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DATE:2008/05/11 Thailand - Chang Sean -
実は今日中にラオスへと着く予定だったのだが未だ着いていない。
ラオスの国境があるチェンコーンへの最終バスに乗り遅れたのである。
てなわけで、チェンセーンという良くわからない町に一泊することになった。
国境の町、チェンコーンへはチェンライから直接バスで行けるのだが、
メコン川沿いを走るチェンセーン→チェンコーン間の道が素晴らしいとの噂だったため、
そちらのルートをたどる事にした。それが予期せぬ事態を招いたのである。
そもそもの原因は、朝寝坊+話込みでチェンライからの出発が遅れたこともあるが、
途中目にした「ゴールデン・トライアングル」という言葉に誘惑され見に行ってしまったことにある。
「ゴールデン・トライアングル」とは何ぞや。
それはラオス、タイ、ミャンマーの国境が1つに交わる場所である。
それを知ったからには行かずにはいられないでしょー、と
チェンセーンからバスで約20分ほどのその場所に、急遽行ってみることにする。
ただのミーハーであるw
何せ現在、日本人は陸路でのミャンマーへの入国はビザが下りないためできないことになっている。
一部、一日だけの特例などもあるがそれも国境周辺の一部に限られている。
タイやラオスに程近いにも関わらず、見ることのできぬ国。
それがミャンマーなのである。
言ってみれば野次馬根性なのだが、そもそも旅とは野次馬根性で出来ているようなもの。
ひと目ミャンマーを。とメコン川沿いの道をひた走る。
メコン川の景色を楽しみながら約20分ほど走ると、運転手のおじちゃんに「ここ」と示され降ろされる。
お寺のようなものが建てられており、観光客がわんさかいる方に足を進める。
目の前にメコン川が現れ、対岸にはラオスが見えている。
その左側、メコン川ともう一つの川に挟まれた形でミャンマーが見える。
これがミャンマーか。と言うほどのハッキリした違いはないのだが、
国境というものと、まだ見ぬ国ということに胸が躍る。
そう言えば国境をきちんと体験したのは初めてかもしれない。
シンガポールからマレーシア、マレーシアからタイ。
それぞれに国境を通ってきたのだが、バスに乗ってだったり、電車に乗ってだったり
じっくりと国境と言うものを味わう時間はなかった。
それが目の前に3つの国にまたがる国境が現れて、
初めてといっていい国というハッキリとした境界線を感じることができた。
しかしながら、それがあまり意味のないことだと言うことも肌で感じる。
おそらく対岸にいるミャンマー人もラオス人も文化や人種と言う意味では、
もともとあまり変わりないのだろうし、今も多くは共通しているのだろう。
その証拠にと言うわけではないが、ラオスへの入国はボートで5分程度メコン川を越えるだけで済み、
物資などはタイなどから頻繁に送られているようである。
国境など意味のないもののように見えるが、
それでもこの線で区切られているという現実は重いものなのかもしれない。
そこには貧富の差があり、そのために争いがある。
それでも100メートルも満たない、境界線は僕の目には薄く消えかけて見えた。
と、そんなわけでラオスへ行けなくなったのである。
ミャンマーに超接近したからいーやーとも思うが、
知らない町で情報もなしで宿を探したり、ご飯を食べたり四苦八苦。
それでもメコン川を見ながらのマッサージや晩酌は格別のものになった。
国境を目の前にして、昨日はなかったタイを離れるという実感が胸にわいてくる。
いつの間にか4週間近くもいてしまったタイだが、
以前に一度来たこともあり、本当はさらっと流す程度だと思っていた。
しかしながら、再度この年になって見た遺跡や街の姿はまったく違う印象を与えてくれた。
それだけに自分も幅が広がっているのかもしれない。
歴史の深さと共に、仏教国の面白さを教えてくれたタイ。
イスラム教とは異なり物質的に存在する沢山の寺院や仏像に圧倒されると共に、
仏教徒としての人間性がタイの人々に染み渡っているように思えた。
微笑みの国というほどは微笑んでいないけれど、誰もがやさしかった。
独立を保っていた国だからか、文化のレベルも相当に高い国と言う印象がある。
それも海外からの輸入ものではなく独自進化したようなユニークさがある。
食文化からして独特で、タイの味は屋台、レストラン含めて忘れられないものとなった。
国王への敬愛は、同じ立憲君主制の日本と比較しても相当に異なり、面白いものだった。
そうしてみるとタイは「オリジナル」という印象が最も強かったのかもしれない。
それもまた、大型ショッピングセンターや外資の進出で変わりつつあるのかもしれないが。
そう言えばタイでは日本語を話していることが多かった。
1週間ほど、姫君を抱えていたこともあるが、日本人旅行者が相当多い。
どこの宿でも日本人がいたし、日本人宿なるものも多く存在した。
誰もがユニークで、誰もが旅を楽しんでいたが、旅におぼれている人も多く見かけた。
しかし個人的にはタイから旅を始めなくて良かったと思う。
日本人の多さは、旅にきている感覚をなくさせるし麻痺させる。
日本人だけで固まって旅をしている人も多かったし、英語が話せない人も多かった。
それが悪いとは言わないし、自分も英語ができるとは言わないが、
僕の思っている旅のイメージとは異なり、違和感を感じた。
しかしユニークな人間が多かったのは事実。
何年間も旅を続けている人も多かったし、住み着いてしまっている人もいた。
たぶん何年たっても旅人の中心地としての地位は変わらないのだろうな。
東南アジアの中心と言うこともあるが、それだけの魅力がタイにはあるのだろう。
旅人にとってはシルクロードの出発点のような場所になっている。
タイと言う国を理解した気がしない。
それがタイの魅力なのかもしれない。
また来なくては行けない。そんな気もする。
再開を夢見て、明日はメコンを越えていく。
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