2009年2月20日金曜日

世界一周(37)ブラジル/初夜











DATE:2009/02/20 Brazil - Rio de Janeiro -


真昼間のリオの街を幻のサンバを求めて歩き回っている。

手元にある予定表では今日からカーニバルが始まっているはずだった。

もちろんサンボドロモの会場でのカーニバルは22日の2日後であるが、
それを前にしてプレイベントのような催しが街中で始まるのだ。

その中にはライブイベントや、
地域対抗のカーニバルイベントなどのイベントが目白押し。
それを求めてリオの街を歩き回っているのだが・・・。


見つからない。。


街は明らかに昨日までとは色を変えカーニバルモードへと突入している。

至る所に露店が並びカーニバル用のかぶりモノやポップコーンなんかがずらりと並んでいる。

街を歩く人の中にもそれを付けて歩く人々がちらほらいてすっかりお祭りモードだ。
もちろん僕の頭の上にもすでに「おっぱい」が乗っていて、完全カーニバル仕様になっている。

さすがにおっぱいを付けている奴はいないらしく、
なんだかやたらと指を指され目だってご機嫌なのだが。。。肝心の祭りが。。

ようやく見つけ出したステージも、まだ準備の真っ最中といったところで、
祭りらしいのは、その前で待ち切れず体を揺らすレゲエボーイぐらいなものだ。



ま、いっか。

祭りは長い。そんでもって祭りと言えば夜なのだ。
真昼間からそんなにあせって探し回らなくたって、祭りは勝手に夜が連れて来るだろう。

そう思い僕らは浮かれた祭り好きに混じってオープン席に座り、
冷たく冷えたビールを飲んだ。

祭り!祭り!祭り!

まだ始まった姿を見たわけでもないのになんだか楽しくなって来た。
やっぱりこの祭り独特の高揚感は知らぬ間に人から人へ伝播していくみたいだ。
ビールをあおりギターに合わせて歌声を上げるアホウと共に、
僕の魂の調律は急カーブを描いてお祭りモードへと合い始めていった。




夕方18時30分。

街の様子は昼間とはまたひとつ姿を変え始めていた。

通りにはビールや軽食を売る露天が軒を並べ始め、
それを囲むように何百人もの人々がビールを片手に路上に溢れている。

路上では誰が持ち込んだのかはわからないが、
巨大なスピーカーが設置され大音響でサンバのリズムが刻まれている。



祭りが始まった。

そう誰もがわかるほど街は祭りの色で急激に染まり始めていった。

僕らもそれに乗り遅れないように、リズムに合わせて踊るように歩く。
途中、ビールを買って今日何度目かの乾杯をする。

こういうときはやっぱり二人がいい。

ただ楽しいという感情を分かち合える誰かがいるというのは素敵なことだ。



人々はそれぞれ好きな格好で街を踊り歩いている。

頭に飾りを付けた人。おそろいの衣装に身を包んだ友達同士。

共通しているのはみな一様に露出度が高い、
サンバスタイルを楽しんでいるということだ。
日ごろから既にセクシーなブラジル人たちの衣装が輪をかけて激しくなっている。
それをちらりと観察するのは男としては、なかなか悪くないイベントだ。


盛り上がる街をビールを飲みながら歩き、昼間見たライブ会場へと向かう。

夜中のリオなど危険で歩けないと思うだろうが、
カーニバル期間中はまた別で警官がいたるところに立っているし、
そもそも人の数が半端じゃないほど多いので、
スリなどを除けば強盗などの不安はあまり感じることはない。

そんなことよりも、
みなこの祭りを楽しむことに全身全霊を傾けていて危険などを感じている暇もないという感じだ。



遠目から見学している人を含めれば2000人近くの人が会場には集まっていた。
ステージの前で踊りまくる人たちは1000人は超えている。

ライブ会場の上にはきっと有名なのだろうグループがサンバのリズムを響かせている。
それに合わせて踊る人たちはもう既に汗だくで笑顔が絶えることはない。

ある意味でびっくりするのは会場に溢れるゴミで、
50メートル近くある長い道路と広間にはビールの缶やらビニールやらが、
まるでそこ自体がゴミ捨場であるかのように無造作に捨てられている。

普段でもそれほど綺麗な町ではないリオの町がいっそうひどい事に。
ま、そんなことにかまっていてはカーニバルなど出来やしないのだろう。
日本の常識からすると考えられないが、それはそれ、と無視して踊りの輪の中に飛び込んでいった。



踊れ!踊れ!踊れ!

カーニバルは幕を開けた。
僕らには踊る以外の選択肢は用意されていない。


さぁ、行くぜ!

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