![]() | ![]() | ![]() |
DATE:2008/07/11 China - Luoyang -
遠くから見ると巨大な砂場のイメージ。
河沿いに切り立った岩の山に蜂の巣のように無数の穴が開く。
その光景はなんだか、砂場遊びで作った小山に子供が穴を開けたようで。
でもそれが子供の遊びではないのはすぐにわかる。
表情まで読み取れる精巧な石の彫刻がその穴には眠っているのである。
洛陽の町からバスで1時間程度だろうか。
郊外にある龍門石窟を今日は訪れた。
例によって長いお土産やさんの列が入り口の前で歓迎してくれるw
なにせ入り口からは1キロほど歩かないとチケット売り場にたどり着かない。
その移動のための有料カートまであったりするから、
中国人の商いに対する貪欲さは尽きることはないw
見慣れたお土産やさんをすり抜けて、チケット売り場へ。
今回は80元(約1200円)。
良心的と思えてしまう、慣れというものは凄いもんだ。
チケット売り場を抜けると門がある。
そこを抜けると穴ぼこだらけの岩壁のご開帳!
その千を超える穴の中、ひとつひとつに仏像やら仁王やらが刻まれている。
もともとあった岩を削りながら彫刻を作る。
なんだかもの凄い作業だ。
万仏洞と呼ばれる石窟にはなんと、
一万五千を越える仏像が刻まれている。
もちろん仏像のサイズは10センチ程度のミニサイズ。
これが逆に凄い。
この小さな仏像を刻むのにはどれだけの技術が必要なのだろう。
一つ一つポーズや顔の形まで変わっているのだから、
想像もできない圧倒的な技術力。
そして年月がそこには刻まれているのだろう。
壁一面に刻まれた一万の大仏は、
その中央に置かれた5メートル以上はあろうかという大仏に圧倒的に勝っていた。
さらに壁沿いに進むとぽっかりと空いた空間が見えてくる。
何やら石の壁に何かでえぐられたような空間がある。
その空間の中央に向かって階段が続いている。
息を切らせながらそこを登り、ふと顔を上げてみる。
そこには巨大な石の大仏と4体の守護神が壁から生まれたように立っていた。
10メートル以上もあるだろう、大仏。
僕が驚いたのはその大きさだけではなく、
この大仏の表情が非常に美しいことだ。
女性的な表情。やわらかい、ふわりとした。
こんな表情の仏像を始めて見た気がする。
いつも仏像を見るときはまず顔の表情を見ることにしている。
特別な知識なんてないし、変な薀蓄よりも、
「いい顔してるか」が一番大事な気がするからだ。
この仏像は間違いなく今までのベストだと思う。
それほど圧倒的な美しさだった。
気づけばここは奉先寺という龍門石窟の最大の見所だったようだ。
なんだか離れ難く30分ほど仏像を見上げて過ごす。
なんだかハッピーな気持ちで後を去り、
残りの石窟を見て回る。
川の両岸に無数に掘られている石窟は両岸合わせて2キロほどになろうか。
見て回るにも結構、時間がかかるもの。
結局お昼も食べずに観光して午前中の10時から昼の2時ぐらいまで、
あっという間に4時間も経過してしまった。
お土産ストリートの一軒で昼食を食べ、
帰るついでにと三国志で有名な「関羽」の首を祭ってあるという道教寺を訪れる。
関羽は「忠臣」として有名な人物なのだが、
いまはなぜか「商売の神」として祭られている。
なぜかはまったくわからないが、
歴史上の人物が神としてあがめられているというのも凄い。
日本でも神道なんかは、歴代の王を神としてたりするし、
人物を神化するのは意外と一般的なのかもしれない。
それでも「関羽」と書かれた、
いかめしい顔をした像をありがたそうに拝むのはやっぱり変な感じ。
そもそも道教の神様というのは、仙人なのだが、
修行して不老不死になって神様=仙人になるって、
なんだかジャンプのマンガみたいな発想が宗教だというのが信じられない。
とは言え結局のところ「死」へとつながってるのはやはり宗教の特徴なのだろうなぁ。
実際、仙人がいるのならば今もまだいるはずなのだけれど。
おそらくこの度の北京オリンピックでは彼の活躍が期待されようw
さて今日は公安も来ない様子。ゆっくりおやすみ~♪
0 件のコメント:
コメントを投稿