2009年5月8日金曜日

世界一周(40)チリ/海岸へ















DATE:2009/05/08 Chile - Easter Island -


自転車を借りて今日は東側へ。
なんて事を考えていたが、昨日ののんびりムードが抜けないのか
なんだか気分が乗らず、ともかく暇つぶしに東側の海岸まで歩いてみることにした。


町を歩いているとなにやらお祭りのようなものが行われている。
ラパヌイのミュージシャンがギターを鳴らしアコーディオンが響いている。

その中で町の人が何をしているかと言えば、
お祭りで振舞われた食事を分けてもらうために各自持参のお皿を片手に行列を作っている。
そう言えば昨日の夜、同じ場所で焚き火のように日が焚かれているのを見た。
きっとそれを使って今日の料理を作ったのであろう、同じ場所には、
うずたかく詰まれたバナナの葉が山のように積まれていた。

結局何の祭りかはわからないが知り合いのラパヌイに
「お前も食べてけよ」と言われたが50人はいるだろうその行列に並ぶ気にはならず、
肉やジャガイモのごった煮のような料理はおいしそうだったが、
あきらめて海岸への道を進むことにした。


初日に迷いまくったおかげか町の道はすっかり頭に入っており、
迷うことなく真っ直ぐと海へと向かう。

途中、地図を見ながらどうせならばと予定を追加して海岸にあるモアイを見に行くことにした。


1時間も歩けば島の逆側へたどり着き水平線が向こうに見えた。

はじめて見る逆側の海岸は荒々しさに富んでいた。
まるで日本海を思い出させる波しぶきが島をえぐる様に打ち寄せている。

ただしその海の色は青く青く炎のように揺らめいている。
波が白く海を濁らせるたびに現われるその青い炎は、白い波しぶきの中で海の美しさを示していた。
思い出したのはカラファテで見た氷河の青で、
水が生み出すその不思議な炎の色にまた出会えたことがうれしくなった。


東海岸沿いにあるモアイの中で最も南にあるのがアフ・ヴィナプで、
ここもまた先日見たモアイと同様に倒されたままの姿で横たわっている。

午後早くだったからか先日ほどの哀愁は感じない。
黄色い花が咲くこの辺りの海岸沿いの景色がそうさせないのかもしれないが、
もしかしたらモアイにも飽きてきているのかもしれない。

何せこう毎日モアイを見続けているのだ。
贅沢というなかれ、どんな特別も日常になってしまえば有り難味も無くなるのが常である。

ここのモアイにはプカオと呼ばれる帽子のようなものが乗せられていたらしく、
それもまたモアイと同様に草むらに転がっている。

アフの前にはポツリと明らかに普通のモアイと異なる素材で作られた柱の様なものがある。
この時はわからなかったが、後で聞いたところによるとこれは女性のモアイのようで、
確かに後から写真で確認してみれば胸のような膨らみがあることがわかる。
が、それも言われてみればという感じで本当にそうなのかは疑わしい気もするものだった。


しばらくその場所が心地よく風に吹かれながらぼんやりと海を眺めていた。

観光客も中々来ない所らしく1時間近くいた間、
そこには誰も訪れる事はなく贅沢にもモアイの独り占めとなったのであった。



宿に戻り今日宿にやってきた日本人のフミさんと二人で、
「世界不思議発見モアイ編」があると言う日本食レストランへ出かけるも、
残念ながらテープ自体が壊れてしまったらしく見ることができなかったが、
海鮮丼があまりにも美味しかったので良しとしよう。



今日もまた夕日が沈み、星空が瞬く。

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