DATE:2009/02/17 Brazil - Rio de Janeiro -
たった一日でブラジルの雰囲気にもすっかり慣れた。
このラテンの雰囲気が意外にも肌にすんなり馴染む。
まだ少し恐ろしくもあったがこの国が気に入り始めていた。
が、宿がやばい。
13レアル(約500円)とこの界隈では最も安いクラスなのだろうが、
虫は多いは夜中は暑いはで、我慢はできるがもう少し改善はしたくなる。
と言うわけで今日は宿探し、そしてついでにリオのカーニバルのチケット探しをすることにした。
そうカーニバルのために来たのだ、それを忘れてはならない。
情報によると安宿は今いる地域に密集しているそうなので、
しらみつぶしに当たってみることにした。
何せカーニバルまでまだ4日もある。のんびりと探せばよい。
懸念なのがカーニバル前と言うこともあり部屋が埋まっている可能性があり、
しかも値段も何倍になっているという噂があることだった。
最悪の場合は今の安宿に扇風機を買ったほうが安い気もする。
ついでにバルサンでも炊けば完璧だ。
朝ごはんに昨日ヤキソバを食べたパン屋で焼きたての惣菜パンを食べていざ出陣。
そうそう、ブラジルの惣菜パンは中身がぎっしりでかなり美味い。
昨日も来たということもあってすっかりパン屋のおじさんとは顔なじみになった。
宿探し。宿探し。
が、、、やっぱり高い。
通常の2倍は当たり前、3倍程度が相場で、50レアル(約2000円)は覚悟しなくてはならない。
出せない額ではないが宿のレベルも今のところとそう変わらず、
単にガイドブックに乗っているというだけで強気の値段設定になっているだけだった。
どうやら最初に適当に入った宿は意外にも一番当たりだったようである。
あの部屋が一番当たり・・・さすがいい宿がないと評判のリオである。
さて、扇風機を本当に買うか。と思案し始めた頃、
ほとんど時計代わりにしか使っていない僕の携帯が珍しくブルブルと震えた。
なんだろう?と思い電話に出る。
「あ。テッチャン?わたし、マサミ。今からリオ行くから待ってて!」
・・・え?
どういうこと?
「もうね、サンパウロ着いたから。今からバスで行くから」
・・・おぃ。そういう事は早く言え。
すっかり一人旅モードになっていたのだが、
スペインで別れた彼女がどうやらこっちに向かってくるようである。
まぁ、もともと彼女も南米に来る予定だったので、
どこかで会おうかとも言っていたがこんなに早く合流するとは思ってもいなかった。
「わかった。待ってる」そう言って電話を切ったが、それからが大変である。
さすがにあの宿に女の子を泊まらせる訳にも行かないので、
もう一度宿探しを再開せざるを得ない。
仕方なしに付近のホテル全てに値段を聞きまわり、
安宿やら高級ホテルやらラブホテルやらにガンガン突撃をして回り、
ようやく怪しげなホテルに落ち着き先を決めたのであった。
恐らくは売春宿なのだが、まぁこの際文句は言えない。
どうやらこの手の宿はカーニバル料金というのはないらしく、
期間中でも通常通りの料金で営業を続けるらしい。
最初、10日泊まる。と言ったときには驚かれたが、
なんとかそこをごり押ししてバックパックを背負って宿を移った。
もちろん、四角いベッドではなく丸い形のベッドではあったが。
南米の旅がいきなり急展開を迎えたが、まぁそれはそれで楽しくもなりそうだ。
コパカバーナのビーチなんて一人で行っても楽しい訳がない。
とは言えまだチケットの購入が残っている。
当日前になると相場の倍以上の値段がすると言うチケットを早めに手に入れなくてはならない。
なにせ元の相場が1万円以上するチケットなのだ。倍になってはたまらない。
宿を移動した後、旅行代理店が多くあるコパカバーナまでバスで出かけた。
コパカバーナビーチ☆
イパネマビーチと並んでリオの二大ビーチのそこは物凄い数の人で溢れている。
これがリオのカーニバルのせいなのか、それとも日常なのかはわからないが、
あまりにも多すぎる人に慄きビーチはまた後に来ることにして、
念願の?ブラジル娘のおしりなどを尻目にまずは、とチケット探しを始めることにした。
コパカバーナのメインロードを歩くが思いのほか旅行代理店が少ない。
と言うよりもお店自体が少なくなかなか旅行代理店が見つからないのだ。
仕方なく端から端まで歩いてみていくつかの代理店を見つけ出し、
ともかく虱潰しに当たってみることにした。
世界一有名なリオのカーニバルと言ってもその派手な舞台は知っているものの、
実際のところそれがどういうところで行われているかは意外と知られてはいない。
カーニバルはサンボドロモと呼ばれるサンバ専用の会場で行われるが、
そのまっすぐな直線で作られた会場には直線を挟む左右に観客席が設けられ、
観客はその観客席からパレードを観覧することになる。
その観客席もパレードからの距離や見え方によってランクが付けられ料金が異なってくる。
リオのカーニバルで言えばパレードの入場口から近い順から料金が上がっていき、
最後の退場の部分のみ一番安い席となる。
つまり入り口から遠ければ遠いほど真っ直ぐに並んだパレードの全容が見えやすくなり、
それが料金の差になってくるのである。
ちなみに会場の左手側は全て企業用のブースとなっているようで、
座席ではなくブース単位の買取りとなっている。
そんなわけで中々に難しいカーニバルの席選び。
情報では一番安い最後方の席は遠すぎてカーニバルの雰囲気が感じ取れないそうなので、
入場口から近い席を選ぶことにした。
何件か代理店を回る。
代理店それぞれ独自の料金を持っているようで皆一様に価格表を確認した後に、
現在の料金を告げてくれる。
中には代理店とも違いダフ屋のような人もいて、
街中を歩いていると「チケット要らない?」と声をかけてくる。
実際のチケットを大量に出してきて料金交渉となる。
別に安いわけではないのだがチケットを実際に見ると心は動くが、
ここはひとつ我慢。それが偽者であるという可能性もないわけではないのだ。
カーニバルのチケットはICカードの入ったカードで、
入場口でチケットのチェックをするのだがさすがに見た目での判断は難しい。
なので一応は店をきちんと構える代理店で買うのが無難である。
いくつか回ったが値段の差は12000円から17000円と差は大きく、
結局、一番安い値段の店で購入することにした。
思えばこれがこの旅一番の出費なのかもしれない。
1万を超える出費にひるむが、「ここまで来て」という感情が勝ち結局それを買うことにした。
確かによく考えてみれば南米まで来て5千円程度をケチる意味はない。
購入したステージ5のチケットを見てほくそ笑む。
ついにここに。
そう言えばここ数ヶ月はここに来るためにスケジュールを組んできた。
その目的がいまやっとこの手に握られているのだ。
なんだかその単純なことに素直に感動し、
手に握られたプラスティックのチケットをにんまりと見つめた。
「着いたよ!」
電話を受け彼女を迎えに駅に向かった。
始まったと思った一人旅。
いきなり二人旅に戻ることになるが、まぁそれも悪くないか。
僕らの南米の旅はどうなるものか。
ともかく。
「乾杯!」
二人の声がブラジルの空に鳴り響いた。
ともかくだ、これができるのは二人旅の一番の面白さだ。
ゴクゴクと冷たいビールを飲み干した。
やはりこの国のビールはいい。暑い夜の下、そう思った。
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