2008年3月10日月曜日

世界一周 in (2)インドネシア/バリニーズ・ヘアー。そして誕生。







DATE:2008/03/10 Indonesia - Bali(Ubud) -


国を出る僕に、誰かが言った。


「世界各国で髪を切ってきなさい」



おし!やったろう!

という事で、髪も伸びたしバリで美容室にチャレンジ♪


まずはお洒落なところ探しから。とは言え明らかに外国人向けだったり、
日本人が経営しているような美容室は意に反する。

適度にバリちっく。そしてお洒落。これが今回の条件。


そして意外とそれが難しい。

世の中、「お洒落」と「バリちっく」の共存は中々進んでいないらしい。

たまに見つけるも、店員はいない。It's バリすたいる。


そしてついに見つけた条件に合いそうなよさげの店。
恐る恐るチャレンジしてみる。
当然、英語はほぼ通じない。その模様を字幕つきでどうぞ、



僕:カット!ヘアー!カット!(ハサミで髪を切るしぐさつき)
女:?
僕:(必死で、髪を切るアクションを続ける)
女:(わかったような表情!)うなずく
女:(けわしい表情)
女:ノーメン!ノー、メン!




僕:え?




僕の苦労、台無し。

ここで全ての計画がもろく崩れる。なんと、バリでは男性は美容室に入らない模様(未確認)
既にいろいろ探し疲れて、若干面倒になっている僕。
となると残る選択肢は美容室ではない「バリちっく」オンリーの店を探すのみ。。。

続けて聞いてみる、


僕:ウェア?マン!(指でどこ?という感じをだして、あちこちを指す)
女:→
僕:→?
女:イェス!サロン・アヌール!


サロン・アヌール。甘美な響き。明らかに無理めな匂い。
ただし、僕にはそれしか選択肢はもう残っていない。残っていないはずはないのに、それしかないと思えるぐらいのあきらめ具合。
トリマカシー(ありがとう)!と彼女に答え、指示された方向に向かう僕。
若干の期待、極度の不安。

そして見えたのは・・・、




当然、完璧「バリちっく」オンリーのお店だった。




しかもなんと。

たどり着いたお店は、滞在しているホテルの2軒となりのお店だったのである。
もっとも避けたかったお店にたどり着いた僕。ここで良ければ、最初からここにしていたさ。ねぇ。



既に僕に残された選択肢は


「切るか」「切らざるか」


である。齢27にして、まさにシェイクスピア的なシチュエーションに立たされたわけである。
悩む27歳。思春期はとうに過ぎている。



現場ではいかにもオカンな感じな美容師とも言えなくもない人物が、若い女性の髪を洗っている。

そこで一つの事実に気づく。


髪を洗う → 女性が髪を切った → そこそこ腕はある   → はずだ

・・・。





よしここだ!



と意思を決めて、お店のおばちゃんにアピールを始める。



僕:カット!ヘアー!カット!(ハサミで髪を切るしぐさつき)
女:ぐっ!(親指を立てる彼女)



やばい、すんなりと交渉成立。既に後には引けなくなっている。
そういえば、女性が切る場所と男性が切る場所は違うんじゃなかったっけ?
と今更ながら思い出し、おばちゃんに示された椅子に座る。


そしてその次、重大な事実に気づかされる。




なんと髪を洗ってもらっていた女性は彼女の「娘」だったのである。





先ほどの完璧なまでの技術力への論理展開がもろくも崩れる。

既にもうやけくそである。

彼女の娘は少し英語が出来るらしく、どんな髪型にしたいか?と聞かれ迷った挙句出した答えは、




「バリニーズ スタイル プリーズ」




だった。


娘、笑い転げる。



既に、もうネタにしか持っていけない状況である以上、それ以外の答えは残されていなかった。
下手にお洒落に走って失敗したほうが致命傷である。ゆえにバリニーズスタイルが唯一の正解のように思えた。


娘、母親に説明し始める。

母、にやりと笑う。

そしておもむろに抜き身になり不敵に構える。そして、ショーは始まった。



ハサミが舞い、切り離された髪が舞う。

そこには寸分の狂いもなく、まっすぐに。ただまっすぐに、髪の毛は等間隔に切り取られていく。

前髪さえもただ、まっすぐに。正確に同じ角度で整列させられていく。


梳く。流す。レイヤーを入れる。

僕とおばちゃんとの世界には日本が築きあげた、美容の技術はいっさい存在を認められない。

ただそこには「切る」という行為だけが存在した。


幼き日を思い出す。

坊ちゃん刈り。スポーツ刈り。

あのころはスポーツ刈りがあこがれだった。なぜかそんな昔のことを思い出した。




そして全ての舞が終わり、宴は幕を閉じた。


宴の後。


長くもなく、短くもない中途半端な、ただハッキリと切り口がわかる髪形。

そこには立派なバリニーズが誕生していた。

彼はただ笑うしかなかった。誕生日おめでとう、と。




事実。

その後、大好きなエステレールを食べていたとき、
隣にいたバリ人のおばちゃんがまったく日本人だと気付かずにいたことを報告しよう。
彼女は僕に話しかけ、なぜバリ語が通じないの?という顔で僕を見ていた。


さよなら、日本。よろしく、バリ。


ついに帰らぬ人になる。

1 件のコメント:

  1. コメント
    NICO2008年03月12日 14:29
    そちらもなかなかのBEFORE AFTERで
    もぅ日本人の風貌ではないねぇー
    現地に馴染み・・・ 過ぎっっっ!!!!!
    まりっぺ2008年03月12日 15:10
    似合ってる!
    短髪のほうがいいよー☆
    バリって男の人、みんな短髪なの?
    日本みたく、長かったりパーマの人とかいるのかなぁ。
    はじめ2008年03月13日 11:26
    バリニーズ=シンプル=笑いの神降臨ってことか…世の中深いな…
    でもバリの人にも気付かれないぐらい、バリに溶け込んだ。この事実は素晴らしいよ
    美容室の娘の母に伝えた言葉を知りたい…
    ゆきぞう2008年03月13日 20:07
    「バリニーズ スタイル プリーズ」

    ↑最高!マジ笑ったよ。

    しかし、BEFORE AFTER がイマイチ分からないや。

    鉄平もともと、バリニーズスタイルだったの?
    鉄平2008年03月14日 00:48

    >NICO
    もう、なんでも来い!な感じだからなぁ。
    たぶん会ったときよりさらに黒くなってるしねー。

    日本にいたときから馴染みやすい男として君臨してました☆


    >まりっぺ
    おし、これからどんどん進むうちに短くしてくよw

    少ないけれど、パーマの人や金髪の人もいるよー。
    欧米化!です。


    >はじめ
    とりあえず、馴染むのは得意w



    >ゆきぞう

    ぜひ、ユキさんも試してください!

    「ラオススタイル プリーズ♪」

    返信削除