2009年4月6日月曜日

世界一周(40)チリ/かわいい町の教会は











DATE:2009/04/06 Chile - Castro -


チロエ島の教会は木で出来ている。

この辺りの気候と素材を上手く生かした独特の教会で、
チロエ様式と呼ばれる現地の伝統建築と
西洋の建築スタイルをミックスしたユニークなスタイルをしている。


カストロの中心に立つ聖堂はゴシック様式とミックスした面白い建築で、
チロエ島に立つ他のいくつかの教会と含めて世界遺産に登録されている。


このカストロの聖堂の何が面白いって、
なんと聖堂の外装がトタンで出来ているのだ。

なんとも安っぽい教会のように聞こえるが、
そのクリーム色の色合いがなぜか上手くマッチしていて
チロエ島のかわいらしさを取り込んだいい感じの建築物になっている。

聖堂の内部は意外にも明るく、
自然の木の色が美しく取り込まれている。

ヨーロッパ含め多くの教会が石で作られているため、
この教会の木の色は温かくやさしさを感じさせてくれる。

学校の体育館を思い出させるその木の教会は光とやさしさに満ちていた。


外はあいにくの雨降りなため、のんびりと教会の椅子に座って過ごす。

しばらくしておなかも減ったので近くのレストランで、
カレー味の絶品スープを食べていると空は輝きを取り戻し、
満腹で外に出たときにはすっかり青空になっていた。

この辺りの天気はどうもそうらしい。
朝、曇り空。そして昼は晴れだ。
バルパライソの空をなんとなく思い出した。


雨の後、にキラキラと染められた町を歩く。

相変わらずついニヤニヤしてしまうほどにかわいい町だ。

木造りの小さな家にパステルカラーのペイント。
小さな庭にはバラや季節の花が咲き乱れている。

いくつかの家はこの辺り独特の、
木の板を立に重ねて壁にした家に住んでいて、
屋根瓦のような壁がとても面白い。


そう言えばここに暮らす人々もサンティアゴのチリ人とは別の顔をしている。

ころころした丸い顔に大きな瞳。
こう言ってはなんだがチリ人と比べて圧倒的にかわいい。

たまに恋をしたくなるほどの美少女もいて、
チリらしく高校の制服を着ているとそこは天国のようにも思えた。
うっかり危ない世界へと入り込みそうなほどだw


しばらく歩くと水辺の家々が立つエリアにでて、
水上に柱を立てて建てられたその独特の家々の
黄色やオレンジのペイントが水に映りこむ様を楽しんだ。

水辺の家々は崩れかけのように見えるが、
その中でもしっかりと人々が生きているようで、
煙突の上からはもくもくと煙が上がっている。

この辺りではまだ暖炉も現役で、
たくさんの薪を積んだトラックも良く見かける。

そんなのどかな生活が良く似合うチロエの島だ。



湖のほうを見れば先ほどの雨のせいか、
湖に浮かぶ船に向かって虹が伸びていた。
しばらく虹は消えず湖畔の幻想的な雰囲気を楽しんだ。

湖の辺はやはりそこが海の一部であることを示すように、
引き潮によってずいぶんと水かさが減っている。
現れた海岸を縁取るように海鳥たちの白いラインが引かれていた。



今日の夕方に発つバスに間に合うかが不安で少し迷ったが、
チロエの郊外の景色も見てみたくなり、
路線バスに乗ってカストロから5キロほど離れた
ネルコンにある教会へと訪れてみることにした。

丘の上をアップダウンし、
川を越えカーブを何回か曲がるとあっという間にネルコンの町へとたどり着く。

「ここだろ?」と言って降ろされたところは、
まさに教会の目の前にバスの運転手に礼を言いそこに向かった。

カストロの町自体もそうだったが、
チロエ島に訪れる観光客は少ないらしく、
ネルコンの教会には人っ子一人いなかった。

日も傾き始めていて教会は静かな時間を過ごしている。

中に入ることは出来なかったが、
カストロの教会とは違ったつくりの教会を周りから眺め、
花で溢れる墓地をめぐってその場所を後にした。


教会から離れ、バスで来た道をのんびりと歩いて帰る。

湖のような入り江を囲むように道は続いている。
少しアップダウンがある田舎道をのんびりと景色を眺めながら歩いた。



途中でバスを拾い町に戻ると、
バスの出発時間ギリギリで間に合うことには間に合ったが、
なんだかめんどくさくなってしまい、
今日一日延泊することに決めチェックアウトを済ませた宿に戻り、
「バス行っちゃったからもう一日!」と照れくさそうに言った。

ヨーロッパ、中東辺りがピークだった高速バックパッカーの腕前は、
どうやら南米に入りタイムリミットが遠くなったことで、
ちょっとばかり鈍ってきてしまっているようだ。

この広大な南米大陸をめぐるのにはそれが調度良いのかもしれない。

宿代の節約にはなるが、
大自然豊かな南米大陸を夜行バスで駆け抜けるなんてもったいない。

南米は移動もまた大きな楽しみなのだ。
この場所で時間を惜しんでそれを楽しまずに進むなんて。

それに明日早起きすれば今日の遅れも取り戻せるさ。



そんな言い訳の数々を用意して
今日もまたワイン片手に夜のひと時を過ごすのであった。

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