2009年3月19日木曜日

世界一周(40)チリ/大都会サンティアゴ!







DATE:2009/03/19 Chile - Santiago -


朝起きてもまだバスに揺られていた。

南米に来てからこんなことに慣れっこになっている。
南米の移動がやたらと長く感じるのは
ヨーロッパやアジアの都市に比べて、
他の都市までの距離がやたらと長いこともあるだろう。

とはいえこの快適なアスファルトの道に文句を言うわけにはいかない。

ボリビアでの悪路に比べれば、
このアスファルトの道を走れるだけで満足できるというものだ。

さらにチリのバスはほぼノンストップで、
しかも簡単な食事付きときている。

パン1つにスナック類とジュースという組み合わせは、
決して満足できるものではないが、
提携しているぼったくりドライブインでの食事よりは、
なんとか納得できるような気がした。

まぁ、そんな変なことを考えずに
マクドナルドにでも寄ってくれた方がうれしい気はするが。


チリを北から中心まで半分ほど走破するサンティアゴ行きのバスは、
相変わらず山がちな景色の中を走り続けている。

変わってきたのは砂漠のような土地から、
果物の木が並ぶ果実園になってきた事で、
チリが天然資源のほか農業もまた盛んなことがわかった。

右手には太平洋の姿が見え、
左手には丘のような山が延々と連なっている。

そんな景色の中を走った。



予定時刻より30分も前にサンティアゴには到着した。

ガラス張りのビルが建つ近代的な都市。
たどり着いた場所はそこだった。

バスターミナルにはショッピングセンターが併設され、
液晶ディスプレーの掲示板がバスの発着を忙しなく表示する。

あぁ、ここは都市なんだなぁ、と他人事のように感じた。


しかし着いてしまったサンティアゴ。

とは言っても何か情報があるわけでもなく、
パソコンを引っ張り出して一つのユースホステルの情報を見つけると、
とりあえずそこに行ってみることにした。

バスターミナルからの移動は地下鉄だ。
しかもこれまた新しい。
切符売り場が自動でないのと、
まだICカード式でないのはご愛嬌といったところ。

ユースホステルの最寄り駅についてみると、
そこは西洋風の石造りの建物が立ち並ぶおしゃれな地域だった。

3車線の大きな通りには引っ切り無しに車が通っている。
とは言え交通マナーは良いらしく、
赤信号と共に車は止まり、横断歩道を人が渡る。


遠くにはビルが見え、その向こうには小高い丘が見えるが、
スモッグのせいなのか町が霞んで見えた。
青空の下のくすんだ灰色に北京を思い出した。

ボリビアの原住民の暮らしから一気に都会へ。

南米とひと括りにしても国が違えばかなり違いがあるようだ。

そりゃそうだ。
アジアとひとくくりにしたって、
日本もあれば中国もありラオスもあるのだ。

南米だってそうあることが当然だ。



抱いていた南米のイメージは変わりつつある。

もっと原始的な、そしてアジアのような熱気を想像していたが、
どうやら南米はアジアよりは一歩進んだ文明が発達しているらしい。

それはヨーロッパ的な、と言い表すのが正しいのかもしれない。

輸入された文化が土着の文化を覆いつくしてしまったようにも見える。

だからだろうか。
サンティアゴになぜかわくわくしてこないのは。
なぜか予定調和な旅になる気がするのは。


ユースから出てレストランを探すも、
ジャンクフードぐらいしか見つからず、
仕方なしにハンバーガのようなものに食らいついた。
焼肉のようなものをはさんだそれが意外にもおいしく、
この国もまた食肉文化なのだと悟った。


帰りがけにチリワインを買って帰る。

それもまたこの国のひとつの楽しみだ。
日本にいた時もお気に入りのチリワインがあり、
それを良く飲んでいた。

チリワインは安くておいしい。

フランスワインのように突き抜けたおいしさはないが、
その分平均しておいしいワインが揃っている。

できればワイナリー巡りでもしてみたいがどうなることか。


わずか2ドルで買ったワインはそこそこの味だったが、
満足できるものではなかった。

やはりどの国でも5ドル程度が限界ラインらしい。
それを下回ると失敗することが多い。

とはいえ5ドルのワインなど日本では飲めたものではない。
そういった意味では5ドルで満足ができるなんて、奇跡のようなものだ。


ワインを片手に日記を書いていると、
コロンビア人の女性が話しかけてきたので、
日記を放りなげて彼女との話に没頭した。

仕事の話、お互いの国の話。

旅人の話は尽きることがない。

あっという間に夜は更け、世界は明日を迎えた。
遠い向こう。東京ではすでにお昼を回っている。

地球の裏側は今日を終えて明日へとバトンタッチしていった。

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