2008年7月25日金曜日

世界一周 in (9)中国/雲崗石窟と土の家







DATE:2008/07/25 China - Datong -


雲崗石窟。

中国三大石窟であるそこは大同の市内からバスで30分ほどのところにある。


遠くから眺めた最初の感想は、

「なんだ龍門石窟より、ぜんぜん規模が小さいじゃん」

そしてその評価は間違いだったことに後で気づく。



木像のような極め細やかな石の彫刻。
掘り込まれた洞窟の穴の壁一面にそれが広がる。
赤や青で色づけられたその石窟は、圧倒的に美しい。


ここを見てしまうと今までの石窟が、
子供の遊びに見えてしまうほどに芸術的な彫刻が、いたるところに刻まれている。

1から始まり50近くもある石窟、
最も美しい第6、第7石窟が最初に待ち受ける。

大きいだけでなく圧倒的に美しい大仏、
仏陀の生涯を刻んだ彫刻。

長い時間眺めていたが、
それは見ていて飽きないというよりは、
圧倒されて立ち尽くしたという方が正しい。

結局、計3回。
なんども戻ってこの石窟を拝んでしまった。


その他の石窟も例外なく美しい。

石の中で天女が舞い、楽器隊が音を奏でる。
何万もの仏像が壁を埋め尽くす。
布にかかれた模様のような、精細な石の彫刻をまとう大仏。


歴史的な遺産を見ていると言うよりは美術館に来ているような気分。
見終わった後には満足感で満たされていた。


石窟からの帰り道、いつものように並んでいるお土産屋さんを眺めていると、
珍しいものが目に付いた。
毛皮のコートである。

モンゴル、そしてロシアを思わせるそれが既にこの地域で見られるようになっている。
中国の文化を離れまた別の世界へ進んできたのを感じる。



帰りのバスの途中、ふと思い立って途中で降りてみる。

実は来るときのバスの中で面白い家が立ち並ぶ地域を見つけていたのである。
どんな場所かはわからないが、とりあえずそこで降りてみることにしたのである。


土で出来たレンガを泥を塗って固めた土の家。
黄土色の壁が立ち並ぶ町。

今までの中国的な家とはまったく異なる奇妙な家々。
そう言えばこの家は大同へ来るときのバスからも見えた。
この地方特有の家なのかもしれない。

そもそも中国の都市部などは一戸建ての家を見ることが無く、
ほとんどが5階建て程度のマンションだった。

人口の過密度が良くわかる町並みだったが、
マンションが立ち並ぶそれ以前はどんな家で暮らしていたのだろう。
今はほぼ見ることが出来ない姿だが、興味深い。


レンガの家の間を抜けていくと、
沢山の煙突が家から突き出ているのがわかる。
一つ一つの家からにょきにょきっと煙突が突き出ている姿はなんだか愉快だ。
人がやっとすれ違えるほどの細い通りには人気はない。
たまに人が通るので今もまだ住んでいるのはわかるが、ひっそりとした町だ。

観光地でもなんでもない場所だったが、
この土地に暮らしている人々の暮らしを垣間見ることが出来て面白かった。



大同の町に戻り、少し町の中を歩いてみる。

古い土で出来た塀がいまもまだ残っている。
その周りをぐるりと回ってみるが今は家が建ち行き止まりになってしまっていた。
元は北京などのように東西南北に道が走る町並みだったのだろうが、
いまではメインの道路を除いては、迷路のように道が入り組むようになっている。

町の一角に先ほど見てきた、名も無い村のような建物が建つところがあった。
少しばかりスラムのような雰囲気を感じたが、
今もなお人々が暮らす生活の場所のようだ。






宿に戻り一息ついた後、昨日のサウナへ向かうことにする。

昨日は遅くなってしまったためタオルで体を拭くだけで過ごしたが、
さすがに二日間シャワーも浴びないのは気持ち悪いため、
初めての中国サウナ体験にチャレンジすることに。


受付を済ませるとまず鍵を渡される。
料金は後払い5元(約80円)のようだ。

鍵はロッカーの鍵のようで、
「男」と書かれた側の暖簾をくぐるとロッカーが並んでいる。
渡された鍵の番号のロッカーを開け、服を脱ぎ石鹸などを持っていざ風呂へ!

薄暗い風呂は以外にも広く、日本の銭湯のようだ。
壁際にシャワーがついていて、真ん中には広い風呂もある。
他にもサウナと書かれた部屋が二つほど見える。
また、端には恐らくはマッサージようか何かの寝台が置いてある。

先客は1人だけ。ゆったりと使える。
まずはシャワーを浴びて体を洗う。
きちんとお湯がでて、髪を洗い体を洗いさっぱり。

さて次はお風呂~♪

と、久々の浴槽に体を沈める。

が、ふと気づく。
ちょっと濁ってるかなぁ・・・。
しかもなんだかぬるい。
そもそも、これはいつのお湯なんだろう。変な病気とかないよね・・・。

まぁ、入ってしまったもの。諦めてゆったりすることにする。
広いお風呂で体をほぐす。久々リラックス。

と、先ほどお風呂に入っていた男性がおもむろに垢すりを始める。
垢すり師的な男性が白い手袋をして、男性をごしごししている。


え?体洗った後じゃないの?



ふと、水の濁りを思い出す。

そして垢すりが終わった男性は、
当然のように体を石鹸で洗い出したのである。



僕が何事も無かったかのように、
すばやくお風呂を出てシャワーを浴びたことは言うまでも無い。


男性の垢すりが終わった垢すり師は、
寝台の上を水で洗い流し、おもむろに背を向ける。

そしてそのまま、お風呂場の溝に向かいおしっこを始めるのであった。


・・・中国、それもあり?


プールに行った子供じゃあるまいし、そこまでするか!
と思いつつ、自分が彼らと同じフィールドに足を着けていることに気づく。

丹念に体を洗い流し、そそくさとサウナを去った。



ちなみに二つあったサウナは、
片方はゴミ箱になっており、もう一方は物置になっていたのは、
当然の結果なのかもしれない。



うーん中国恐るべし。

美しい文化遺産を持つこの国と、
この国民が同一人物とはやはりまだ信じられない。


さて、明日は中国最後の日。しばしお別れ!

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