2008年6月26日木曜日

世界一周 in (9)中国/ヒッチハイク。できるかな?







DATE:2008/06/26 China - Emei -


さぶっ!!!


そりゃ標高3000メートルともなれば寒くて当然なのだが、
舐めてかかった僕たちは見事撃沈。
峨眉山の山頂、金頂での観光もそそくさと切り上げ帰りのロープウェイに乗り込む。

僕はまだロングTシャツだったけれど、
一緒に行った友達はなんとTシャツ一枚。


霧がかった山頂からの風景は、
「中国!」的な山々のイメージ。
山々をヌラリとした霧が撫でるように流れていく。
白い絹をまとったその姿は神々の山のイメージにぴったりだ。

その美しさに見とれる。見とれてはいるが、震える。
歯はガタガタ、手はカジカジ。。。


山頂からの風景は風光明美ですばらしいのだが、
その周りに立てられた寺院は最近立てられたものらしく、
なんだかゴテゴテした金キラキンの建物。

無いほうが綺麗なんじゃないの?
という気もするが、中国人観光客はありがたそうに1メートルもあろう線香をあげていく。
まぁ、価値観の違いだろうなぁ。


ここ峨眉山は近くの楽山大仏と合わせて世界遺産に登録されている。

峨眉山の観光範囲は広く観光バスを乗り継いでまわることになる。
なので普通の人は8時ぐらいに出発し、ゆっくりと回るのだが、
僕らが山頂へのバスへ乗り込んだのは午後11時。

ちょうどバスが出発してしまった後に到着したのも痛かったが、
なんと銀行のATMが壊れて、友達のカードが取り込まれるという事件が発生。

ATMのトラブル!
日本でそんなもの起こしたらシステム会社は大混乱を起こすかもしれない。
システム会社で働いていた僕としては、
「ありえない!」はずのことなのだが、まぁここは中国なのである。
英語が使えない銀行員になんとか説明し、わかってもらう。
けっきょく、処理は明日にならないとできないらしかったが。

そういやカンボジアのATMもよく、
「Out of Service」ってなってたっけかなぁ。
国が変われば常識も変わるか。



まぁ、そんなわけでゆるゆると観光を開始。
山頂の金頂をめぐり、万年寺、清音寺とめぐる予定。

そういえば地震の影響からなのか、
入山チケットやロープウェイのチケットが少し安くなっていた。
こんなところにも目に見えない影響は広がっている。
とは言えバス代やロープウェイなど全てを合わせると、
300元(約5000円)ぐらいの中国観光標準プライスなのだけれど。



山頂の観光を逃げ出すように終えた僕たちは、
万年寺を目指すためバスに乗り込む。


カップラーメンと共に・・・。


いや意図して、ではないのだ。
出発まであと20分あるよ~、と言ったバスの運転手を信じ、
すでに3時と、とうに昼食時間を過ぎていたため遅いランチをと、
急いでカップラーメンを食べることに。

そして10分後にはバスは出発したのである。

嘘つき!



そして乗り込んだバスの運転手が悪かった。
山道を猛スピードで下る、峠攻め系走り屋ドライバーだったのである。

カップラーメンを持つ手は常にカーブで緊張を強いられる。
両手でバランスを取るのが精一杯だ。
最初はがんばって食べていたが、とても食べている場合じゃない。
食べるたびにお湯が顔にかかり惨劇が繰り返される。

まるで中国雑技段のごとく、
カップラーメンを両手で抱えバランスを取り続ける二人の日本人。
隣に座る中国人の顔は笑ってはいるが、
「おまえ、絶対こぼすなよ」と目が言っている。

そんなわけで、多数のバス酔い被害者と、
カップラーメンバランス取り大会を経てバスは万年寺に到着する。


万年寺へのロープウェイに乗り、
上からほのぼのとしたお茶畑を眺める。
山頂とは違いこちらは半そでで十分な暖かい場所だ。

白い像で有名な寺院を観光。
そして僕らには二つの選択肢が与えられる。


進むべきか。退くべきか。



既に時刻は17時半。
最終のバスは18時半である。

ここから進んで清音寺を訪れた場合、最後のバスに乗れない可能性もある。

でもこんなときバックパッカーの答えは単純だ。



「ヒッチハイクすれば良くね?」




うん、そーですね。ということでいざ清音寺。
途中、地元の人たちが荷物の運搬で使っているらしく、
かごを積んだ馬の集団に出くわしたり、
お祈りをしながら山を登るおばあちゃんたちに遭遇したり。

この万年寺から清音寺の道は、峨眉山は聖山なのだということを実感させてくれる。

日本で言うとお遍路みたいなものらしく、
一番下の報国寺から途中のお寺に泊まりながら
徒歩で登山をするというのが巡礼ルートのようだ。
各お寺には宿坊が設けられており、参拝者が休む姿がよく見られる。


山を下山しながら景色を楽しむ。

流れる川と共に山を下っていく。
その川は時には緩やかな流れとなり、時には激流へと変わる。
鏡のように映りこむ山の緑がなんとも美しい。

夕暮れ間近とは言うものの、
ほのぼのとした時間が流れている。

この景色を見られただけでも峨眉山に来て良かったと思う。
美を堪能し、寺をまわり、山を降りる。



そして当然のことながらバスはないのであった。



あ。やっぱし。。。

バスはないぜ!俺が町まで乗せてってやるぜ。
と、バイクタクシーのみなさまのお誘い。

へんっ!俺たちはバックパッカーだぜ?と、
彼らを振り切り、広い道までとことこ歩く。
そうヒッチハイクだ!

時刻はすでに7時をまわっているがまだ外は明るい。
とは言え日没まではあと1時間ほど。
日没までに帰れなければ、暗い山道が待っている。


広い道に出る。
とは言え山道には変わりない、車の数は少ない。というよりほぼ通らない。

まぁ、歩きながら捕まえようと山道を歩き出す。

後ろから車が来る気配がする。
振り返り、笑顔で手を振る。


通過。


そんなに簡単に行くはずはない。
またまた歩き出す。車が来る。


通過。


・・・。つかまらない。

10台ほどの車が通過した後に気づく。
中国ってヒッチハイク無理!?


あきらめずにとりあえず進んでみるが、
車が止まる気配はない。

どうやら選択を誤ったらしい。

とは言え、こうなってしまったら歩いて帰るしか道はない。
幸い距離は5キロほど。道も一本道。
1時間も歩けばたどり着く・・・筈である。

そこからは日没との戦い。
この山道。暗くなってしまったら何も見えなくなる。

薄暗くなり始めた山道を歩く。歩く。

そして無常にも日は沈んだのであった。

暗いよーーーーーーーーーー!
怖いよーーーーーーーーーー!



それから約30分後。
へとへとになりながら宿にたどり着く。


峨眉山は美しかった。
しかしなんだか疲れる一日だったなぁ。

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