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DATE:2009/01/08 Syria - Damascus -
色んな思いはあるだろうけれど、とりあえず旅は続いている。
今日はヨルダンを抜けてシリアに抜ける。
予定だったのだが・・・。
早朝6時から目を覚まし、
7時半のバスを目指してバス停まで向かう。
「すぐそこだよ」と言っていたバスターミナルはいつまでたっても現れず、
20キロを超える重い荷物を背負ったままの、
バックパッカーの行進は続く。
途中でブーブー言いはじめたマサミを引っ張って、
ついぞバスターミナルに辿りついた。
そして僕らが聞いたセリフは、
「ビザがないからこのバスには乗せられない」
だった。
マジかー!!今の奴隷のような苦労は何だったのだ!
そう思い必死に食らい付いてみるも無しのつぶて。
昨日ちらりと聞いた「ビザなしだとバスに乗れないかも」
の情報が正しかったことを知らされる。
じゃぁ、どうしたら良いんだ。
そう聞くと、そっちのセルビス(乗り合いタクシー)ならば
シリアまで連れてってくれるよ。
そう言って親切にもセルビス乗り場まで連れてってくれた。
マサミを残してセルビスと交渉し、
バス代よりは少し高めだがシリア行きの足を確保した。
どうやらビザ自体は国境で取れるらしく、
恐らくはビザ取得で時間がかかるから嫌だ。乗せない。と言うことだろう。
確かにビザの取得には30分近くかかるため、
その主張も他の乗客のことを考えれば強ち不当ではない。
そもそもアンマンにあるシリア大使館でビザは取れないのに、
シリア国境だと取れるというルール自体がおかしいのだ。
そういや日本でシリア大使館に行ったときも、
なんだか感じの悪い人たちだった。
と言うわけでシリアという国にはいち物あるのだ。
セルビスのおっさんを待たせて、
バス会社のオフィスで待っていたマサミに
「とりあえず行けそうだ」と喜びの報告をすると、
「なんかバス乗れるみたいよ」
と、今までの苦労は何だったの。なセリフを吐いた。
何それ?と聞いてみると、
どうやら別のスタッフが出てきてスタッフ同士で話をしていたら、
なぜか行けることになってしまったらしい。
腑に落ちないが、行けることには文句はないので、
仕方なくセルビスのおっさんのところへ戻り、
バスで行くことを告げた(すまぬおっさん)
なんだか良くわからないがこんな感じでシリア行きのバスに乗り込んだ。
受付をしていたのが新人のスタッフだったのか、
バスの乗客があまりにも少なかったので、仕方なく乗せてくれたのか。
実際の理由は不明だが、ここは中東。そんなことは気にすることではない。
ともかくシリアへ行けることの幸運を祝った。
イスラエル入国の痕跡。
それを気にしていたがあっさりとパス。
入国管理官の人もいい人でシリアのイメージがあっさり変わった。
僕らが抱いているイメージなどそんなものだ。
そう言えばシリアのビザ料金は国籍によって違うらしく、
日本人が8ドルなところを、
同じタイミングで入国した中国人は50ドル近くも払っていた。
アメリカ人だとさらに高いらしい。
そんな差別がまかり通るのも、
そして国同士の関係が如実に現れるのも中東らしい。
シリアに入国すると外の景色が一変する。
近代的なビル。整備された農地。
なんてものがあるわけではないが、
土色一色のモノクロの世界だったヨルダンからシリアに渡ると、
赤土の上に農作物が生きる色彩溢れる世界に変わった。
赤い土の上には
様々な形の雲がもくもくと浮かんでいる。
外の世界を見るだけで、
また僕らが違う国へと来たと言うことがわかった。
国境を越えた。それだけなのに。
何か不思議な映画を見ているような気分だった。
シリアの首都、ダマスカスのバスターミナルにたどり着くと、
まったくわからない場所でしかたなく、
タクシーを使って町へと出ることにした。
このタクシーと言う奴は、
旅のトラブルを最も引き起こすやつで、
お金の問題ではなく乗りたくはないのだが、
こういう場合は仕方がない。
しかし案の定、最後に料金で揉めて、
近くにいたシリアの人に助けてもらって事なきを得た。
その後も地図のない僕らは、
シリア人に助けてもらいながら宿にたどり着き、
そのころにはすっかりシリア人LOVERになっていた。
しかもたどり着いた宿は、
雰囲気も良く施設もしっかりしていて、
今日一日でシリアはお気に入りの国に仲間入りしてしまったのであった。
一息ついてご飯を食べに外に出ると、
見慣れないスープのようなものをパンに付けて食べる料理があって、
それを食べてみることにした。
ホモスと呼ばれるソースをパンに付けて食べるそれは、
今まで食べた中東の料理としては格段においしくて、
久々に「料理」を食べている気がした。
そのまま町をふらふらすると
この町が意外にも大きく近代的な町だということに気づく。
立ち並ぶたくさんのお店。
そのどれもが垢抜けていて思わず欲しくなるような洋服もちらほらと見かける。
待ち行く人もまた垢抜けていて、
今までいたヨルダンと比べると圧倒的に都会人としての装いを感じさせる。
中東。とひと括りに言っても、
国が違えば常識や経済規模も違うことを改めて思い知らされる。
アジアと呼ばれる国々がまったく異なる文化を持っているように、
中東もまたそれぞれに独自の文化を持っているのだった。
黒いイスラムの衣装を纏った女性が、
しげしげとショーウィンドーを覗いている。
伝統的な黒い服に黒いフードですっぽりと顔を隠したスタイル。
そんな女性が何を見ているのか気になって、
近くを通り過ぎるときにちらりとショーウィンドーを覗き込む。
そして思わず目を丸くした。
エロっ!!!!!!!!
ある意味では中東で一番衝撃的な出来事を見た。
その女性が見ていてたのは、
日本ではコスプレハウスやセクシーショップ二でしか手に入らないような、
本当にエロエロな・・・「下着」だった。。
なにせ紐パンだけならいざ知らず、
例の真ん中にはぽっかりと穴が開いているのだ。
機能的、と言ってしまえばその通りだが、
その機能を前面に押し出すと単なるエロになる。
そのお店を見ると、
同じようなエロ下着がいくつも並べられている。
そのお店だけかと思えばそうでもなく、
ランジェリーショップと思われるお店には殆どそういったデザインの下着が並び、
透け透けのネグリジェがセクシーなポーズのマネキンに着せられている。
中にはコスプレ衣装としか思えないようなものもあり、
思わずおぃおぃと突っ込みたくなる。
決して夫以外の他人には顔を見せてはいけない黒衣の中東女性。
その黒衣の下にはあんなエロエロな姿が隠されているなんて・・・。
うらやましぃ!うらやまし過ぎるぞ中東男児!!
しかもシリアの女性はかわいいのだ。
近代化のせいか全身真っ黒な女性というのは少なく、
おしゃれなフードをかぶって闊歩するシリア女性は、
肌が白くふっくらとした優しそうな顔をしていて、
エジプトで見た美人嫁を思い出させる美女ぞろい。
そんな女性たちが家ではあんなエロエロなものを着てるのだ。
いや、家だけじゃなくもしや今も・・・。
思わずごくりと唾を飲み込んだ。
シリア・・・大好きだ!!!!!!!!
思わずそう叫ばずにはいられなかった。
そのとき僕はイスラム教の改宗を考えたのであった。なんて。
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