DATE:2009/02/22 Brazil - Rio de Janeiro -
ダンス!ダンス!ダンス!ダンス!!!!!!
サンバのリズムで踊り狂う!
そう、ここはリオ、もちろんここで行われるのはカーニバル!
リオのカーニバル会場サンボドロモには、
たくさんの人があふれ開幕1時間前から関取合戦で大にぎわい。
なんとか席を確保し売り子から買ったビール片手に宴の始まりをわくわくしながら待つ。
会場はすでに超満員。
遅れてきた人は立ち見になり、それでもサンバのリズムに乗りながら、
ステップを踏んでパレードが始まるのを待っている。
サンボドロモはまさに「カーニバル専用の会場」で、
コンクリート製の立派な観客席が300メートルほどの直線の左右に備え付けられている。
左側には野球観戦のような席。
右側にはブースのようなボックス席が備え付けられている。
この直線と観客席だけの会場は、
カーニバル以外には何の役にも立たないであろう代物で、
年一度。この瞬間だけのための祭りの舞台だ。
その辺の祭りにかける情熱がまさに「リオのカーニバル」である。
ドゥン!!!!!!
会場がざわめく。
カーニバル始まりの花火が会場に鳴り響き、
その後に軽快な太鼓のリズムが鳴り渡った。
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
会場中がうねるように叫び声をあげる。
宴の始まり。歓喜の叫び。
サンバのリズムに合わせて地元の人たちは、
手渡された歌詞カードの歌をみんなで歌っている。
各チームごとにオリジナルの歌があるようで、
長年慣れ親しんだその歌をみな笑顔で歌い上げていた。
会場の端のほうにはすでにカーニバルの舞台が見えている。
神輿のようなその舞台を囲むようにたくさんのダンサーたちが、
パレードが始まるのをステップを踏みながら待っている。
その数5000人!!!
1チームの参加人数はなんと5000人を超えるのだ。
それがいくつもの舞台を囲むように目の前の直線を踊り歩いていく。
その中にはもちろんイメージにあるような、
セクシーな衣装を身にまとったサンバクイーンが含まれる。
何万人ものサンバクレイジー達が会場の端で今か今かと待ち受けているのだ。
ちなみに今日の参加チームの数は6チーム。
2日に分けて行われるカーニバルの初日。
9時から始まるその宴は、なんと朝5時まで続くのだ。
ふ、と曲調が変わる。
会場がいっきに膨れ上がった!!!
パレードの始まりだ!!!
先頭にはサンバクイーンが堂々とサンバの激しいステップを踏みながら、
ゆっくりと前進してくるのがわかる。
サンバ独特の腰をくねらせるセクシーな仕草が観客を沸かせる。
会場のカメラマンたちはそれを夢中で追いかけ、
クイーンはそれに向かいなまめかしいポーズを見せつけた。
クイーンの後方には何百人もの踊り子たちが、
くるくると絵のようなカラフルな衣装を纏いながら踊っている。
何度も練習しつくされた振り付けを各自楽しそうに振舞っている。
何百人もの踊り子たちの後ろには踊りの舞台。
舞台には選ばれしサンバクレイジー達が上り、
得意のダンスを思う存分に見せ付ける。
舞台は各チームごとに工夫を凝らしていて、
水を撒き散らすものや、電気仕掛けの巨人や昆虫、
宇宙をテーマにしたチームはスタウォーズまであるのだ。
CGのようなリアルさで観客の目を楽しませくれる。
それが1チームで10近くあるのだから、
リオのカーニバルがただの遊びではないことが良くわかる。
どぅっ!!
と観客が一気に沸いた。
何事かと思って前を見ると、
おっぱい丸出しのサンバクイーンが目の前で激しい踊りを見せつけていた。
観客はおっさんも若者も大興奮だ。
これでこそリオのカーニバル!!
1つ目のグループがパレードを終えると、
みなは一斉に座り込み次へと心の準備を始める。
中には熱が覚めやらず立ち尽くしたまま体を揺らす人もいて、
会場内は熱気の渦に巻き込まれいった。
しっかし1グループ約1時間。しかもそれが6グループ。かつ朝まで。
その間立ちっぱなしで踊りっぱなしなのだ。
カーニバルは参加する人だけではなく、
観客でさえも覚悟を持って望まなくてはならない、
耐久パレードなのだ。
なんてことを考えていてもパレードが始まれば
すぐに体は音楽に反応しステップを踏んでしまう。
それがサンバというもので、これがブラジルなのだ。
カーニバルという名を借りた、
ブラジル人の欲求爆発の舞台。それがリオのカーニバルだ。
4度、立って座り、時刻も深夜3時を回ったころ。
会場の雰囲気が一気に変わり始めた。
誰もが期待に胸を膨らませた表情をし始め、
初めての参加者は何が起こるのか戸惑いの表情を見せながら、
会場の雰囲気に同化していく。
「ベイジャ・フロー」
この名前はリオっ子ならば誰でも知っている。
そしてこの会場にいるサンバ好き、祭り好きならば同じくだ。
ベイジャ・フロー。
その生きた伝説のグループはなんとこのリオのカーニバルで、
5年連続優勝の驚くべき実績を持っている。
誰もがその事実を知り、
それを確かめに今日ここにいるといっても過言ではない。
それ程に会場の雰囲気は先ほどまでの4チームの前とは、
明らかに異なる様相を呈していた。
「次のチームは・・・ベイジャ・フロー!!!!!!」
そのアナウンスが流れると、
会場は一気に拍手と歓声に包まれた。
これぞ王者の力なのだろう、試合の前から勝負は決まっているようなものだった。
いつものようにチームの歌を会場全体で歌う。
その声も今までとは何倍も違う。
そしてその歓声の中、王者ベイジャ・フローのパレードは始まった。
これは・・・レベルが違い過ぎる。
誰もが一度見ればわかるだろう。
それほどまでに王者のパレードは堂々と華やかさに満ちている。
何千人もの踊り子たちの衣装。
それ一つとっても一人ひとりが豪華で華やかな、
大きな見栄えの良いドレスに身を包み、
パレードの道を埋め尽くすように煌々と舞っている。
その舞台の仕掛けや精巧さも、
まるでSFの舞台監督が作ったもののように、
機械仕掛けの人形の手の動き一つ一つ、
吹き上げられる水と香り、
すべてが完成された舞台で、
他を寄せ付けない圧倒的な美しさを持っていた。
まぁ、冷静に見ればなんとなくお金の匂いがする、
王者の貫禄ではあったのだけれど、
そんなことを差し置いて、
観客全員に「THE リオ」を感じさせるには十分だったと思う。
僕も誰も、全ての人々がそのパレードに熱狂し、
ステップを踏み拍手を送った。
僕はその瞬間、この日本の反対側の狂気の祭りに、
いまここにいる奇跡に驚き、旅に感謝をした。
僕の旅、一日、一日が今日ここにたどり着くための日々だったのかもしれない。
朝、6時。
すっかり白じみ始めた空の下、パレードは終わりを告げた。
早朝まで踊り明かしたにもかかわらず、
人々の表情には笑みがある。
それはきっと僕の顔にも描かれているに違いない。
帰り道、衣装を脱ぎ捨てた踊り子たちが、
パレードの成功を祝し、乾杯を繰り返す。
道端に転がった色とりどりの衣装をよそに、
早朝からの祝賀会は始まりを告げたばかりだ。
サンバ?踊るだけじゃものたらねーぜ。
酒、女、ついでに金もあればいい。
これがブラジルって奴だ。
なにせ明日も明後日もカーニバルは続くのだ。
ダンス!ダンス!ダンス!
浮世のカーニバルは続く。
now, I'm in Brazil !!!!!
0 件のコメント:
コメントを投稿