2009年2月12日木曜日

世界一周(35)スペイン/PICNIC











DATE:2009/02/12 Spain - Granada -


中国人が経営するスーパーマーケットで
生ハムとチーズ、アンチョビ、ついでにチョコレート、そしてワインを2本買い込み
マサミと二人で丘の上へピクニックに出かけた。


町中の一軒のケバブ屋でケバブを買い食べながら白い町並みを歩く。

やっぱりこの町の雰囲気は心地よい。
のんびりとした日曜日の匂いがいつもする。
そしてそれに家の中から聞こえるギターの音が混じり、ラテンの香りが交じり合う。


丘の上では今日もまたそこで暮らす人達が、
果物なんかを剥きながら楽しげにランチタイムを過ごしている。

僕らもそれに混じるように丘の上に座り、
そこら辺に落ちているベッドで即席のソファーを作り、
欠けたガラス窓でテーブルを作って生ハムやらチーズやらを並べた。

持ってきたワインオープナーをくるくると回しワインのボトルを開けるとポンッと心地よい音がはじけ、
乾杯!と二人で今日の宴会を始めたのであった。


相変わらずに旨いスペインのワインをぐびぐびと飲みながら、
のんびりと何もせずにただ丘の上でお日様を浴びるだけの一日。

たまに犬がやってきてもの欲しげに生ハムを眺めてしばらく隣に座り、
僕らが少し眠ったその隙に何切れかを奪い去っていった。

丘で暮らす人々はやはりヒッピーのようで彼ららしい独特な服装をしている。
洞窟のようにくりぬいて作られた家にはキチンと表札なんかもかかっていて、
ソファーやベッドなどなどきっちり家具も調えられている。
電気やガスがあるのかはわからないが、そんなものあってもなくてもどうでもいいのだろう。
犬を飼っている人が多いが、なかにはヤギなんてのもいて、
僕は生まれて初めてヤギの散歩を見たのであった。


彼らのように暮らす。それもまた悪くはない。

ただ生きる。

それだけで十分だろう。

お金、名誉。虚栄心。
捨て去れば、僕らはシンプルに生きられる。


僕たちは生きるために生まれたのだから。



ワインのボトルが2本とも空きすっかり酔っ払ったころに、
ようやく夕日が向こうの山へと沈んでいった。
今日もまたモノクロへと町は姿を変えた。

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