2009年4月28日火曜日

世界一周(41)アルゼンチン/世界で二番目に美しい本屋















DATE:2009/04/28 Argentine - Buenos Aires -


今日、このままウルグアイに向かっても良かったが、
昨日ブエノスアイレスを調べていたら面白い場所を見つけてしまった。


「世界で二番目に美しい本屋」


なにやら素敵な響きじゃーありませんか?

一番じゃなくて二番って言うのがやっぱりいい。
奥ゆかしさというか、厳格な誇りのようなものを感じる。

というわけでウルグアイ行きを後回しにして、
「El Ateneo」という名の噂の本屋へと出かけてみることにした。

ちなみにこのランキングを作ったのはイギリスの雑誌で、
一位はどうやらオランダにある本屋のようである。
ネットで調べた情報なので詳しいことは良くわからない。あしからず。



今日は都会を満喫しようと少し良さげなレストランに入り、
繁華街を歩いて本屋へと向かう。
住所しかわからない本屋に少し迷い、いや結構迷いながら、
やっとの事で世界で二番目に美しいとされる本屋にたどり着いたのであった。


世界で二番目。と言うから入り口からして凄いのだろうと想像していたのだが、
意外にもけっこうシンプルな外装で驚く。さすが二番目外装も慎ましい。

が、中に入るといきなりのその美しさに度肝を抜かれる。

オペラハウス。

そうオペラハウスを改造して作った本屋なのだ、ここは。

さすがに世界で二番目という称号を得ただけあって、
4階まで続くテラスの照明がゆるりと描くカーブは本当に美しい。
ミラノでみたスカラ座の絢爛さには適わないが、
オペラハウスという舞台装置が本屋という異業種にぴたりと合っている事が不思議に思えた。

オペラの舞台はそのままカフェになっていて、
お店にある本を自由に持ち出して読めるようになっている。
階段を上りテラスから舞台を見るとカフェに座る人々が演劇をしているようで面白い。
同じように店内にはいくつかソファーや椅子があり本を読みふける人をちらほら見かける。

天井はオペラハウス時代のままなのか、
宗教絵のようなものが描かれていて天使が円形の天井に描かれている。

しばらく僕は一階でその美しさに見とれた後、
二階に行ったりエスカレーターで地下に降りてみたりと大忙しで本屋をうろちょろする。
カメラを持ちながらうろちょろする怪しいアジア人だが、
そういう人が多いのだろうか店員は特に注意をすることもない。
見てみればカメラを構える人も何人かいてここが一つの観光名所であることがわかった。

何かお土産にと最近気に入っているパウロ・コーエリョの本を買い、店の外に出た。
スペイン語でまったく何が書いているかはわからないが、装丁も美しいし良い思い出になるだろう。
何せ世界で二番目に美しい本屋で買った本なのだから。



本当ならばせっかくのアルゼンチン最後の夜なのでタンゴにでも行こうと思ったが、
なんとなくそれも面倒になり路上タンゴを見たからいいやと、部屋でゆっくりワインを飲むことにした。

ここ最近毎日のように食べているアルゼンチン牛も今日で最後。
いつの間にか食べる総量が増えていて今日はなんと700グラム。
それでもぺろりと食べられてしまうのだから、やっぱりこの国の牛肉はすこぶる旨い。

アルゼンチンワインも今日でお別れだ。

正直なところ、日本にいる時は南米のワインといえばチリワインだったのだが、
今現在ランキングは大きく変化しアルゼンチンワインの圧勝となっている。
それだけアルゼンチンで飲んだワインが旨かったということで、
特にマルベック種はかなりのお気に入りになった。



この国に来る前にアルゼンチンに抱いていたイメージはそう多くなかった気がする。

タンゴの国。サッカーの国。そして国債がデフォルトした国。

実際この国を旅した時にもともと知っていたキーワードは殆ど出てこなかった。
僕が知ったアルゼンチンはワインでありビーフであり、美しい町並み、そして自然だった。

特にパタゴニアの美しい自然は何度見ても物足りないほどに美しかった。
そしてメンドーサやバリローチェといった町の美しさも他の国にはないものだろう。
それについでと言っちゃぁなんだが、やっぱりアルゼンチンの女性も美しかった。

そう言えば経済が破綻したなんていう影響も殆ど感じることはなかった。
もちろん路上生活者や貧しい人々の姿は沢山見たけれども、
国が死に向かっているような鬱々とした感じは受けたことがない。
もう既に回復に向かっていると言う事だろうか、それは過去のこととして済まされているようだった。


美味しい肉にワイン。それだけでも十分なのに美しい町と女性。
なんて申し分のない国なんだろう。

将来この国で暮らすことは悪くない選択にも思えた。

暮らすならばやはり地方が良いだろう。
ブエノスアイレスのピリピリとした雰囲気はやはり好きではない。
そういう意味では地方と都会のイメージが一致しない不思議な国ではあった。


次にこの国に触れるのは・・・きっと日本でワインを飲むときだ。

毎日のように飲んでいたアルゼンチンワインをまた日本で飲むときが楽しみだ。
ノートン、トラピチェ、カテナ。舌に刻んだいくつかのお気に入りたち。


また会う日まで。ちゃお!

そしてまたこの地に訪れることを夢見て。

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