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DATE:2008/07/26 China - Eren -
昨日調べておいた中国とモンゴルの国境、
二連行きのバスに朝から乗り込み中国最後の一日が始まる。
今日、国境を越えることも出来るのだが、
なぜか10日間しか取れなかったモンゴルビザの関係もあり
今日は一日、二連の町に宿泊することにする。
朝、出発する前に一人のオランダ人男性と一緒になる。
なにやら国境に行きたいが行き方がわからなかったらしく、
同じ行き先なのでバスを教えてあげたことがきっかけで仲良くなる。
聞いてみて驚いた。
122カ国の男だったのである、この男。
なんと20年間も旅を続けており、
訪れた国は122カ国。次のモンゴルで123カ国目だそうだ。
30前半だと思っていた年齢も、既に45歳。
25歳から旅を始めて、働きながら移動を続けているそうである。
20年間の旅。
僕にはちょっと想像もつかないが、
122カ国の体験はとてつもなく貴重なものだろう。
しかし僕は少し疑問にも思う。
僕にとって旅とはインプットだ。決して何かを残すものではない。
大抵の人間は、世の中に何かを残そうと必死になっている。
僕だってその思いが無いわけではない。
彼は何かを残したい、アウトプットをしたいとは思わないのだろうか。
知ることはやはり、何か目的があって意味がある。
彼は122カ国を知ってもまだ先を求めている。
その先に何をしようと言うのだろうか。
旅に獲りつかれる。
良い悪いではない人生を彼は過ごしている。
いつか彼が自分の人生を振り返ったときに、
いったい何が見えるんだろう。
きっと僕には見えない何かが見えるに違いない。
モンゴルへの道はなかなかに面白い。
町を見ているとちらほらと中国語とモンゴル語が混じった看板が見え始める。
さらに町を少し離れるとまさにモンゴル的な草原が広がっている。
ちなみに、なぜか二連の町の近くでは恐竜のオブジェが草原に沢山置かれている。
化石の町二連をアピールしているようだ。
何もない草原の中に、恐竜が立つ姿は意外にもリアルなのだが、
誰もこの町にそれを目的で来る人はいないようで、
単なる税金の無駄遣いにしか思えない。
夕方前に国境の町、二連にたどり着く。
今日中に国境を越えることもできたのだが、
モンゴルビザの関係上、一日この二連に滞在することにする。
旅人の彼とはバスを降りたところで別れた。
123カ国目のモンゴルは彼に何を与えてくれるのだろう。
それを知りたくもあったが、別れは必ず訪れる。
ちなみにこの町の宿にもシャワーがなかった。
内モンゴル付近だとこれが普通の状態なのかもしれない。
確かに乾いたこの辺の気候は、それが不快とは感じない。
中国人は何やらタライに水を入れてそれで体を拭いたりしているようだ。
僕もそれにならって試してみる。
が、ぜんぜん足りない。
埃っぽい町を歩いたせいか、足が真っ黒。
それを洗っただけで水は真っ黒に濁ってしまった。
中国人は水を取り替えている様子もないし、
どうやって体を洗っているのだろう。不思議だ。
宿に荷物を置き、いつものように町をふらふら歩く。
国境の町というとなんとなく賑わっているイメージがあったが、
なんだか閑散とした町だ。
なぜだか知らないがいたるところで工事が行われており、
ただでさえ砂漠のような町が砂埃で覆われている。
そして誰も住みそうもないマンションがいたるところに建てられ、
さらに現在も建設は続いている。
中国政府がモンゴルとの貿易の拠点を立てようとしているのだろうか?
閑散としたこの町をみると成功しているとは思えないのだが。。
町をうろうろするのも1時間程度ですべて回り終わってしまったので、
どうせならと明日訪れる予定の国境を見に行ってみることにする。
バスで行っても良かったのだが、2キロほどだったので
そこまでの観光も兼ねて歩いて向かう。
二連の町からまっすぐに北に伸びた道路の先に国境はある。
なぜか虹のアーチの門なんかがあって、やはり変にお金がかかっている。
このまっすぐな道も例外なく再開発の真っ只中で、
歩道が掘り返され、新しい街灯が取り付けられようとしていた。
道を見ても歩道を見ても古くなった様子はなかったので、
なんとなく日本の年末の予算消化のための道路工事を思い出した。
国境までたどりつく。
そういえば国境自体をゆっくりと見学することは初めてだ。
鉄の棘が中国とモンゴルを分けて横たわっている。
何か景色が変わるわけではない。
中国側もモンゴル側も砂っぽい乾いた土地が広がっているだけだ。
ただ線だけがその土地に引かれている。
百年前は別のところに線が引かれていた。
争いによって内モンゴルと外モンゴルという、
中途半端に切り取られたモンゴル。
今ではすっかり中国人と変わらないこの二連に暮らす内モンゴル人。
彼らはこの線について思うことはあるのだろうか。
夕日はモンゴルの草原へと沈んでいった。
明日は向こう側へ居る。
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