2009年2月15日日曜日

世界一周(35)スペイン/さようならヨーロッパ






DATE:2009/02/15 Spain - Madrid -



ヨーロッパ最後の朝が来た。

僕はもうマドリッドの空港の中にいる。
短い期間しか居られなかったがヨーロッパの旅も、一応はここで終わりになる。

きっといつかまた来る。
それは間違いはない。

たくさんの驚きと発見があった。
その常識の違いには驚かされることばかりだった。


先進国ばかりと思っていたヨーロッパ。
でも日本と比べればビジネスやサービスにおいては意外にも遅れていることに驚く。
が、それはきっと彼らとの価値観の違いでしかないのだ。


日本にいると「完璧」であることが当たり前だが、
ヨーロッパの多くの国では「適当」であることが良しとされる。

もちろん「適当」とは程良いとのことであり時にはそれが不十分ではあるものの、
「完璧」を求めるほどの情熱は持たないのが彼らなのである。


80%の品質を保つのはそれ程の努力は伴わない。
90%の品質を保つには80%の品質にかける労力の2倍の力が要る。
100%の品質を保つには90%の品質にかける労力の2倍の力が要る。


そう考えてみると日本の常識で物事を考えると常に80%の4倍の力が要るのだ。
だがそれが80%ではいけない理由はない。

大概のことはある程度の品質で方がつくのが世の中なのだ。
それに対して4倍もの労力をかけるのは単なる無駄でしかない。

そりゃもちろんたまには不具合もあるだろうが、そんなことは笑って許せる範囲だ。
人生を楽しむことに比べたら些細なことだろう。


がむしゃらに働き、日々完璧を目指す日本人労働者を横目に、
程良く働くフランス人は、年に一度2ヶ月の休暇をアジアで楽しむ。

Are You happy?

そんな言葉に素直にうなずける人間がどれだけいるだろう。
僕たちが選んだ人生は当たり前のものなのだろうか。

ブラウン管や紙の上に描かれた世界を信じるのか。
目の前に映る現実を信じるのか。

運命でさえもそれを選んだのは自分だ。

ナニヲシンジル?ナニヲエラブ?

人生はいつも自らの為にある。生き方を選び取れ。






チェックイン手続きを終え今はもう待合室のロビーにいる。

最後の思い出にスペインのバルで最も気に入った
小魚のビネガー漬けとイベリコ豚のサンドイッチを赤ワインで楽しむ。

贅沢な最後の時間。旅の終わりはゆっくりと過ぎていった。


ゆっくりし過ぎて出発時刻ぎりぎりで走りこんだ僕を乗せて、
マドリッド発、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ行きの飛行機は予定時刻ちょうどにヨーロッパの地を飛び立った。


さあ、南米へ!

まだ知らぬ、未知の中へ飛び込んでいく。

そして一人旅がまた始まった。

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