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DATE:2008/05/08 Thailand - Sukhothai -
バンコクからバスで7時間。
深夜バスに揺られてたどり着いたのは朝の5時。
ここから古代都市スコタイへの旅が始まるのである。
朝を待ち、ホテルへチェックイン。
そのままの足でスコタイの旧市街へと向かう。
スコタイの新市街から約40分ほどしたところに、世界遺産でもある歴史保存地区は存在する。
チェンマイの市街同様に堀で囲まれていたスコタイは、
約2km四方の城壁を持ち、その中に主たる遺跡が保存されていている。
とはいっても、城壁はすでに崩れ落ち、堀の水も枯れ果ててすでに草むらとなっているが。
遺跡とは言いつつも、
ユネスコやタイ政府に整備された地区内は、
しっかりと手入れされた芝生で覆われた公園のような空間である。
その、手入れされた現在の空間に抗うかのように朽ちかけた遺跡は横たわっている。
歴史公園内の外にも点在する遺産もあり、それを含めて世界遺産に登録されている。
点在する遺産まで見るとなると徒歩ではかなりきついため、自転車を借りて散策することにした。
スコタイの歴史公園は大きく分けて東西南北+中央の5つの部分に分かれており、
今回は北から回り、西→中央→南→東の順で回ることにした。
広大な敷地内、いちおう目ぼしいすべての遺跡を回ったが、
最も衝撃を受けたのは最初に見た「ワット・プラ・パーイ・ルアン」であった。
緑が茂り、水がたゆたう園内でこの遺跡が最も「朽ちる」ということを表現していたように思う。
立ち姿の仏像。その大部分は崩れ落ち、わずかな胴体が残っているものの、
土レンガの内臓を露出したその姿は破壊と時間を否応無しに脳に叩きつける。
ビルマ軍が破壊したというその遺跡群は、
ほぼ全てといって良いほど仏像の首が落とされ、
修復されているものも首についた亀裂が痛みを感じさせる。
最初に訪れた「ワット・プラ・パーイ・ルアン」はその中でも痛みが激しいものらしく、
いたるところに朽ちた仏像が正座し、その痛みが生々しく伝わってくる。
遺跡と名をつければ、そう見えるが、そうでなければただの瓦礫なのである。
つみあがった土レンガがかろうじて存在を主張しているような場所。
その緑豊かな空間からはそんな印象を受けた。
その他の遺跡についてもアユタヤの遺跡とはまた、建物の様式も異なっていて、
一部ヒンドゥー教の寺院を改築したものや、同じ仏塔でもさまざまな形式があり、
20近くの遺跡を回ったがそのどれもが一部、またはその殆どが異なっているという
幅広いバリエーションを持った遺跡だった。
瓦礫の向こうに何があったのだろう。
そんな思いを巡らせる。
人々が生き、思いをめぐらせた場所が何百年も昔、
同じ場所にあったとはにわかには信じられないが、首を駆られた仏像がその事実を語っている。
そしてその暮らしが豊かであったことを、遺跡群の壮大さが物語っているのである。
そこではかつて人が笑い、誰かを愛したのだろう。
同じ場所で僕らは彼らを思い、そして今の幸せを思うのである。
さぁ、世界遺産はアユタヤと合わせてついに10個目に到達!
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