2008年5月27日火曜日

世界一周 in (7)カンボジア/アンコール・ワット







DATE:2008/05/27 Cambodia - Siem Reap -


アンコール・ワット。

最大の仏教遺跡であり、
1000年近く前に立てられたそれは元はヒンドゥー寺院でもあった。
その付近に点在する、アンコール・トムなどを含めて世界遺産に登録されている。

カンボジアといえばアンコール・ワット。
東南アジアの旅での最大の目的地に今日、やっと訪れることができた。

繊細な細工、そしてその美しさ。
特に第一回廊と呼ばれる最下部の回廊に施された壁のレリーフの美しさは
ほかでは絶対に見ることのできないものだろう。
天国と地獄を描いたものや、撹拌と呼ばれる絵など、
四辺合わせて1kmはあろうと思う回廊全てにその装飾が施されている。

アンコール遺跡群のほぼ全てを1日で回ったが、
個人的にはやはりこのアンコール・ワットが最も美しいと感じた。
完璧なシンメトリーに施された様々な彫刻はやはり類が無く、
朝日を浴びる姿やライトアップされた姿はやはり美しかった。

言葉では表すことのできない世界がそこにはあった。



始まりは早朝から。
日の出を見るために、5時前には宿を出てひたすら自転車をこぐ。
アンコール遺跡群の観光はけっこう距離があるため、
歩きでは難しい。そのため、普通はトゥクトゥクなどをチャーターするのだが、
時間などを気にせずゆっくり好きなところを回りたかったため自転車をチョイス。
本当はバイクをレンタルしたかったのだが、見つからなかったのでしかたない。

アンコールワットへの道は一本道である。
まずは遺跡に行く前にチケットを購入。
チケットブースで3日券を購入する。
ちなみに3日券以上は写真を取られて顔を券に印刷される。
3日で40ドル。この国の物価からすると以上に高いが、
これもまたアンコール遺跡群の修復に使われると思うと納得できる。

チケットを購入し、さらに道をまっすぐに進むと池のお堀が見えてくる。
そこはもうアンコール・ワットの領域。期待感に胸が膨らむ。

道を左折しさらに進むと見えてくる、5本の尖塔。
アンコール・ワットである。
朝日を待ち、白ずんだ空をバックにたたずむその姿に、
感動しうれしさがこみ上げてくる。やっとここまでたどり着いた、という感じ。

入り口までたどり着き、朝日を見るために中へと入る。
最近修復が終わった表参道を進み、門をくぐる。
そして、その遺跡に刻まれた文様の細かさに驚く。
これが1000年前に作られたとは到底信じられないような美しさ。そして精細さ。

門を抜け、本堂へと向かう。
境内には朝日を待つ人々で溢れている。
ビューポイントを探し、適当な場所で日の出を待つ。
その間も刻々と色が変わる空をバックにアンコール・ワットの壮大さを楽しむ。


そして朝日。
切り立った尖塔の横から光が漏れ始める。
それは美しいとしか言いようの無い光景。
旅を始めてよかったと心から思った。


その後はアンコール・ワット内を回り壁のレリーフや装飾を楽しむ。
今は残念ながら頂上である第三回廊は修復のために上れなかったのだが、
それでもいつの間にか3時間の時間がたっていた。

その後はアンコール・トムやタ・プロムなどの周辺遺跡を楽しむ。
途中、一人でまわっている日本人と知り合い、
その人のガイドに説明を受けたりして、いろいろ質問。
一人でまわるだけでは知ることができないことを教えてくれた。

約10ほどの遺跡を回っただろうか。最後は結構体力勝負になっていたけれど、
それぞれに美しく、また歴史を感じさせてくれるものだった。



いやはやしかしこの遺跡群が1000年も前に作られていたことに驚く。
逆に1000年の時間での僕たちの進歩はこの程度だったのかと思うほど。

完璧な姿で存在していた1000年前を思い、うらやましくも思う。

そしてこの場所が様々な争いの舞台であったことも思い出す。
ほんの数十年前までこの場所は内戦の中心地であり、
クメール・ルージュの軍事基地だった歴史もあるのだ。
その証拠にいくつかの寺院には銃痕がしっかりと刻まれている。

きっと内戦後の姿は今の美しい姿とは異なり、
痛々しい傷跡を残していたのだろう。
それをこの数十年で修復してきた努力に驚き感謝する。

アンコール遺跡群では今もいつもどこかで修復作業が続けられている。
そのコストは何億にものぼりそれは各国の援助でまかなわれる。
技術支援としても日本を始め沢山の国々が名乗りを上げ修復にあたっている。


それでもまだ遺跡の周辺には、遺跡の一部であっただろう石が
瓦礫のように打ち捨てられている。

それを見るとなんだか終わりのないパズルを組み立てているような気分にさせられる。
そしてそのパズルは争いや自然の力でいとも簡単に振り出しに戻されてしまう。
まるで犀の川の石積みのように。

失ったものを取り戻すのはそれほどまでに、大変な労力を伴うものなのだろう。
それが美しく完璧であればあるほど、元の姿を蘇らせるのは困難になる。


アンコール・ワット。
ただ美しいだけでなく、その歴史の重みを感じさせてくれる、
想像以上の遺跡群だった。



世界遺産13個目。ようやくアンコール・ワット!
そして明日もまたこの遺跡が見られる。それがやはりうれしいのだ。

1 件のコメント:

  1. コメント
    NICO2008年05月31日 14:58
    アンコール・ワット・・・
     すごい
    こんな繊細なラインのものを見たら、切り絵にしたくなってしまう
    鉄平2008年06月04日 22:24
    >NICO
    コメントおくれたーー!

    さすが切り絵師w
    もう就職やめて「寄席」に入ったらw

    でもアンコールワットを作れたらすごい!
    ぜひ、チャレンジしてくれえ!

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