DATE:2009/03/28 Argentine - Mendoza -
朝からはじめたワイナリーツアー探しは失敗に終わり、
よいツアーを発見したものの値段が高く、
そんなものに参加するならばそこのワインを買うつーの、と
宿のオーナーが紹介してくれたお手軽ツアーに参加することにした。
ワイナリーを二つ巡り、
もうひとつの名物オリーブの精製工場をまわり、
もひとつおまけに何故かチョコレート販売所をまわる
なんだか後半はお土産攻勢なツアーだ。
町を離れたツアーのバンは、
そこから10キロほど離れたマイプーという町へと走る。
そこは多くのワイナリーが集まる小さな村。
町を出るとすぐ、
アンデス山脈の雄大な自然が右側に広がる。
まだ夏だというのに雪を抱いた山々が、
空の青と同化するように青く染まり、遠くのほうへ見えている。
この景色はチリからアルゼンチンに入る際に見えたはずなのだが、
それを夜行バスにしてしまいスルーしたのは非常に残念なことだ。
そんなわけで密かにまた同じルートを通ってチリへ戻ろうかとも考えている。
マイプの町の付近に来るとさすがにブドウ畑の姿が多くなる。
フランスのような美しい田園風景とも、
オーストラリアの大規模な工業的な農業風景とも違う独特な風景。
ブドウ木が整然とずらりと並んでいるのは同じなのだが、
その間に木が植えられていたり、
ブドウの木も背が高かったりと、
なかなかどうして興味深い。
とは言え感覚からいうと、
どっちつかずの田舎農業という中途半端なイメージを受ける。
ワインとしては後進のアルゼンチンでは、
こんなものかと思った。
1件目のワイナリーに着くと、
お決まりのコース、
醸造から熟成、そして地下蔵と見学して回る。
面白かったのが小さいワイナリーだったからか、
いまだに樽での醸造を行っていることだった。
ステンレス全盛のこのご時勢で、
こういうワイナリーは少ないと聞いた。
温度管理が難しい樽での醸造だが、
この小さな農家が懸命に努力している様子を思うとうれしくなった。
ワインの質は・・・まぁまぁだったけど。
続いては二件目のワイナリー。
こちらは大きなワイナリーで、
到着すると大きなトラックいっぱいのブドウが、
加重を搾り出すためにミキサーのようなものにかけられている途中だった。
その様子やミキサーの大きさからも、
このワイナリーの規模がわかる。
代々続くワイナリーの様子を聞くと、
ついにはお待ちかねのテイスティングタイム。
アルゼンチンには沢山のブドウ品種があるが、
その全てがほぼフランスから輸入された、
フランス系のブドウ品種だそうだ。
カベルネ・ソーヴィニオン、
メルロー、シャルドネ、
ソーヴィニオン・ブラン。
などなどの聞いたことのある名前も並ぶが、
近年ではシラーなどの品種も人気が高まってきているそうで、
生産にチャレンジするワイナリーも多いそう。
そしてアルゼンチンワインの固有種としての、マルベック。
この品種はアメリカから輸入したらしいのだが、
今ではほぼアルゼンチンでしか生産していないのだそう。
テイスティングはこのマルベックと、
アルゼンチンの白では一番お勧めというシャルドネを味わうことになった。
一杯目。白、シャルドネ。
良いワインだということは見ればわかった。
少し黄みがかったその色は上質のワインの印。
そしてグラスを回すまでもなくフルーティーなよい香りがする。
一口。
うまし。
まー正直なところやたらと飲んでいるだけで、
ワインの評価なんてのは良くわからないのだが、
ともかく美味ければなんでも良いのだ。
味、香り。
後で聞いた価格300円にしてはかなりの上出来だと思う。
二杯目のテイスティングにも期待がこもる。
二杯目はマルベック。
グラスに注がれた瞬間から、これもまたおいしそうな香りを発している。
マルベックという品種は、
強い香りが特徴でそのくせしっかりとコクのある味なのだそう。
1つめのワイナリーで飲ませてもらったが、
確かにその通りだが、そこのワインはコクというよりも、
なんだか苦みのような感じだった。
なのでマルベックという品種の本質はあまり良くわかっていない。
ワインはまだ若い年のものなので、
光にかざすと真っ赤な透明な色をしている。
香りを楽しみ口の中に流し込む。
あ。うまい。
まるでメルローとカベルネの良い所取りのような品種。
僕は一発でこの品種が気に入ってしまった。
年代としては2002年、2003年、2005年が当たり年なのだそう。
すっかり満足してそのワイナリーを後にした。
著名ワイナリー巡りとはいかなかったが、
しっかりアルゼンチンワインを堪能。
続くオリーブ工場と、チョコレート工場については。。省略!
ま、地元の小遣い稼ぎのお土産屋さんまわりって奴。
その夜は。
しっかり自炊マニアになってしまった僕は、
有名なアルゼンチンの牛肉を購入し、
単にステーキにして食べてみる。
もちろん傍らにはマルベック品種のワインを片手に。
1キロ500円。そんな肉が・・・
うめーーーーーーーー!!!!!!
骨がまだついたあばら肉。
レアでも食べられるぐらいの柔らかさ。
肉汁を使ったワインソースと醤油の両方でぺろり。
700グラムもあった牛肉が瞬く間に姿を消した。
おいしい牛肉に赤ワイン。
なんて幸せな生活なのだアルゼンチン人。
おいしいお肉においしいワイン。
きれいな女性に、文化的な生活。
なんだかここなら生活できそうな気がしてくる。
とはいえアルゼンチン生活もここでいったんお終いだ。
わけあってチリのサンティアゴへと帰ることにする。
これから行く予定のチロエ島はサンティアゴから行くほうが安くて快適だったりするし、
明日イースター島から戻ってくるマサミに久々に会いたくなったからでもある。
全ては愛のために。なんてね。
たっぷりとボトルに残った赤ワインをゆっくりと飲み干した。
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