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DATE:2008/05/28 Cambodia - Siem Reap -
今日の目的地は地雷博物館、アンコール周辺遺跡、そして一ノ瀬泰三のお墓。
一之瀬泰三は「地雷を踏んだらサヨウナラ」の映画で有名な、
日本人戦争写真家。そして彼はクメール・ルージュにこの地で処刑されたのである。
今日は少し趣向を変えて、戦争というものに触れる旅をしようと思った。
まずは地雷博物館。とネットで調べた情報を頼りにアンコールワット周辺を動き回る。
曲がり角には看板があるという情報だったがどこにも見つからない。
自力は諦めてカンボジアの現地の人に「タイゾー?ランドマイン・ミュージアム?」
と聞いてまわる。
親切な地元の人々はあっちだこっちだと道順を教えてくれる。
とても親切な人たちだ。
それがみんな別々の場所を指していなければ・・・。
最初それを信頼して進んでみるも、
行けども行けども畑ばかり。
これはおかしいと思い、ほかの人に聞いてみる。
するとまったく逆の方向だと教えられる。
そしてその途中で確認のために別の人に聞くと、
ここから30キロも先の場所だと教えられる。
いったいどこ?地雷博物館・・・。
1時間ほど探したが結局よくわからなかったので、
今日の訪問はあきらめ明日以降へと先送りする。
ここ最近忘れていたがここは東南アジア。
人に道を聞くこと自体が大きな間違いだったのかもしれないw
気を取り直して、次は一之瀬泰三のお墓へと向かう。
舗装されていない砂利道をずんずんと進む。
すると「泰三のお墓」と書かれた看板が見えてくる。
場所は村になり、それを抜けて何も無い野原になる。
その先を進んで行くと、崩れ落ちそうな橋を渡った先に、
一之瀬泰三のお墓はぽつんと存在していた。
ほんとうに何もないそれだけが存在している場所。
こんなところで彼は殺されたのだ。
その時、何を彼は考えていたのだろう。
ここまでの道のりで何を思っていたのだろう。
若干26歳でこの世を去った彼は果敢にも、
カンボジアの人口の3分の1とも言える200万人を虐殺した、
クメール・ルージュが潜むアンコール遺跡群を撮影し、
そして命を奪われた。
命をかけてやり遂げるものなど何も持っていない僕にはその使命感はわからない。
彼はこの地で最後を遂げるときに笑っていたのだろうか。それとも悔しかったのだろうか。
とは言え感傷に浸っているその脇で一人の子供が
「1ドルくれ。賽銭だ」とわめき続けていたので、
なかなか一人の世界へ没頭するというわけにはいかなかったがw
彼らは見世物と慰霊との区別もついていない。
頭の中にはお金しかないのだろう。
彼らはどこにでも存在し観光の気分を台無しにしてしまう。
僕らが何のためにそこにいるのかを理解していない。
貧しさとは心遣いさえも奪ってしまうものなのか。
いままで普通に暮らしていた人々が、
一部の観光客に物乞いをしてみたら「1ドルもの大金」を貰うことができた。
月収50ドル未満の彼らにとって1ドルは1万円近くの価値がある。
それを理解していない僕らは「たった1ドル」として施しを与える。
そしてそこから彼らは働くことを辞め、日々物乞いに勤しむこととなる。
そこから何が生まれるんだ?
そしてそれを引き起こしたのは僕たちだ。
しかしながら彼らの笑顔や、言語能力はすばらしい。
丸暗記の英語ではなく会話として普通に英語を話す子供たちは、
やはり賢いのであろうし、仕事をしていないときに
遊んでいるその姿はやはり子供のままなのである。
それはこの国の財産でもあるし、その宝が放置されている姿でもあると思った。
帰り道、時間があったのでもう一度好きな遺跡をめぐってみる。
タ・プロム、アンコール・ワット。
やはり何度見てもその姿は格別だと思った。
そこでそのまま沈む夕日を見る。それもまた美しい。
全てにおいて完璧な世界だ。
カンボジアは本当に美と醜がごちゃまぜになった世界だ。
そこに暮らす人々は美しくもあり醜くもある。
何がそうさせるかわからないが、
いつもより一歩引いて現地の人と接している自分がいる。
もしかしたら彼らの未知数の能力が怖いのかもしれない。
まだ一歩踏み出せずにいる自分に少しイライラしている。
コメント
返信削除NAO2008年06月02日 12:54
地雷博物館、その後たどり着けたかな?
知ってるかもしれないけど、「地雷博物館」て二つあるんだよ。
一つは、アキ・ラ氏が自力で立ち上げた元祖「地雷博物館」
二つ目は、それに人が集まるのをみておカミが作った「地雷博物館」。
アキ・ラ氏の話は本当にスゴイ。
怖いけど耳をふさげない・・・そんな話が聞けます。
すごい心に残るし、いろんなことを考えさせられるよ。
行くなら是非、アキ・ラ氏のもとへ!
二つ目は、私は行ってないので比較はしてないけれど。
それにしてもいいなぁ、カンボジア。
私もまたどっぷり浸かりに行きたい~~~
ではでは、長々と失礼しました
鉄平2008年06月04日 22:19
>NAO
それがねぇ。移動しちゃってて見れなかったのだよー。
なんかカナダのNGOと合体したとかなんとか。
前に話を聞いて、ぜひ行ってみたかったんだけどねぇ。
また次にアンコールワット来たらリベンジする!