![]() | ![]() | ![]() |
DATE:2008/05/03 Thailand - Chang Mai -
朝起きるも土砂降りの雨が降りしきる。
シャワーを浴び、朝食を平らげ雨が弱まるのをひたすら待つ。
なにせ今日の予定はチェンマイ温泉めぐり。
チェンマイから車で1時間ほどということもあり、
バイクでのツーリングもかねて温泉でまったりという企画だった。
しかしながら生憎の雨。
辺鄙なところにあるためか、はたまた人気がないのか、
温泉までの公共の交通機関はなく選択肢としてはタクシーのチャーターぐらいしか残されていない。
朝食後に雨は小降りになるものも、若干気持ちが萎えている。
しかしながら姫の
「わたしは行きたい!」
の一言で強攻策に出ることが決定。
小雨ではあるものの雨の中のバイク。
危険だということもあるが、雨の中でバイクに乗るとなんだか負け犬の気持ちになるのである。
出発直前に雨が一時的に止み、勢いで濡れたシートにまたがり出発。
まずは防御力を高めるために「レインコート」を手に入れることから。
ホテルのスタッフに言われたセブンイレブンを何件か探すも、中々見つからない。
そのうちにまた雨が少しずつ降り出してテンションもそれと共に徐々に下降曲線をたどる。
セブンイレブンを諦め、商店のようなものを探すもののこれが中々見つからない。
塗装屋さんだったり、バイク屋さんだったり、挙句の果てには食べ物屋だったりと、
アタックをかける店すべてで玉砕。
レインコートを捜し求めて道を左へ右へ横断する姿はなんだか奇妙な亡霊のようだったろう。
数件目でやっと目的のレインコートをゲットし、
レインコートで覆われたお互いの不恰好を笑い合いテンションも回復。
雨の中、ゆったりと温泉に向けて突き進む。
道は比較的整備されたアスファルト道なので、雨の中とは言えど苦労することはない。
雨も上がりはじめ、ドライブは快適に進んでいく。
しかし。油断大敵。
ガソリンがない・・・。
気づいたのは残り1メモリを切ってから。
いや、もともと気遣ってはいたのだが
昨日のメーターの減りと走行距離からガソリンの残量を予測し高をくくっていた。
ところが予想外にメモリの傾く速度が早く一気に残量はあと少しのところまで迫っていた。
しかも運悪く田んぼ道の真ん中、民家も人通りも何もないところである。
進むか、戻るか。
進んでいって見つかる可能性は低くはない。
なにせ何もない道とは言え、いちおう大きな通り。トラックなどもたまに通り過ぎていく。
さらにいままで走ってきてガソリンスタンドがなかったと言うことは、
この先にあることの可能性のほうが高い。
こういう精神状態になると、道すらも正しかったか不安になるものだ。
なにせこの道に入る曲がり道に「HOT SPRING」の文字を見た以降、
10km以上もなんの看板もないのだ。
迷う。
このままタイの農村の真ん中で雨の中、ガソリン切れになる光景。
想像したくはないが、なんとなく僕には起こりそうな気がしてならない。
旅というものは笑いの神なのか、不幸の神なのかなんだかわからないものが付きまとうものである。
いままでだってそうだったし、これからだってそうに違いない。
僕はいつだって神に愛されている。望む望まないに関わらず。
しかも今は一人ならばいざ知らず、大事な姫を抱える身。
迷った挙句、5分間のみこのまま進んでみることにする。
だめだった場合戻れるか戻れないかギリギリのラインだが、可能性は高いように思えた。
迷いの中、まっすぐな道を進む。
既に雨は止んでいたのが救いだが、それでも減っていくメーターを気にせざるを得ない。
心のタイムウォッチが1分。また1分と時を刻む。
まだ見えない。ただ目の前にはまっすぐな道しかない。
目の前を通り過ぎる景色だけは変わらず、ただ左右に田園風景が通り過ぎるのみ。
途中、物売りのおばちゃんに道を尋ねるも英語がわからず断念。さらに前進を続ける。
と、そこに見えてきたT字路。そして、
「HOT SPRING」の文字!
しかし、、、無残にも
「残り20km」
の文字も並ぶ・・・。
道わかっても、ガソリン持たねぇ~~。。。
道半ばにして息絶えるか。と思った矢先、
なんとT字路の横にガソリンスタンドも見えるではないか!
天は我らを見放さなかった。
メーターが0になりつつある原チャリを急いでガソリンスタンドに突っ込む。
最初、店員が陰に隠れておしゃべりしていてぬか喜びかと思わされたことも、
1リットルねとメーターを指してジェスチャーで伝えたものの満タンで入れられたことも、
全部許す。ともかく道は繋がった。
ガソリン満タン♪テンション満タン♪
あとはもう、看板にしたがって突き進むばかり。
チェンマイの温泉には、公共の機関が運営している施設と、市営の機関が運営して
いる施設がある。
帰りの時間が迫っていたため、あまり時間がなかったのだがどうせならと両方入ることに。
まずは公共の温泉。と久々のバスタブに胸を躍らせる。
そこで現れた「たまご」。どうやら自分たちで温泉卵にしろということらしい。
異国の地で温泉卵。。。この魅力に勝てるわけはあるまい。
珍しかったので普通の卵ではなくウズラの卵をチョイス。
卵片手に温泉地を突き進む。
この施設は単なる温泉と言うよりも温泉リゾートのようになっていて、
入場料のみで足湯などを楽しめる温泉の川があったり、なぜかタマゴの像と記念撮影ができたりする。
そんな中を突き進み沸き立つ温泉タマゴスポットへと向かう。
源泉の温度はなんと103度。
まわりには触るな危険の文字が乱立しているw
そんなぐつぐつとした熱湯の中に、タマゴを投入。しばし待つ。
ちなみに温泉タマゴ製造スポットには親切にもタマゴの湯で加減の分数目安表が置いてある。
しかしウズラの卵にはなんの役にもたたず、勘のみで湯で加減を調整。
ジャスト3分と見た僕らは、煮え立つ温泉の中から卵を取り出す。
さすが熱湯から出したばかりだけあって、熱い。熱い。
卵の皮を剥こうとするものの、熱さと、ウズラの小ささが相まって大変剥きづらい。
伊藤家的には冷たい水に着けたいところだが、タイなのでそんな気の利かせ方はしてくれない。
小さい卵を必死で剥ききり、卵とセットになっていた醤油をちょっと付けて試食。
うまい!
夢中で二人で食べ切り、十数個あった卵もあっと言う間に完食。
その間、二人の間にはまったく会話がなかった。
食べ盛りの二人である。「おかわり」の文字が頭に浮かぶも、時間がないので断念。
当初の目的の温泉に入ることに。
温泉卵に時間を使いすぎたので、ここではたった30分のみの入浴。
しかしながら僕にとっては3ヶ月ぶりの入浴なのである。
日本にいても、まぁシャワーしか浴びてない日が多いのは確かだが
あるのに入らないのと、ないから入れないのではまったく気持ちが変わってくる。
人間、ない物ねだりの生き物なのである。失ったときに大切なものに気づくのである。
というわけで個室の温泉を選び、しっかりと温泉を堪能。
少しぬめりのある透明な温泉でしっかりと、温泉らしい温泉。
しかもバスタブも木で作られていて、しかも広い。
先ほどの温泉卵の湯と同じなのだろう、
温泉水自体は激熱なので水で薄める必要があるのがちょっと残念だが
イメージしたとおりの温泉で大満足。
次の温泉も整備された綺麗な温泉でこちらも堪能。
なぜか両方ともに温泉の噴水があった。よくわからんがこれが好きらしいタイ人は。
すっかり雨も止み。心身リラックス。大満足で帰宅する。
夜は先日のナイトマーケットではなく、
地元民が集うサタデーマーケットに偶然遭遇したので、お土産を物色。
中々、イイ感じのものが多く雑貨好きにはたまらない場所かもしれない。
また、地元民向けのため変に値段を吹っかけてくる人もおらず、
ディスカウントをする必要もないのがうれしい。
途中で大雨に降られたりして、地元民・旅人みんなで軒下で雨宿り。こういうのも楽しい経験。
ご飯を屋台で食べて、さらにナイトマーケットへと足を伸ばす。
ナイトマーケットでのお勧めは道の中央辺りにある、
なぜかそこだけデザイナー物っぽいものが沢山ある場所。
他のお土産然としたものとは別格の、
かわいい小物や照明がオーナーと思われる売り子が座る小さな店舗にずらりと飾られている。
日本で売っても絶対売れるデザインの小物が日本の3分の1程度の値段で手に入るし、
実際に作っている人の顔が見えるのも面白い。
その向かいにあるお土産百貨店のような大きな建物の地下にある、絵描き達も面白い。
テーマとなる写真を片手に絵の模写をしている人が多いのだが、
単に上手いだけでなく、書き手によって同じ写真でもタッチがかなり異なっていて、
絵の深さを感じさせてくれる。
実際に絵を書く姿も見えるので、それを見ているだけでもうれしい。
残念ながらちょっと高いのとかさばるのとで、お土産としてはイマイチかもしれないけど・・。
お土産探しを終え、岐路に着く。
途中、街頭に立つ何人ものレディーボーイとすれ違い、タイの夜を実感する。
チェンマイ最後の夜。
温泉で体も満足。屋台でおなかも満足。お買い物で心も満足。
若干の名残惜しさと共に、明日はバンコクへ戻ります。
また来よう、チェンマイ。
文化、歴史、現在が適度にミックスされてて素敵な町でした。
またね~♪
0 件のコメント:
コメントを投稿