2009年3月15日日曜日

世界一周(39)ボリビア/やはり水はないらしい











DATE:2009/03/15 Bolivia - Uyuni -


やはり水はない。


覚悟はしていたが、やはりショックは大きい。
たった1週間。たった1週間だった。

リオのカーニバルから真っ直ぐに無駄なくここに来ていれば、
ウユニの水鏡。それは見えたに違いない。
少しそのことを後悔し始めたが止めた。
昨日までの1日1日がなければ出会えなかった人も景色もある。
旅とはそういうものだった。
それを思い出しともかく現実を受け止めることに勤めた。


とは言えショックがなくなるわけでもない。
それに四千メートルの空気に順応がまだ済んでいないのか頭痛が少しする。
軽い高山病にかかっているようだ。
ついでにバスに乗りすぎてお尻が痛いw

と、なんだかんだ理由をつけて今日は一日お休みすることにした。
せっかく無理して一気にここまで来て1日休むのは無駄なような気がしたが、
そもそも無理した理由は水鏡のためだったので、
それが無くなったいま、さらに無理をする理由はないのだ。
朝からツアーの勧誘はひっきりなしだが、
それも今日一日でのんびり決めれば良い事だ。
そう思い、既に朝ごはんを食べた後だったがもう一度ベッドの中へと沈み込んだ。


10時ごろに起きだした僕は溜まっていた洗濯を済ませ、
ウユニの町を散策してみることにした。

と言ってもウユニ塩湖の観光のために出来たような町なので、
市場ぐらいしか見るところはない。

町のメインロードにずらりと並んだパラソルの下に商店が並んでいる。
売っているものもさまざまで歯ブラシなどの日用品からラジオやコピーDVDなんかもある。
商品自体は特に面白みはないが、やっぱりボリビア人の姿は興味深い。

つばの付いた高い帽子をかぶり、スカートを履いた女性たち。
日差しから身を守るためなのか寒くもないのに長袖のニットとタイツを履いている。
髪型は三つ編みが基本らしく、みな長く垂らした髪を結っている。
こういった民族衣装は若者になると着ないものなのに、
ボリビアでは多くの若い女性が民族衣装を着こなしている。
もちろん洋服の人もいるが割合的には半々と言ったところだ。
それは他の国に比べるとかなり高い比率のように思える。

経験上、こういう民族的な土着の文化を維持している人々はフレンドリーな人が多い。
と言うよりは都会的になればなるほど人とのつながりが薄くなっている気がする。
それは東京に暮らしていた僕にも言える事だし、納得できることだ。

ところがボリビアの人々は観光客に飽き飽きしているのかもしれないが、
それほどフレンドリーな人はいないし、全体的に笑顔が少ない感じもする。
もちろん子供たちは無邪気なままだが、それでも警戒心が強いらしく近づくと困ったような顔をする。
カメラを向けられるのも嫌いなようで露骨に嫌な顔をされるか、金を払えと言うかどちらかだ。
そんな独特なボリビア人の姿はどこか寂しく映った。


そう大きくもない市場なのでしばらくすると飽きてしまい、
本来の目的のツアー探しをすることにした。

観光で成り立っている町なので旅行代理店はいくらでもある。
が、それが大変なことでもある。
ツアーの内容はウユニ塩湖日帰りか2泊3日のチリ国境に近い湖まで行くツアーか、
多くはそのどちらかではっきり言って違いは殆どない。
なので料金だけで決めてしまってもいいのだが、これまた違いが殆どない。
さらに情報では違いがないように見えるツアーも、
実際に行ってみれば出発が遅れるとか食事の内容だとか、
いろんなところで違いが出てくるようだ。
しかしそれを確かめる手段も会話能力もないので正直勘で決める以外にないのだ。

と言うわけで数件の店を回った後、
結局最初に出会った親切なおばちゃんを信用することにして2泊3日のツアーに申し込んだ。
料金は80ドルで他にもっと安い所もあったが、ひとまずここは人で選ぶ事にした。
それが吉と出るか凶と出るか、それは明日のお楽しみというところだ。


日も暮れかかってきたので市場に戻り夕食を食べる。
町にある観光客向けのレストランは値段は高いわりにピザばかりしかなく、
何が悲しくてボリビアでピザを食べなくてはならないのかわからないが、
それでも欧米人には人気が高いらしく多くの人で溢れていた。
欧米人は外国に出ても自国のものを食べ続ける人が多い。
せっかくの外国なのに、と思うがそもそも食に対して無頓着な人も多いので何ともいえない。
まぁ、それも文化の違いなのだなぁと思うことにしている。

市場での夕食は地元民ばかりが食べるものなので、自然とその土地のものに限られる。
僕は鶏肉と何かのすり身を揚げたものを食べたがこれが意外とうまい。
さすが独自の文化を持つボリビアの食事は見たことがないものが多いのだが、
味付けはなかなかおいしく毎回楽しんでいる。

夕食の後は、甘酒のようなものに赤い果物のソースをかけた暖かい飲み物を飲んだ。
揚げた薄いパンにつけて食べるらしく、パンがセットでついてくる。
面白かったのがその売り方で若者のアルバイト的なところがあるらしく、
若い女性が数人で町行く人に声をかけチケットを売ろうとがんばっていた。
たぶん歩合給でそれが彼女たちの給料になるのだろう。みな自分のものを売ろうと必死だ。
とは言え殺伐とした雰囲気もなくゲーム感覚で楽しんでいる姿を、
その甘い飲み物を飲みながらのんびりと眺めた。


日も暮れたので宿に戻り明日のために早く寝ることにした。
さすが高度四千メートルということもあって夜のウユニは冷える。
毛布に包まってぐっすりと眠る。

さぁ、明日は白い平原へ。

楽しみで毛布の中で笑みが漏れた。

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