DATE:2009/04/30 Uruguay - Montevideo -
なーんもない。けどそのなーんもないがちょっぴり楽しい。
それがウルグアイのモンテビデオという町だった。
一国の首都がこんな感じなんだからきっと他の地方都市はもっとだろう。
あそれでもこの国が豊かであることは町を歩けばすぐにわかる。
スローな雰囲気の町の中には南米の都市部にありがちな殺伐とした空気がない。
もちろん貧富の差はあって物乞いやスラムのような地域はあるのだけれど、
町の規模の性もあってか空気を変えるほどではないのだ。
町並みはアルゼンチンに近い。
そこはやはり同じスペイン人の作った国家だということだろうか。
大通りには石造りの西洋風の建物が並び、
一本奥に入ると青や赤でペイントされた色とりどりの住居が立ち並ぶ。
住宅街には街路樹が張り巡らされていてその陰が絵画のように家々へ寄りかかっていた。
モンテビデオの観光。と言っても特に目立った建築も自然もないので、
当てもなくふらふらと町をさ迷う。
一軒の本屋に入ると意外にもきれいな建物で驚く。
世界で二番目に美しい本屋を思い出し、南米やヨーロッパの本屋巡りの旅なんてのもいいなと思う。
日本でも本屋はお気に入りの場所のひとつだった。
大好きな本がずらりと並ぶ姿はその言葉がわからなかろうと心をわくわくさせる。
細長いソーセージを挟んだだけのホットドックを食べながら町を歩き、
少し疲れたので公園で人々を眺めながら僕もまたくつろぐ。
そういえば今日は土曜日だった。公園で遊ぶ家族連れを見て時の流れを思い出した。
ウルグアイはマテ茶文化も根強いようで公園でも街中でも、
お湯の入ったポットとマテ茶用のコップを持った人たちを良く見かける。
アルゼンチンもマテ茶文化はあるが、こちらの方が一段日常に溶け込んでいるようで、
その浸透度はパラグアイを思い出させた。
モンテビデオの町をまっすぐに進んでいくと海へとたどり着く。
たぶんこの旅でこれが最後に見る大西洋だ。
海岸では堤防の上に立ちたくさんの人が釣りをしている。
しばらくじっと見ていると吊り上げた魚をうれしそうに僕に見せてくれた。
高層ビルが見えるこの場所とのんびりとした魚釣りの様子が気に入って、
しばらく僕はその姿を眺めていた。まさに休日らしい一日だった。
堤防を端っこまで歩きモンテビデオの先端を確かめてから戻り、
意外にもおいしい魚のフライのチーズ焼きを食べながらビールを片手にのんびりする。
こののんびりが悪くない。
何もないが僕はこの町の雰囲気が気に入っていた。それに食べ物もおいしい。
おなかも膨れほろ酔い加減になったので、
町で唯一の観光名所らしいマーケットに行ってみると、
予想とは違いアサードと呼ばれるウルグアイ版焼き肉屋さんが立ち並ぶレストラン街だった。
焼き肉と言っても多くはステーキのようなもので、
何キロもありそうな大きな肉をそのまま焼いたものから切り分けて食べさせてくれるようだ。
肉も何種類もあり、またソーセージも焼いている。
マーケットは倉庫のような場所でその中はおいしそうな匂いでいっぱいだったが、
昼食を食べた後ということもあって今日は眺めるだけにした。
町唯一の観光名所だからかなのか、なぜか子供たちの観光客が多く、
走り回るようにマーケットの中をたくさんの子供たちが歩き回っている。
そういえば南米では制服、と言うより科学者の白衣のようなものを着た子供達の姿を時たま見かける。
今日出会った子供たちも白衣を着ていたがどういう意味があるのだろう。
単なる汚れないための外着なのだろうか。白衣姿の子供が町を歩くのを見ると不思議な気分がする。
マーケットを観光し終わると終には本当に行くところがなくなってしまい、
いくつか今日の夜の食材を買って帰り宿へと戻った。
ものは試しと飲んだウルグアイ産のワインが意外にも悪くなく、
やっぱりこの国は良いかもしれない。と思った。
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