まるでスプラッター映画のようにカニを叩き壊しながらもくもくと食べる。
手足をもぎ取りハンマーで叩き割る。完全にジェイソン気分だ。
最後は甲羅をパカリと開けてカニミソをぺろりと舐め取る。


これでグアヤキルに未練はない。

明日、ガラパゴスへと旅立つのみだ。

ついに、やっとこさガラパゴス編開始!(予定w)

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