DATE:2009/02/24 Brazil - Rio de Janeiro -
まだまだお祭りは続いているが今日はイパネマ海岸でのんびり、と決めた。
昨日ゆっくり休んだおかげで体調は万全、
フルチャージで南米屈指のビーチへと望む。
街に出ればまだお祭りモードは続いてはいるが、
一応は今日で全てのイベントが終了し明日からは通常の街へと姿を変えるはずだ。
しかし、この街にあふれるムードはいまだ火照りを冷ましていない。
既に冷め始めた僕のお祭り魂が
昨日行われたはずのサンボドロモのカーニバル二日目を
せめてテレビで見ればよかったと、ほんの少しだけ悔しがっている。
ま、それはそれとして。
今日はビーチでのんびりだ。
イパネマ海岸へと向かうバスへと二人で勢い良く乗り込んだ。
イパネマ海岸は知らなくても、
ボサノバの名曲「イパネマの娘」は知っている人は多いと思う。
そしてそのイパネマとはこの場所のことであり、
つまりイパネマの娘とはビーチで遊ぶピチピチギャルのことである(と思う)
この曲を作ったアントニオ・カルロス・ジョビンが何を考えていたのかは知らないが、
イパネマ海岸はコパカバーナに比べて少し高級な雰囲気が漂っていて、
街に並ぶお店もまたお洒落なお店が多い。
つい久しぶりのイケテルお店に興奮しウィンドーショッピングが長くなる。
ビーチそっちのけで街歩きを楽しみ、
やっとの事で今日の目的を思い出し、ワインとおつまみを買ってビーチへ出かけた。
ちょっとビーチに行く前にトイレへ。と、近くのハンバーガ屋でトイレを借りた。
二人とも用を終えて、さてビーチへと向かった時のことだ。
「あれ?カメラ忘れた」とマサミが言う。
きっとトイレに忘れてきたのだろうと、
いま出たお店へと引き返した。
そしてカメラは既に持ち去られた後であった。
マジ?と一瞬の出来事に戸惑う。
お店を出たのはほんの1分も前だ。それなのに。。
お店の店員も一緒に探してくれたがやはりないものはない。
置き忘れた荷物が無事に残っているのなんて日本ぐらいのものだ。
マサミの後に現地人らしいおばさんが入ったとの事だが、既にも抜けの空だった。
やはりブラジルはブラジルだった。
ビーチモードだった二人のテンションも急降下。
しかもそのカメラはスペインで盗まれて、新規で買って1ヶ月もしていないものなのだ。
いくら保険が利くからと言っても、同じカメラは二度と戻ってこない。
運が良かったのは丁度昨日、写真をDVDに焼いていたことで、
失ったのはカメラぐらい、という事だった。
とはいえそんな事実がテンションを上げてくれる訳もなく、
仕方なく僕らはビーチへととぼとぼと向かった。
という訳でビーチに着いてからはいきなり酒乱モード。
「なにがイパネマだ!大嫌いだ!!!」
「持っていった奴!家族全員罰が当たれ!」
と、ワイン片手に暴言を振りまく。
イパネマ娘のお尻やビキニ姿などそっちのけで振りまく。でもちょっと見る。
そんなこんなでワインを開け、ビールを2本ほど飲んだ頃には、
すっかりマサミはビーチに眠りこけ、僕はゆっくりと沈む夕日を眺め、
イパネマ海岸の一日は過ぎていった。
暗くなる前にとイパネマ海岸を出て街に戻り、
最後のお祭りモードを楽しむ街へと飲みなおしに外に出る。
昨日まで大音量が鳴り響いていた会場もいまはすっかり音を潜め、
名残惜しそうに残る街の人たちがビールを片手にうろついているだけだ。
祭りの後の道路はもの凄い量のゴミが溢れ、それもまた物悲しさを演出している。
明日になればきっとこの散らかった祭りの残骸もきれいにされ、
街はいつもの姿へと姿を変えてしまうのだろう。
漂うアルコールの混じった空気の匂いさえも、それが愛おしく思えた。
とはいえまだ街は火を消してはいない。
街の一角では未だ屋台が軒を連ね、ビールが飛ぶように売れる場所もある。
僕らもその中に飛び込んで祭りの匂いを少しでも染み込ませようと、
冷たく冷えたビールを浴びるように飲んだ。
屋台の周りの店からはサンバやらレゲエやら好きかってな音楽が流れる。
もう音さえあれば何でもいい、そんな感じだ。
僕もまたごちゃ混ぜになった音楽の中、自然と体を揺らしている。
レゲエの音に合わせ皆が好き勝手に体を揺らす。
ダンスなのかさえもわからないそのめちゃくちゃな動きは
ものすごいエネルギーとなって僕らの心を躍らせる。
国籍も性別も年齢も地位も無関係に、ただそこには笑顔があった。
祭りは終わった。
それがどうした?
ここにはまだスマイルとセルベージャがある。
踊る阿呆どもがいま笑う。
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