2008年5月10日土曜日

世界一周 in (5)タイ/坊主と言えど、子供は遊ぶ。






DATE:2008/05/10 Thailand - Chang Rai -


早朝のバスに乗り込み、スコタイからチェンライを目指す。
チェンライはタイ西北部にあるラオスとの国境と約1時間の距離にある町。
とは言え、これといって何がある場所ではない。

3時ごろにチェンライの町にバスは到着。
宿にチェックインして、当てもなく町をぶらつく。

町にはすでに中国語が目に付くようになっている。
さすが国境付近の町、中国、ミャンマー、ラオスと入り混じった文化になるのだろう。
人の顔を見ていてもやはりバンコクなど南部とは違っている。


ふと、一軒の寺院に目をやると、
掃除の時間なのか沢山のオレンジ色の坊主が境内に集まっている。

中には箒を持つものもあれば、電動草刈機などという機械を持つものもいる。
10人入るだろう坊主たちが、それぞれが思い思いに境内を掃除し、清めている。

幾人かはサボっているのか、縁に腰を下ろし歓談をしている。
またあるものは犬と戯れている。


しばらく見ていると掃除にも飽きてきたのか、
箒でチャンバラごっこを始めるものが出始める。
日本の小学校でもお馴染みの風景に驚くが、彼らも10代前半の子供たちばかり。
そういった遊びに興じるのも当然なのかもしれない。

いつの間にかどんどん遊びはエスカレートしていき、
池の中に犬を突き落としたり、友達を突き落としたり、最後には自分で飛び込んだりと、
すでに掃除などそっちのけで、遊びたい放題である。

当然、袈裟はびしょびしょに濡れ、色も濃いオレンジへと変わっている。
その袈裟もきちんと巻くのをあきらめたようで、まるでフンドシのように巻く坊主も出てくる。


およそ30分の間に、掃除から遊び場へ。
小学生ぐらいの年頃の彼らからすると当然といえば当然だが、
坊主や宗教者というものに、神々しいものをイメージしていた僕としては、
なかなかにショッキングな出来事だった。

坊主と言えど、子供は遊ぶ。


また宗教というものに驚き、やはり特別なものではないのだなという思いを抱く。

しかし犬を池に突き落としているところを見ると、宗教ってなんじゃろなとの疑問もあったりはするのだがw



夜になり、近所の古本屋で本を物色していると、
日本人の声が聞こえる。店先で晩酌をしているようだ。
気になって声をかけてみると、なんとこの店のオーナーだという。

年は30代の後半だろうか。
聞くところによると5年ほど前からタイで仕事をしており、
つい3週間ほど前にはプーケットでお店を開いていたそうだ。
奥さんはタイ人で、もともと旅はイロイロしてきたそうだが、
結婚をきっかけにこちらで仕事しているそう。

日本人にはいろいろ会ったが、居ついてしまった人は始めて。
なんだか興味深く、不思議な感じもした。

僕にとってまだ外国は外国であり、旅は旅である。
日本という国が好きだし、帰るところも日本だとは思っている。
もちろん働くという意味では、どの国でも良いとは思うが、
日本を捨ててという感覚はあまり理解できない。


帰るところのない旅。戻る気もない定住。


そこには、また僕が知らない特別な思いがあるのかもしれない。


タイの夜。最終夜。また新しい出会いがあり、驚きがあった。
この国が与えてくれたものに思いをめぐらし、また眠りにつく。

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