DATE:2009/04/04 Chile - Santiago -
「今日はなんもしないの?」
「うん、眠い。なんにもしなーい」
「じゃぁ、ここでのんびり寝ますか」
別れの日、交わした会話はそんなもんだ。
さすがにもうやることもないサンティアゴの街。
僕らは公園の芝生に寝転がり、ただ時を過ごした。
何時間も何時間も。
やがて時が来てバスの時間になり、
僕はパタゴニアの大地を目指すために北へ、
彼女はウユニ塩湖への道を目指すために南へと旅立った。
「またね。元気で」
何度繰り返したかもわからないその言葉もこれで最後だろう。
次に会うときにいう言葉は決まっている。
「ただいま」きっとそう、日本で会うときに言うだろう。
先に出発する僕のバスを見送る彼女の姿がフロントガラス越しに見えた。
彼女もまた僕を見つけうれしそうに手を振った。
音を立てて動き出したバスは窓越しの彼女の姿を消し去って南へと走り出した。
さぁ、パタゴニアの大地へ。
彼女の笑顔を思い出しながら僕の心はゆっくりと一人旅モードへと切り替わっていった。
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