DATE:2009/05/07 Chile - Easter Island -
シャッ!シャッ!と音を立て僕のデッキブラシが足元の赤レンガを撫でる。
赤レンガの上に撒かれた砂がレンガの隙間を埋め徐々にしっかりと安定を増していく。
イースター島3日目。暑い日の遅い朝。
僕はこの島で家を作っていた。
僕がテント暮らしをしている庭なのだが、
実はその横に家を建てている最中で
毎日、大工さん達が汗を流して着々と工事をしている。
昨日までは黙って見ていたが、
なんだかそれに参加したくなり、今日は一切の予定を無しにして家を作っているという訳だ。
工事といっても殆どもう仕上げに近い状態で、あと1週間もすれば完成するそうだ。
もちろん僕ができる仕事だって少ないので、今日は完成したベランダの仕上げを手伝っている。
せっかくの陽気だというのにもったいない気もするが、
これはこれで中々出来ないことでもある。
それにほら、僕が作った家がイースター島にあるなんて少しうれしいじゃないか。
そんな訳で朝からせっせとベランダの赤レンガを慣らす仕事に勤しんでいる。
やっぱりこういうことをしていると、
自分がモノを作るのが大好きだということがわかる。
仕事を離れて1年以上、そろそろ頭の中が疼き始めていた。
もう3ヶ月もすればこの旅は終わり、
また何か新しい何かを始めなくてはならない。
例えばまたどこかの会社で働くかもしれないし、
どこかの島で自給自足の生活にチャレンジするかもしれない。
もしかしたら会社を作ってみたくなるかもしれないし、
ないとは思うが旅が終わらないってことだって、まぁありえるのだ。
その全ての選択肢が今の自分にとって苦痛でないことがうれしくある。
旅は遊びのひとつだった。そして仕事も同じことだ。
お昼過ぎまで彼らの仕事を手伝い後はただただぼーっと一日を過ごした。
こういう休日もなんだか久しぶりのような気もする。
島での休日は都会のそれとは違い格別に贅沢だ。
偶然というか奇跡はこういう時にこそ現われる。
夕方、今日もまた夕日を見ようとモアイのある広場まで歩いて出かけた時のことだ。
モアイの後方に沈む夕日をのんびりと眺めていると何か視線を感じるのだ。
何かと思い見回すと一人の日本人らしき男が僕を見ていることがわかった。
「どこかでお会いしましたよね?」
この懐かしいフレーズに姿をきちんと確認する前にピンと来た!
彼と会うのは中国以来、久々の再会に思わず飛び蹴りを食らわせた。
偶然も2度となると中々凄いものがある。
しかも世界一周をしている時になんて、なんだか神がかりだ。
彼の名前は吉野亮。
彼と最初に出会ったのはマレーシアのランカウイで、
次に出会ったのは中国のシャングリラだった。
ついでにシャングリラで出会った彼の友達ともマルセイユで再会したし、
なんだかこの御縁は良くわからないが面白い。
そう言えば彼と会う場所は全てお気に入りの場所でもある。
ここイースター島の雰囲気も大好きになっているし、
そういう点でもなんだか不思議な再会だった。
久々の再会に盛り上がり、
彼と一緒にいた別の日本人と3人で魚釣りに出かけることになる。
イースター島で魚釣り。なんだか楽しそうな響きだ。
夜中の船着場に糸を垂らし夜釣りを開始する。
そういえば釣りなんて何年ぶりなんだろう、と思った矢先、
キター!!!!!
糸を入れて10秒もせず吊り上げたのは15センチほどもある金目鯛。
さすがビギナーズラックだけには恵まれた人生。
その運の良さで2人を驚かせ、さて次の挑戦!
キター!!!!!
これまた10秒もせずに吊り上げる。
なんだこの運は。と思うも・・・ちっちゃい。
吊り上げた糸の先には5センチにも満たない小魚がぶら下がっている。
なに、そういう事もある。そう思い気を取り直して再度挑戦!
キター!!!!!
これまた10秒もしないうちに・・・また小さな小魚が。
しかもさっきのよりもさらに小さい3センチ弱。。
まさか。。このままだんだん小さくなってくんじゃねーだろうな。
と、その予感はまんまと的中し、
それ以降1時間近く何も釣れることなく釣りは終わったのであった。
ビギナーズラック万歳!
久々の再会もあっという間に過ぎてしまい、
明日、イースター島を発つという彼らと1匹の魚を残してさよならをした。
またきっとどこかで。それが本当に起きそうだから、彼との出会いは面白い。
一匹の魚をぶら下げて月夜を歩く帰り道。
一艘のボートが音を立てて港へと入ってきた。
何をしてきたのだろうと近寄るとそこにはカゴいっぱいの魚たち!
すげー!!さすが島のメインディッシュ!
先ほど吊り上げた金目鯛とは比べ物にならないほどの大きな魚たちが、
大きなカゴに3つほどこんもりと盛られている。
すげーじゃん!とラパヌイの男どもを褒め称えると、
オラ持ってけ!と僕のビニール袋にどしどしと魚を詰め込んでくれた。
小さな魚一匹の重さが一気に1キロは超える大漁へと変わった。
ムーチョグラシアス!とお礼をいい彼らに別れを告げ、
わくわくしながら家路を急ぐ。
頭の中は既に「刺し身」「焼き魚」でいっぱいだ。
やっぱラパヌイ良いよー。最高だ!
と、モノに釣られてすっかりラパヌイ・ラバーの一員だ。
宿に戻りさっそく魚をさばき下ごしらえをしてから、
1匹を焼き魚、3匹を刺し身へと調理する。もう1匹は明日の朝食用、なんて贅沢な。
ご飯が炊けるのを待ちきれず、秘蔵のキッコーマン特選醤油で刺し身をひと口。
うめーーーーーーーーーー!!!!!!!
やっぱいいぞ!イースター島!!!!
すごい縁だね。
返信削除この広い世界の、しかも日本ではないどこかで、会えるなんて。
素晴らしいわ。
あと、うにと魚が美味しそうで、私も久しぶりに海釣りに行きたくなってきました(笑)。