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DATE:2008/05/26 Cambodia - Siem Reap -
朝7時。クラチェからシェムリアップへ向けてのバスが出発する。
シェムリアップは言わずと知れたアンコール・ワットの観光の起点になる町。
カンボジア最大の目的であり、唯一の目的でもあるw
約9時間をかけてバスはシェムリアップに到着。
途中バスステーションで休憩中、売られている沢山の虫に異国を感じる。
もちろんまだ食べてはいない。1つぐらいはいつか・・・。
到着したシェムリアップ。
バスを降りると20人を超える客引きが詰め寄ってくる。
まさに詰め寄るとの表現が正しく、暴動でも起きたように
「俺がゲストハウスへ案内してやる!」
との言葉を繰り返す。それも20人が同時に。
いや、実際これは結構な恐怖感。
まだカンボジアという国がどういう国かもわからなかったし、
この客引き達を信頼していいのかもわからない。
そもそも彼らはトゥクトゥクのドライバーらしく、
フリーでゲストハウスに連れて行ってやると言う。
これは怪しい以外のなにものでもない。必ず利益のために人は働く。
とは言え一泊5ドル弱のゲストハウスからコミッションを受けたとしても
1ドルか2ドルが精々だろう。
そのお金のために、このドライバーたちがここまで必死に迫ってくるとも思えない。
何か裏があるんだろうがそれがわからない。
迷った挙句、客引きたちを振り切り歩いて町へ向かうことに。
町までの道をとぼとぼと歩いて行く。
そこに先ほどの客引きの1人が追いかけてくる。
彼は最初に話しかけてきたドライバーで、けっこう綺麗な日本語を話す。
日本語を話す外国人は信頼できない。とのセオリーから、逆に警戒心は強くなったが。
追いかけてきてなおも、乗せてってやると繰り返す彼。
何でそんなに熱心かを聞いてみると、理由がやっとわかる。
「タダで連れてくから、明日以降のアンコール・ワット見学のドライバーとして雇ってくれ」
なるほど。と思った。
そして少しこの国の人たちを恐ろしいと思った。
ドライバーとして1日雇えば少なくとも10ドルのお金を手に入れることができる。
さらにバックパッカーならば長期の滞在が多く、
3~5日などの専属雇用も期待できるだろう。
そうなると彼は合計で50ドル程度の売り上げを上げることになる。
ガソリンなどの原価を差し引いても利益は30ドルは下らないだろう。
1ヶ月の給料が50ドル程度の彼らにとってそれは大金なのである。
それで客引きの熱心さも理解することができた。
1人の客との専属交渉権。それはビッグビジネスへの一歩なのである。
ゲストハウスへの送迎などは単なる餌。コミッションもメインビジネスではないのだろう。
これが何を意味しているのかというと、
「彼らがビジネスを知っている」という事である。
つまり「どこでお金を取るか」という事をある程度長期的なプランで考えているのである。
これは結構、旅行者にとっては恐ろしいことでもある。
1つ1つの決断を長期に渡っての利益を踏まえて考えなくてはならない。
単に安いだけの理由で選択をすると、かえって損になることもあるのである。
損だけならまだしも、危険なことにも巻き込まれかねない。
そう言えばクラチェの宿のオーナーもそう言った意味ではクレバーだった。
客を宿泊させツアーに参加させ、さらに移動のバスの予約をさせる。
夕食や朝食を宿のレストランで食べさせる。
最初5ドルだった宿泊費という売り上げが、
いつの間にか何倍にも膨らんでいる。
顧客単価を上げることはマーケティングの基本だが、
それをきっちり踏まえてのビジネスなのである。
ここでは安い宿泊費が撒き餌になる。
そしてもう一つの特徴として、
この国の観光客相手をしている人間の言語能力のレベルは相当高いのである。
英語は当たり前、日本語やドイツ語など2カ国以上をマスターしている人間がごろごろいる。
そしてその発音や文法も正確である。
しかもたった6ヶ月ほどで日常会話を習得したという人間も多い。
ここ、カンボジアの人々はクレバーな国民らしい。
それが意外でもあり、うれしくもあり、怖くもあった。
今まで東南アジアの国々を歩いてきて、
こういったビジネス感覚を持っている国民はいなかった。
そういう意味では思ってもいなかった興味深さを感じた。
結局、彼の紹介するゲストハウスの条件が良かったので、
専属ドライバーの約束はできない、との条件付で送ってもらいそこに泊まることにする。
油断のできない国、カンボジア。
なんとなくそんなイメージが付いてしまった。
しかしながら、裏を知ってしまえばおいしい部分だけを得ることも可能なのである。
もちろん人間性が疑われない程度にw
さてさて、
明日からはアンコール・ワット見学。
東南アジアでは最大の目的の1つ。楽しみ!
コメント
返信削除Naokon2008年06月04日 14:39
そこに行って、カンボジア人の語学力の高さには私もすごく感心した。
しかも、日本語だけでなく、、、客の国籍によって、韓国語や中国語、英語と使い分けてた。
母親が、ちゃんと学校に行ったらすごい人になりそうだね。って。。。
あれだけの言語能力を習得するのに、どれくらいかかったんだろう?
本当感心感心。
鉄平2008年06月04日 22:10
>Naokon
おかえり~♪
僕らと同じ程度というか中学英語を話せる人は6ヶ月だって言ってた。
まぁ、もともとの言語との相性が良いとは言え、すごいよね。
学校と政治。この辺がうまくけばすごい国になると思うなぁ。
行ってみてわかることってあるよね、やっぱ。