<NO PHOTOGRAPHY>
DATE:2009/06/12 Peru - Pucallpa -
セビッチェも食べたしビールも飲んだしで、
この町に思い残すことはもうない。
あっという間に過ぎ去っていた10日間。
それを乗せて僕はリマ行きのバスへと乗り込んだ。
不幸なニュースを耳にしたのはそのバスに乗り込むほんの数分前だ。
「おい、このバス会社のバスが昨日転落事故を起こしたって知ってるか?」
待合室で隣に座っていたおじさんが新聞を開きながら僕に見せつける。
新聞にはでかでかと崖へ転落したバスの写真が掲載され、
5人の死者と20人以上の負傷者の数が記されていた。
・・・まじっすか。
昨日のバス。と言えば僕が乗る可能性があったバスじゃないか。
元々の予定では昨日町を出ていたはずだった。
もちろんこの会社のバスに乗るとは決めていなかったものの、
それでも数社しかないバス会社の中からこのバスに乗っていた可能性は高かった。
命拾いというのだろうか。
死者も出ている事故に素直に喜べるわけも無いが、
それでもどこか神がかりのその出来事に少しばかりアヤワスカの力を思ったのは確かだ。
もう既にチケットは買ってしまったのでキャンセルも出来ないが、
ともかく二日続けて同じことは起きないだろうという根拠の無い楽観論で、
転落バス会社トランスマルのバスへと乗り込んだのであった。
20時間以上のバスの旅。
毎度おなじみ長時間移動、それに来るときのバスの酷さにうんざりしていた僕は、
今回はちょっとグレードを上げてVIPバスを選んだ。
このVIPバス。何が違うかと言うと・・・
添乗員が乗っている。
そんだけかい!と突っ込むほど、そんだけなのだ。
もちろんバスも幾分か良いバスでちょっぴり座席がやわらかいし、
車内はエアコン効き過ぎで極寒なのだが、総じて言えば違いはそれだけだ。
車内では夜と朝に食事が出されるのだが、
これならばバス停で乗り込んでくるおばちゃんから買った方が幾分かましと言った程度。
そしてこの添乗員。。すげー働かねー。
最初に人数確認をしたと思いきや、いきなりどかりと椅子に座り、
延々とおしゃべりを続けるばかり。
たまに食事の時ぐらいは動き出すのだがその程度。
しかも添乗員。。。2人もいる。
つーかこの高い料金はお前ら二人を養うためかい!
と突っ込みたくなるほどのサービスっぷり。
さてさてこの旅どうなるものやら。
急にあの転落事故が思い浮かんだのは仕方が無い。
だいじょうぶ・・・ですよね。
そんな複雑な思いを乗せてジャングルの夜をバスはうなり声を上げて走って行く。
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