2009年3月2日月曜日

世界一周(37)ブラジル/ある出会い







DATE:2009/03/02 Brazil - Sao Paulo -


「日本人ですよね?」

と、毎回お決まりの台詞に驚きもしなかったが、
今回は勝手が違っていて結構驚いた。


それは出発前の最後の日本食を、とバイキングをさらに取り分けている時だった。

朝からくるくるパーマをかけ直しに成功したマサミと奮発して、
寿司なんかもあるバイキングで値段もわからず恐る恐る取り分けている時、
勝手がわからずまごまごしている僕らを見て声をかけてきたのがマリさんだった。


旅人相手のその会話は慣れていて、
「そうですよー」から始まって「どこを旅してきたの?」とか、
「これからどこへ行くんですか?」とかがお決まりの会話として繰り返されるのだが、
今回声をかけてきたマリさんは明らかに旅人ではない。

お化粧も服装もばっちり美人OL的な女性で
どうやらこちらで生活しているような様子だ。

ともかくバイキングのやり方を教えてもらい、
そのまま一緒に食事をすることになったのだが、
これまた驚くことに隣にはブラジル人の旦那さんがしっかり座っていた。



このマリさん&アキラの夫妻は、
サンパウロに住む日本人と日系3世のカップルで最近結婚して日本からこちらに引っ越してきたそうだ。
年は僕らより少し上のお姉さんと言ったところか。

普通ならそういう一般人の方はあまり旅人と関わることはないのだが、
マリさんには大きな事情があったのだ。


つまり・・・「暇過ぎる!」という・・・。


なんでもこちらに引っ越してから数ヶ月、
なかなか日本人の友達が出来ずに日々いろいろと話したい鬱憤が溜まっていたのだ。

仕事で通訳をしていたとの事でポルトガル語堪能なマリさんだが、
夫であるアキラとはもちろん会話に不便はないものの、
それでもやっぱり母国語で思い切り話したいという欲求は別、と僕らにターゲットを定めたのだった。

それは僕にもなんとなくわかる。

英語での会話にも慣れてはいるけれど、
それでもまだ僕の英語力では伝えきれないことはいくらでもあるし、
それより何より日本語というスペシャルな表現力を持つ母国語で、
べらべらべらべら際限なく話したい時はいくらでもある。


という訳で暇を持て余していたマリさんと、
そんな彼女に興味津々な僕らとの奇妙なお食事会が始まったのであった。


しかしまぁ、この人面白い。
そして僕らもまた面白い。

もともと僕とマサミだけが話してたって話が止まらないのに、
さらに話好きのマリさんの3人組となっては延々とくだらない話が止まらない。

僕らは旅の話をし、マリさんはブラジル体験記を語る。
お互いに未知の話だから話はいくらでも続いていく。

途中、日本語が少ししかわからないアキラは困った顔をしていたが、
その辺はやさしい旦那さんのようで、
妻の話し相手がやっと見つかったとむしろ微笑ましく見てくれている。


気が付くと2時間近くが経っている。
もともとバスの時間は夜なので別に時間が気になるわけではない。

が、さすがにアキラをこの状態でこれ以上つき合わせるのはかわいそうだw
さてどーしたもんかと、考え出したころ、


「どうせなら家に一泊してかない?」

思わずマサミと二人で顔を見合わせる。
もちろん答えは決まっている。

「いいんですか?」とブラジル生活を垣間見れるまたとないチャンスに食いついた。




と言うわけで今はサンパウロの町が見下ろせる高台にあるマリさんのマンションにいる。

思ってもいない急展開。これが旅の楽しみでもある。


信じられないような夕日がサンパウロの街に沈んでいった。
これもまた今日の出会いがなければ見られなかった風景かもしれない。



出会い。出会い。出会い。

そうやって僕らは生きている。
偶然の中の喜びを見つけよう。

2009年3月1日日曜日

世界一周(37)ブラジル/世界の裏側で出会う味







DATE:2009/03/01 Brazil - Sao Paulo -


どーやらまことに残念なことに、、、

「ブラジルでサッカーを見る」という一つの夢は達成できなそうである。

観光案内所に聞いたところ試合があるのは土日との事だが、
運悪く今週は試合が行われない週でせっかくの日曜日と意気込んでいたが、
残念な結果にしょぼくれて観光案内所を後にした。


明日はもうサンパウロを出発する予定だが、
東洋人街を除いては特にこの街に目的はない。

とはいえ今日一日を無駄に過ごすのもなんだかもったいない気がして、
日曜日に開かれるという蚤の市に行ってみることにした。


「なんだかやってないみたいだねぇ」
と、閑散とした公園を見てつぶやいた。

蚤の市がやっているはずの公園へやってきたはずなのだが、
たくさんのお店が立ち並ぶ、との情報とは裏腹に
そこにいるのはブラジル名物ホームレスの路上販売ぐらいだ。

なんだかもう見慣れてしまったがサンパウロの街にはものすごく沢山のホームレスが暮らしている。
高層ビルの真下、公園の中で暮らす彼らの姿に最初は異様なものを感じていたが、
いまではすっかりブラジルの景色として馴染んでしまっている。

リオにもホームレスはいるにはいたが、
サンパウロのホームレスはリオとは一味違いどこか殺伐とした雰囲気を感じる。
油断したら荷物だけでなく命さえも奪い取られそうな気もする。

そんなホームレスの路上販売。
これが蚤の市?と不思議に思いながら公園をまわると、
案の定間違いですぐ裏側には沢山のお店が軒を並べるにぎわった一角が現れた。


蚤の市は絵画のコーナーと古着屋や骨董品のコーナー、そして食料品のコーナーに別れている。
僕らが最初に入ったのは絵画のコーナーで、
それぞれ自作の絵を立てかけてのんびりと商売をしている。

さすがに旅中に絵を買う気はなかったので、冷やかしながら絵を鑑賞する。
なかなかにレベルが高いものが多く無料の美術館に来ているようでもある。

その他にも骨董品などのコーナーには楽器などの民芸品を売っている場所もあり、
お店のオーナーが置かれた楽器を使って生演奏を聞かせてくれる。


面白いのが食料品のコーナー。
日本でもクッキーなどを販売している蚤の市はあるが、
サンパウロの蚤の市ではクッキーや蜂蜜はおろかなんとケーキまで販売している。

ケーキは量り売りのようで、この暑い中どろどろになったケーキが
無残に切り刻まれた姿でテントの中に並んでいる姿は到底食欲をそそらない。

日本ではケーキなど作り置きはほとんどしないのが常識だが、
保存料を大量に使っているのだろうかブラジルではスーパーなどに
ホールケーキが何個もずらりと並んでいる姿を良く見かける。

どう考えても1日で売り切れる量ではないのでそのまま何日も並ぶのだろう。
1日経ったケーキでさえ食べる気がしないが、
そこに並んだケーキなど作りたてだとしても食べる気が湧くわけもない。
薬漬けのケーキを丸ごとほおばるなんてごめんだ。

お腹も空いていたので僕らは無難に屋台の焼きそばを頼み、
日系人だった屋台の主人におまけをしてもらいながら「日曜日だねぇ」なんてことを思った。




蚤の市見学も一通り終わったので宿のある東洋人街へと戻る。
ここでも今日は日曜日らしく特別に屋台が出ている。

東洋人街らしく並ぶ屋台はかき揚げや焼き鳥。ついでにカキ氷なんてのも。

やっぱりこの街は「のんき」だ。
のほほんと並ぶ怪しげな日本語のちょうちんや盆栽を見てつい笑顔になった。


さーて何食べるかねぇ。と東洋人街をうろつく。

ラーメンに焼きそば、などなど。
目に付いたものはあらかた食べ終えてしまったのであまり選択肢がない。

しょうが焼き定食なんてのも心惹かれるが、
いかんせん店構えが明らかにおいしく無さそうだったりする。

どーする?どーする?と散々悩んだ挙句入ったのは・・・


「らーめん」

またラーメン!?と思うがやっぱりラーメンへの思いは捨てきれないのだ。
だめ元で先日入ったお店とは違うお店へと入ってみることにした。




「ラーメン和」という名前のお店は最近出来たらしく内装も新しく、
メニューもまた味噌ラーメンから冷やし中華まであり、
最近流行のおしゃれラーメン屋といった感じの雰囲気だ。
値段も少し先日のラーメン屋よりも高い。

僕はとんこつラーメン、マサミは冷やし中華を頼む。
ギンギンに冷えたビールで乾杯をしながらラーメンを待つ。
しばし待つ。しばし待つ。

「お待たせしましたー」と僕らの前に2つのどんぶりが並ぶ。


こ、これは・・・美味そうだ!!

スープの色とそこに浮かぶ油が食欲をそそる。
いただきます。とまずはスープを飲む。


美味いっ!!!!!マジ美味い!!!

次いで麺も・・・美味い!


感動の瞬間。やっと日本のラーメンに出会えたのだ。
ここまで美味いラーメンに世界の裏側で出会えるとは・・・。

久々の本物のとんこつスープの味をゆっくりと堪能する。
最後はごはんまで頼み、ラーメンごはん。
ラーメン和。ありがとう。


これだ、この味を求めてこの街へ来たのだ。

満腹になって店を出て思った。
これでこの街にもう悔いはない。

さぁ次の街へ!
満腹のお腹を抱えてまだにぎわう街を抜けて宿へと戻った。


僕ぁいま幸せだぁ。

ラーメンは偉大なり。

2009年2月28日土曜日

世界一周(37)ブラジル/それぞれの物語











DATE:2009/02/28 Brazil - Sao Paulo -


マルコメ君に永谷園。
ぬか漬けに梅干、手巻き寿司。そして極めつけは水戸納豆。
駄菓子なんかも揃っているのが心憎い。
ついでになぜかラジオ体操の像なんてのもあっちゃったりして。


やっぱり東洋人街の街歩きはめちゃくちゃに楽しい。

日本食材というと全て日本から輸入しているかのように思えるが、
それが結構ブラジル現地で作っているものも多いのだ。
梅干や醤油なんかは現地生産のものが安い。
味の保障は出来ないが、日本の食材をブラジルで作っているという事実がなんとなく面白い。

この地域には食品だけでなく、
日本のアニメや映画に音楽、そして刀や招き猫までありとあらゆる日本グッズが並んでいる。

昨日見たコスプレ姿の人々はもちろんこういった店で、
日本のアニメのコスプレを楽しんでいるようで、
そういう店が入ったビルにはたくさんのアキバ系ブラジル人が溢れている。
この人達が日本のコミケなんていった時にはどうなるのだろう。
サンバの国ブラジルとアニメの国ニッポンの融合。なんだか想像もつかない。

この町を歩いているとなんだか「のんき」だなぁ。と思う。

そうだ日本と言う国は「のんき」な国なのだ。
世界が戦争をしていたって、日本製品がバッシングにあっていたって、
日本国内ではそんな雰囲気はほとんど感じることがない。
経済紙がどんなに暗いニュースを流したところで実際のところは
ただ、のほほーんとした空気が流れている。

僕はこの「のんき」さが嫌いではない。
世界を旅してきていま本当にそう思う。

「のんき」なんていう間抜けな言葉がぴったりと来る日本と言う国。
それはなんていい国なんだろう。

知らないうちに騙されようがアメリカの手先になろうが、
なんだかんだ言って僕らが幸せに暮らしていけるならそれでいいじゃないか。
そんな鈍感さも時には必要なときもある。

どんな殺伐とした世の中でも、
芸能人のゴシップがトップニュースになる日本と言う国が僕は大好きだ。
この町に溢れる招き猫の間抜けな姿を見てそう思った。



そういえばこの地域は一昔前までは「日本人街」だったそうだ。
それが中国人や韓国人の進出によって最近になって「東洋人街」へと名前を変えた。

街を回ってみると確かに中華系らしきお店が多いように見える。

日本のアニメのコピー商品などを扱っているのも中華系のお店で、
怪しげな日本グッズが町中のいたるところに並んでいる。

町はすっかり日本文化をネタにした中国人の商売エリアとなっているようで、
さすが中国人というしかない。

中国人の経営するお店に刀や招き猫が売っている姿は異様ではあるが、
ブラジル人はそんなことは気づきもしないだろう。
そう言えば海外では「中華レストラン」のメニューに寿司がある。
それもまた中国ならではのむちゃくちゃな商売スタイルの表れかもしれない。

そんなことを言っていても現実は商売が先に立ち、
中国人が日本をネタにして商売をしているのを止められはしないだろう。

まぁ、そのおかげで日本人である僕もまた
違法コピーのジブリシリーズを手に入れられたのだから文句は言えない。
中国と言う国はいろんな意味で面白い。
そしてやっぱり日本という国民性はどへ行っても「のんき」だ。



サンパウロの東洋人街はもちろん街の一角であり、
サンパウロはもっと大きなほぼ東京と同じぐらいの規模がある。

来てみて驚いたが高層ビルがバンバンと立ち並ぶその姿は、
驚いていたリオの街の数倍はある。さすがブラジル最大の商業都市である。

東洋人街めぐりを一先ず終えた僕はカメラ探しに出かけたマサミと別れ、
土曜日は無料ということで美術館めぐりをすることにした。





まずはアート美術館。
と、観光案内所お勧めのサンパウロ現代美術館に入ってみたが。

んーいまいち。

なんだか下手なヨーロッパ現代アートの模造品のようで、
いまいち心に刺さる作品がない。

仕方なくさらりと館内を歩き、次のお勧めのポルトガル~なんちゃら博物館へと向かう。



レンガ造りの美しいLuz駅構内に作られた博物館には、
なんだか現代的な作りのディスプレイやらなんやらが所狭しと並べられている。

なんの博物館?

と最初はまったくここの内容を知っていなかった。
単に観光案内所に薦められたから来てみたという感じだ。

入ってみればわかるだろうと、実際入ってみたが、
これがまた何の展示なのかがまったくわからない。

なにやらポルトガル語の文字がたくさん並んでいるが、
結局のところそれが読めないのでまったくわからない。

どんどん奥に入るもやっぱりポルトガル語のため、ぜんぜん理解不能だ。


なんだここ????


そう思いもう一度、観光案内所で渡された地図を見る。

ポルトガル・・・らんぐぇーじ・・・みゅずも??
らんぐぇーじ。。らんぐぇーじ・・・ランゲージ?

ポルトガル語博物館!?


わかるかいっ!!こんなもん!

そもそもこの博物館の趣旨がなんだかはわからないが、
ポルトガル語をポルトガル語で説明されても外国人がわかるわけないのだ。
なぜそれを薦める!愛想の良い観光案内所!

気付いてしまうとなんだか笑えてきて、
そのCGや大型ディスプレイを駆使した、たぶん解れば素敵な博物館を、
意味も解らないままともかく全展示を見ることに努力した。



2つの美術館めぐりが終わると、
午後3時を回っており日は少し傾き始めていた。


あーぁ。。。欲求不満!!

二つも美術館をめぐったのになんだこの物足りなさは。
もうひとつ行くか?そう思うも日が暮れしまう危険性もある。
さすがに夜のサンパウロを一人でうろつくほど愚かではない。
無料ではないが、素直にサンパウロ美術館に行っていればよかったかもしれない。

歩いて10分ほどの距離に
ブラジルの宗教関連の美術品を扱う小さな美術館があり気になってはいるが、
どうしたものか。。。

しかしこの欲求不満は・・・。

よし行っちゃえ!



さすがに2つも巡って収穫ゼロではお腹がなって仕方ないので、
勢いでもう1つの美術館を回ってみることにした。


宗教美術館はとても小さな美術館で地元の人が集まる教会に併設されている。

その小さな教会の脇で人のよさそうなおばちゃんがチケットを切っている。
なぜかやたらと荷物に気を付けなさいというおばちゃんと笑顔を交わし、
やたらとかわいい日本語が話せない日系人女性に案内されて館内へと入った。


この博物館に展示されているキリストやマリアの像は木で出来ている。

そのユニークな木像はどこの国でも見たことのない表情をしていて、
ブラジルに住む原住民が築き上げたオリジナルな宗教観を表している。

木で出来た像や台座はどれもユニークで面白く、
もやもやしていた今日一日の美術館へのうっぷんが一気に吹き飛んだ。

ヨーロッパから持ち込まれたキリスト教をこうやって当時の人々は愛していったのだ。
その黒ずんだ木像の数々に僕は何百年前から続く思いを知った。



すっかり満足した僕は宿へと戻る。

「じゃーん」と待ち構えていたマサミが取り出したのは、
盗まれたものと同系でしかも同じ色のカメラで彼女は満足げに微笑んだ。

これで万事快調。

と、宿を出ようとすると宿の女将さんがちょうど出てきたところだった。


昨日の夜、「あの女将さんもいろんな人生を歩いてきたんだよね」
と二人で話し合っていたところだ。

ちょうど、暇をしてそうだったので思い切って彼女の人生を聞いてみることにした。



もう50年以上も前のこと。

彼女の父親はブラジルの地に未来を求めて渡ってきたそうだ。
最初は出稼ぎのつもりだった父は2人の子供と妻を日本に残してきたのだが、
ブラジルでの仕事が軌道に乗り始めると一度日本に戻り、
女将さん達家族を連れてブラジルへとまた渡ったそうだ。
その時、女将さんはまだ10代も半ば。
そんな若い年で人生は大きく変わったのだ。

日本を出発した船は1ヶ月以上の時間をかけてブラジルへとたどり着いたそうだ。
1ヶ月の船旅。これだけ旅をしてきた僕でも想像がつかない。
しかも当時はまだ航海技術も今ほどに発達していなかったはずだ。
それは命を懸けた旅とも言ってもいい人生をかけた旅だったのだと思う。

ブラジルに着いてからは、最初は工場の工員として働いていた父が、
いくばくかの資金を貯めて工場の経営を始め、
後に輸入業などの手を広げ今はビルごとホテルを経営するほどになったと言う。

言葉も何もわからなかった50年以上も前。

いまこうして彼女はここにいる。

僕らに語ることのなかったたくさんの苦い経験も多くあっただろう。
それでもこの物語を語り終えた彼女は僕らに向けて温かく笑っていた。

僕らは彼女にありがとう。と、お礼を言いまだ賑わう夜の町へと出かけた。



ふと思う。

この、すれ違う僕らと同じ顔を持つ人々にもまた彼女と同じ物語があるのかもしれない。


それはどこに行っても同じことか。

そんな単純なことに気付いた。

どんな平凡な人生だとしてもそれはその人にとっては大きなドラマなのだ。
街中いたるところにいくつものドラマがあり人がいた。


そうだ僕はいま物語りの中にいる。


ハッピーエンドじゃなくてもかまいやしない。
今このシーンを笑えれば良い。


いつか命が途切れるまで。監督のいない物語は続いていく。

2009年2月27日金曜日

世界一周(37)ブラジル/素晴らしきニッポン







DATE:2009/02/27 Brazil - Sao Paulo -


リオの街も今日でお別れとなるとやっぱり心寂しくもなる。


毎日のように通っていたパン屋の絶品クリームソース入り揚げパンを頬張る。
これが最後だと思うとなんとも愛おしい。


僕が見た奇跡のようなお祭りから既に5日も過ぎていた。
街の雰囲気もすっかりお祭りから解き放たれて、何事もなかったかのように動き出している。

ただ僕は知っている。

1年後、この街がまた七色のエネルギーで満たされるのを。

サンキュー、カーニバルの街!また来るからね!




乗り込んだサンパウロ行きのバスはあまりにも快適で、
これで何段階かあるバスのクラスの内で中ぐらいだというのは信じられないほどだ。

ブラジルの移動は高いと聞いていたが、これだけ快適ならば仕方がない。
完璧に舗装された道路がこの国の文化レベルの高さも物語っていた。


リオの街を出発したバスは延々と田舎道を走っていく。
まだリオの街しかしらない僕は少しずつブラジルという国を理解していった。


何時間走っても変わることのない景色。
広大な本当に広大な土地がブラジルにはあった。

そこに流れる豊かな川の流れや多い茂る草木たちは、
アマゾンに代表されるようにブラジルに多くの恵みを与えていることがわかる。

もちろん多くの人はリオのような大都市に暮らしているのだろうが、
きっとこんな自然の中で暮らす人々は、まったく違った空気をまとっているのだろう。

広い野原のような農地の中にぽつり、ぽつりと立ち並ぶ家。
こんな場所で暮らす人々はどんな人なのだろう。

ブラジルとひと括りにしても、いくつもの生活があるのだ。

あの多種多様な人々が暮らすエネルギーに満ち溢れた、
リオの少し危険の匂いがする街並みを思い出して今目の前に広がる車窓からの景色に、
この国が持ついくつもの文化を思った。



6時間ほどバスは自然の中を走りぬけついに第二の都市、サンパウロへとたどり着いた。

この街の目的はもちろん

「東洋人街」だ。


噂に名高い日系人が多く暮らす東洋人街がこの街にはある。

やたらとフレンドリーな観光案内所のおばちゃん?に、
サンパウロの地図とさらには個人のメールアドレスまで教えてもらってから、
東洋人街があるリベルダージへと向かった。



バスターミナルから地下鉄を乗り継ぐとそこはすぐにリベルタージの駅だ。
中々に快適な地下鉄を抜けると、のっけからそこが異常な雰囲気の漂う場所であることがわかる。


コスプレ!?

ブラジルでコスプレ!?
なんと駅の改札にはアニメのキャラクターのコスプレらしき姿がちらほら見えるのだ。
こんなところ秋葉原ぐらいしかないと思っていたが、なんとも世界は広い。

その面白すぎる幕開けに地下鉄の階段を登りきると。。。


・・・なんだあの鳥居みたいな電灯は。。

やってきました「THE 東洋人街」。
さすが世界に名だたるアジアンタウンだけあってその姿も異様や異様。

世界を旅して初めてスシレストラン以外の日本の姿を見た。
しかしまぁ、鳥居とは。こんなの日本にもねーよ。と面白すぎる幕開けに思わず笑う。



ともかくまずは宿探しと、調べていた情報を元に宿を目指すと。。


「いらっしゃいませ!」

キター!いらっしゃいませ!

なんとホテルのオーナーは日系2世の女性。
久しぶりの日本語での接客に思わず笑みがこぼれる。



街を歩けば日本食があふれ、スーパーに入ればなんとお茶漬けまで手に入る。
日本よりも充実しているのではないかと思われる日本食材。
ホテルにキッチンがないのが残念でならない。



そして、もちろんこの街で食べるのは「らーめん」

世界中、どこへ行ってもこのラーメンだけは美味しいものに出会うことが出来ない。
ここが唯一、ラーメンへの期待が持てる場所なのだ。


いらっしゃい!の声でカウンターに座るとさっそくラーメンとついでに餃子を注文。
数分も経つと湯気が香るラーメンが。。これは期待できる!!

いただきます!

と、久々の割り箸をぽきりと割ってずるずるっとラーメンをすする。


うま・・・い、かな。。。いや・・・普通かな。


無念。いくら日系人が多いこの街とは言えおいしいラーメンとはめぐり合えはしなかった。
まぁ、まずくはないけどね。

期待ほどではなかったが久々のラーメンに舌鼓を打ち、
ビールを飲みながらギョウザを待つ。。が来ない。

ビールにはギョウザだろう。の夢も空しく、ギョウザが来ない。

それに気づいたらしき日本人のオーナーが謝りながら直ぐに作ってくれる。
遅れたら謝る。こんな普通の対応がものすごくうれしい。


と、おなかも満足し店を出ようとお勘定をしようとしたところ。

「さっきのギョウザは遅れてしまったので御代は要りません」


・・・ここは日本だ。あめーじんぐだ。

日本ならば当たり前とも言えるこの対応に、なんだかひどく感動してしまう。

なんて素晴らしい国なんだニッポン。
いまなら貴方の素晴らしさがよくわかる!



やってきました世界唯一の日本の飛び地、サンパウロ東洋人街!


この街は面白すぎる!!!

2009年2月26日木曜日

世界一周(37)ブラジル/ダラダラは疲れるものなり







DATE:2009/02/26 Brazil - Rio de Janeiro -


やっぱ行くのやーめた。


今日のサンパウロ行きを目覚めたとたんに取りやめた。

いつもだったら予定はきっちり守る性質なのだが、
リオのカーニバルという最大の目的が終わってしまったからか、
それともリオでのんびりし過ぎたからか、
ともかく「メンドクサイモード」に突入してしまった心を動かすだけの力が今日はなかったようだ。

と言ってもリオでやることはやり尽くしてしまったため、
特にやることもなく、ただのんびりと、と言うよりもダラダラと一日を過ごした。
やったことと言えばビールをたらふく飲んだことと、少しばかりの日記を書き足したことぐらいだ。


1日もダラダラと過ごしているとなんだか疲れてしまい、
やっぱりこう慣れないものはするんじゃないな、と思った。

目的もなくただ一日を過ごすのは自分には中々にストレスフルな事なのだ。
難儀な体質だがやっぱり何か動いていないと居心地が悪い。

「なにもしない」ことをすることは出来るのだが、
「なにもすることがない」ことには耐えられない。


人生は短い。
そしてやりたい事はいくらでもある。

昔、40歳まででいいやと思っていた人生もこの分だとずいぶん長くかかるみたいだ。


タイムマシンがあれば。

僕はきっと過去に戻るだろう。
過去をやり直すためではなく、新しい別の未来を楽しむために。



祭りは終わった。さぁ、旅立ちの時。