2008年12月22日月曜日

世界一周(27)エジプト/デンデラの冒険







DATE:2008/12/22 Egypt - Luxor -


天井を眺めれば美しい円形のレリーフが目を潤し、
地下室に潜れば冒険の後に隠された女神の彫刻が目の前に現れる。

今日訪れたデンデラは、
今までにはないそういった冒険がいのある遺跡だ。


アブ・シンベル神殿、王家の谷。
そういった有名な遺跡と比べれば圧倒的に知名度が低い
デンデラのハトホル神殿に訪れようと決めたのは、
南米を旅してきたマサシさん曰く、
「全ての人が薦めてきた唯一の場所」
ということ意外に理由はない。

僕もまぁ1日ぐらいは余裕はあったので、
どうせならば人が行かないところの一つでも行っておこうか、
と考えた程度の軽い気持ちだ。
こういう時に限って、当たりが来る。
デンデラもそのひとつだ。


この遺跡は子孫繁栄を願う神殿で、
古代ではそこでお産なども行われていたようだ。
そんなわけで性的描写も多いなかなかにセクシャルな遺跡なのだが、
僕がこの遺跡を気に入っているのはそんな理由だけではない。

このデンデラの何がすごいって、
冒険心をくすぐる仕掛けに満ち溢れていること。

隠された地下階段やら屋上への階段やら、
アドベンチャー気分満載の遺跡なのだ。


まず神殿の入り口を入ると、
多くの柱が立ち並ぶ部屋がありそれを通り抜けると、
左右に小さな部屋がいくつか見える。

その中の一つに入ると上へと続く階段らしきものが見える。

石の階段にはびっしりとレリーフが刻まれていて、
そこからして冒険心をこそりとくすぐる。
その階段をぐるぐると上って行くと、
いきなり開けた場所に出て青空が天に広がる。

そこにもひとつ隠し部屋のようなものが奥にあり、
そこに入ると天井のレリーフに驚かされる。

宇宙を描いたものなのか、それとも古代の生命観を描いたものなのか。
頭上の円形のレリーフの中には神や人が描かれ、ぐるりと円を描いていた。

そこの壁を見ると男性がおしっこをしているような壁画もあったりする。
僕はそれをおしっこだと思ったが、
ここは性的な遺跡なので、もしかしたら違うのかもしれない。
それはご想像にお任せする。という奴だ。



屋上からレリーフの階段を下りて、
さらに遺跡の中を探検すると警備員が呼びかけてきて、
地下への階段を教えてくれた。

その狭い階段を屈みながら中に入る。

中の空気はもやっとして蒸し暑く、
何か違う世界に来たかのようにも感じる。

淡い光に照らされて隠されたレリーフたちが浮かび上がる。


ここの地下のレリーフは発見されなかったためか、
顔や神の姿がほぼ無傷のまま残っている。

外の主だった壁画は敵の侵略のためか、
王の姿やおろか神の彫刻、さらには性器にいたるまで、
徹底的に削り取られた跡がある。
子孫繁栄を願う神殿であるため、
前王の血筋を根絶やしにするという明確な目的があったのだろう。
なんだか大人気ないが、
勃起した男性器が削られた姿はおかしくもある。

地下遺跡にはそいういった性的表現はないが、
なにやら気になる大きな丸いものを持った人が彫られている。
後から知ったことなのだが、
実はこれは「電球」を描いていると言われていて、
この時代にはないはずの技術。つまり「オーパーツ」だと言われているのだそうだ。

隠された地価遺跡にオーパーツ。
なんて冒険心をくすぐる遺跡なんだ。



そんなこんなで約束の時間はすっかり過ぎ、
待たせていたドライバーをすっかり怒らせてデンデラ観光は終わりを告げた。


次の町、ダハブへ向かう。ついに憧れの紅海ダイブ!

夕日を背に受け走り出したバスは
ナイル川と寄り添いながらエジプトの道を北へと上る。

ナイル川に反射した夕日とやしの木が、ナイル川に絵を描いていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿